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2018年06月05日

久しぶりのペンドリーノ〈後〉(六月五日)



 最近、ひたすらチェコ語で文章を書いていたため、なんだか日本語で書くのがおぼつかない気がする。ここまでお休みが長くなったのもそのせいだと言いたいところだが、実際は単なる怠け癖である。一度怠けることを覚えてしまうとなかなか戻れない。言い訳が多いのは、中断してしまっていることに対する罪悪感を感じているからだろうか。

 それはともかく、プラハ行きである。ペンドリーノと同じ時間で走る別の電車は、最近プラハ‐ブルノ間などにも導入されて所要時間の短縮に寄与しているらしいレイルジェットという車両が使われていた。考えてみれば、現時点でチェコ国内の鉄道では最高でも時速160kmしか出せないのである。だから、ペンドリーノでなければプラハ‐オロモウツ間を2時間5分で結べないというわけではない。所要時間はむしろ停車駅の数によって左右される部分が大きい。その点、ペンドリーノはプラハまでの間にパルドビツェにしか停車しないから一番早いのである。
 もちろん、チェコ鉄道の古い車両では、改修された線路でも最高時速160kmで走ることはできないだろうけれども、レギオジェットにしろレオエキスプレスにしろ最近導入された新しい車両であれば、問題ないはずである。レギオジェットはペンドリーノよりも停車駅が三つか四つか多いのかな。レオは一回しか使っていないから覚えていない。

 乗り込んだ車両は空席のほうが多い感じだった。ペンドリーノじゃないから空いているのか、空いている時間帯だったのかはわからない。車内販売で買えるものが印刷されたメニューが置いてあって、スターバックスのコーヒーが買えるようなことが書いてある。一瞬試してみようかと思ったのだが、よく考えてみれば、以前もこれにつられて買ってみたらインスタントだったという落ちではなかったか。それにスターバックスのコーヒーってあんまり好みではなかったような気もする。一回しか飲んだことがないから、何とも言えないのだけど。
 レイルジェットの座席は、隣に人がいなかったおかげもあってかなり広く感じられ、太ももの上にノートPCをのっけて文章を書くのにあまり問題がなかった。牛ぎゅう詰めのレギオのスタンダードのコンパートメントよりは、はるかにゆとりがあった。欲を言えば、前の座席の下に足を載せるところ欲しかった。常に足のつま先を床に置いておく必要があるので、長時間書いていると足が震えだしてしまった。べったり足を下につけるとちょっと書きにくかったのである。その辺は足が短いが故であろうか。

 車内サービスはペンドリーノと同じ。水はもらった。新聞は日曜日で休刊日だったからもらわなかった。残り物を配っていたような気もするけれども、「ブレスク」ぐらいしか残っていなかったんじゃなかったか。同じ会社が出しているスポーツ新聞ならともかく、ゴシップ紙のブレスクは読んでもしかたがない。ちなみに何かと話題のゼマン大統領の広報官を務めるオフチャーチェク氏については、このブレスクの出身だという説がある。
 レギオは満席のことが多く行列ができているトイレも、空いていたおかげもあってトイレも問題なく使えたし、新しい車両でまだ清潔に保たれていた。ペンドリーノと同じ扱いだから特別な清掃チームが入っている可能性もあるのかな。

 正直な話、帰りに使ったペンドリーノとどちらが満足度が高いかと聞かれたら、乗り心地やサービスの面で言えば同じぐらいで、乗車券の値段を考えると、こちらのレイルジェットのほうが高かった。差額の70コルナがあれば、プラハでもまともなコーヒーが一杯飲めるわけだしさ。レギオのビジネスとの比較では、レギオの価格設定次第というところか。
 問題は、IC(レールジェット)になるか、SC(ペンドリーノ)になるかは、日替わりになっているということで、これでは事前に計算しにくい。レギオの価格設定も日替わりだけどある程度の傾向はあるから、チェコ鉄道もSCではなくICを走らせる可能性のある便を限定してくれると使いやすくなるのだけど。
2018年6月5日0時10分












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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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