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2018年12月24日
数詞の格変化2(十二月十九日)
次は順番通りに2である。1と違うのは単数がなく、複数の形しか存在しない点である。ただし「二種類の」という意味の数詞は存在し、そちらは単数につけて使うことも多い。いや使う機会は少ないけど、その機会の中では単数につけることも多いというのが正しいか。避けようと思えば避けられる言葉だし。
ということで、格変化の特徴だが、形容詞など名詞につける言葉の複数1格では、普通男性名詞活動体、男性名詞不活動体+女性名詞、中性名詞という三つのグループに分かれることが多い。しかし、この「2」は、男性名詞の活動体と不活動体に同じ形が使われ、女性と中性が共通の形を取る。4格と5格は1格と共通で、それ以外の2格、3格、6格、7格は三性共通なので、覚えることはそれほど多くない。
1 dva(男)/ dvě(女・中)
2 dvou
3 dvěma
4 dva(男)/ dvě(女・中)
5 dva(男)/ dvě(女・中)
6 dvou
7 dvěma
注意すべきことは、共通の形を取る組み合わせで、2格と6格、そして3格と7格という組み合わせになる。また3格は「m」で終わるものが多いだけに、「a」をつけるのを忘れてしまうことがある。7格の語尾の「ma」はこの「2」に特徴的な語尾で、他の形容詞や代名詞などには現れない形である。例外として手や足、目などの人間の体に二つずつついているものにしか使われない、単数と複数の間の、2つのときだけ使う形、いわゆる双数の7格に現れる。
口語的チェコ語で、名詞、形容詞などの複数7格の語尾に、性を問わず「ma」が現れるのは、この「2」の格変化に影響を受けたものだろうか。普段から口語チェコ語を使っている人が、文法的に正しいチェコ語を使おうとして、「2」の7格まで「dvěmi」にしてしまう間違いをする人がいる。これを直しすぎというらしい。外国人も同じ間違いをすることはあるけれども、それは直しすぎではなく、他の形容詞や名詞などからの類推による間違いである。
この「2」の後で特殊な形を取るものとして、これも数詞の「100」がある。チェコ語では「sto」で、原則として中性名詞の「město」と同じように格変化するのだが、「200」のときだけ、1格が「dvě stě」と中性複数の「sta」ではなく、見慣れない「stě」という形になる。文法的にはそれが正しいのだけど、チェコ人の中にも、それを知らず「dvě sta」が正しいと思っている人もいて、こちらがせっかく正しいチェコ語を使ったのに間違いだと指摘されることもある。間違いの指摘の間違いに気づけるようになると、それはそれで成長を感じられて嬉しいのだけどね。
それで、単数に付けることのできる「2」の数詞は、「dvojí」で、「二種類の」という意味になる。末尾が「í」となっていることから想定されるとおり、形容詞の軟変化型の格変化をする。これは特に単数で表される集合名詞や、概念を表す名詞などの原則として複数形を取らない名詞につけて使うことが多い。ただし、例えば「dva druhy piva(二種類のビール)」などのように、種類という意味の名詞「druh」を使うことで、使用を回避できるから、どうしても覚えなければならない言葉ではない。
それに対して、覚えておいたほうがいいのは、複数でしか使わない名詞とともに使う「dvoje」である。こちらは、種類ではなく「二組の」、もしくは「二つの」という意味になり、同じ種類のものが2つある場合にも使用できる。「dvoje boty(二足の靴)」「dvoje těstoviny(二袋のパスタ)」なんて具合である。格変化は、1格、4格、5格以外は、「dvojí」と同じで形容詞軟変化型である。こちらも「dva páry bot」「dvě balení těstoviny」という形で使わずに済ますことは可能である。
以上の二つをまとめると、多分「dvojí noviny」は二種類の新聞で、例えばムラダー・フロンタとリドベー・ノビニまとめてさすときに使い、「dvoje noviny」は同じ新聞を二部という場合に使うのだと思う。「と思う」と日よってしまうのは、「dvoje」は滅多に使わないし、「dvojí」はチェコ語の授業以外では使ったことがないからである。同じものを二つなんてときには、「dvakrát(二つ/二回)」を使うというのが身についてしまっていて、よほど意識しない限り「dvoje」なんて口から出てこない。
むしろ使うというよりは、よく聞くのは、形容詞化した「dvojitý」である。こちらは「二重の」という意味で「dvojité okno(二重窓)」のように使う。フィギュアスケートのジャンプもこれで「ダブル何たら」を表すし、他のスポーツの中継でしばしば耳にするのでいつの間にか覚えてしまったのである。問題は耳で覚えた言葉の常でつづりが怪しいことで、ついつい「dvojtý」と書いてワードに直されてしまう。耳で聞いても違いわからんし。
この「2」と全く同じ格変化をするのが、「oba(両方)」で、派生する「obojí」「oboje」が存在するところまで同じである。ただし形容詞化した「obojitý」は存在しない。
2018年12月20日20時55分。