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2018年12月21日

ハンドボール女子ヨーロッパ選手権終了(十二月十六日)



 十一月末に始まったハンドボールの女子ヨーロッパ選手権は、開催国フランスの優勝で幕を閉じた。決勝の相手は一次グループで負けたロシア。フランスは去年の世界選手権に続いての優勝で、来年日本で行なわれる世界選手権でも優勝候補の筆頭ということになりそうだ。

 3位に入ったのは、去年の世界選手権でも3位だったオランダ。チェコが去年準々決勝で負けた相手である。4位はチェコが初戦で負けたルーマニア。去年の世界選手権ではチェコが勝ったけど、ルーマニアはやはり強豪ではあるのだ。

 昨年の世界選手権で準優勝だったノルウェーは、一次グループでチェコにしか勝てず、二次グループに勝ち点を持ち越せなかった出遅れが響いて5位に終わった。二次グループでは三連勝で勝ち点6まで積み上げたが、同じ勝ち点になったルーマニアには一次グループで負けていたため、当該チームの対戦成績でグループ3位となり、準決勝ではなくスウェーデンとの5位決定戦にまわることになった。

 チェコ代表は、一次グループの最終戦のドイツとの試合に、善戦はしたものの勝つことができず、その時点で敗退が決まった。エースのルズモバーが試合中に左の肘を怪我して痛みのあまり涙を流しながらベンチに引き上げるような事態が起こったらしい。攻守の中心選手がこんな事態に巻き込まれたのでは勝ち目は薄いと監督は試合後に語っていた。
 それはともかく、チェコがドイツに負けた後の試合で、ノルウェーがルーマニアに負けるという予想外の展開があったために、ドイツに勝っていたとしても、チェコは二次グループに進出できていなかったのだが、一勝もできなかったのは残念過ぎる。選手たちも昨年の結果を受けて今回のヨーロッパ選手権ではさらなる上位進出を狙っていたようだけど、まだそこまでの実力はなかったということか。それでも世界選手権、ヨーロッパ選手権に連続して出場し続けているのだから、これを継続していけば、いずれはまた上位進出のチャンスが巡ってくることだろう。
 フルプコバーの欠場など、今回の大会は最初から付きがなかったとも言える。選手層の薄いチェコでは中心選手が一人欠けるだけで大きな戦力ダウンになってしまう。期待の若手が何人かいるとはいえ、フルプコバーの穴を埋めることはできなかったようだ。来年の世界選手権に向けてモンテネグロとプレーオフで対戦するのだがそれまでにはフルプコバーが復帰することを願おう。男子のカシュパーレクのように期待の若手が少しでも早く主戦力にまで成長してくれればいいのだけどね。

 去年の年末の女子の世界選手権、今年初めの男子のヨーロッパ選手権は、チェコ代表が頑張ったおかげで書くこともたくさんあったのだが、今回は一次リーグ敗退で大してかけることはないし、男子に至っては来年初頭の世界選手権には出場できないのである。問題はチェコ代表の出場しない世界選手権をチェコテレビが放送してくれるかどうかである。放送されれば仕事をホッぽりだして見る自信はあるのだけど。

 短いので国内のハンドボールの話を少し。今年のハンドボールのテレビ中継は、時間が固定されていないのがつらい。本来週末に行われる試合が、テレビ中継のために水曜日や金曜日のサッカーもアイスホッケーも中継されない日の夜に移されているのだ。テレビのプログラムの雑誌にも、発行時点では決まっていないのか載っていないことも多く、見逃してしまうことも多い。中継に失敗するなんてこともあったし、チェコのハンドボール協会のHPで紹介しているネット中継は、見ていると頭が痛くなるし……。

 ということで、今年は去年以上にチェコ国内のハンドボールの試合を見られていないのだが、心配が一つ。オロモウツから一番近いエクストラリガのチーム、リトベルがダントツの最下位に沈んでいるのである。二部から上がってきたばかりで、苦戦するだろうとは予想していたけれども、10試合以上やって勝ち点無しというのは予想もしていなかった。悔しいのは、昨年の夏にリトベルと入れ替わるように一部に昇格したゼマン大統領の町、ノヴェー・ベセリーが完全に一部に定着して上位争いをしていることである。フラニツェもそれほど成績がいいわけではないし、オロモウツ地方のハンドボール、ちょっと危機である。やはり、スポンサーが……ということになるのだろう。

 とまれ、今週は、金曜日にエクストラリガの試合が放送されるようなので、今年のチェコのハンドボールの見納めをしておこう。
2018年12月17日23時45分。









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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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