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2017年09月25日

レーバー・カップ(九月廿二日)



 今日から日曜日までの三日にわたって、プラハでテニスのレーバー・カップの第一回が開催される。このテニスの四大大会のオープン化の時代に活躍し、アマチュアとしてもプロとしても所謂年鑑グランドスラムを達成したオーストラリアのテニス選手ロッド・レーバーの名前を冠した大会は、現役選手にしてテニス界の生きる伝説となった(チェコテレビでそう言っていた)ロジャー・フェデラーが中心となって開催にこぎつけたというから、選手たちが中心のイベントのようだ。

 大会のフォーマットは、ヨーロッパチームと、ヨーロッパ以外の世界チームに分かれて行うチーム戦である。出場選手はそれぞれ六人、各選手の出場する試合数の上限、下限も決められているようである。試合は三セットマッチで、第三セットは10ポイント先取のスーパータイブレイク方式で行なわれる。
 三日間毎日シングルス三試合とダブルス一試合を行うのだが、金曜日と土曜日は、まず午後の部でシングルス二試合を行い、休憩を挟んで夜の部でシングルスとダブルスを一試合ずつ行なう。日曜日は順番が変わってまずダブルスを一試合行なってから、シングルス三試合である。最終戦が終わった時点で同点の場合には、さらに一セットだけのダブルスを行なって勝敗を決めることになっている。

 面白いのは、勝者に与えられるポイントが一律ではないことで、金曜日は1、土曜日は2、日曜日は3ポイントとなっている。試合数の合計が12、ポイントの合計が24で、勝つためには13ポイント以上獲得しなければならないのだが、金曜日、土曜日どちらかのチームが全勝しても12ポイントにしかならず、最短でも日曜日の第一試合のダブルスまでは、見ることができる。そこまで一方的になるとも思えないけど。
 両チームにはデビスカップに倣って試合に出ないキャプテン(日本だと監督と言われるかも)が置かれ、ヨーロッパチームはビヨン・ボルグ、世界チームはジョン・マッケンローという大物が務めている。どの選手をどの試合に出すかを決めるのがキャプテンの仕事である。ベンチにいて選手にアドバイスもするのかな。

 出場選手は、ヨーロッパチームが、ランキング一位のラファエル・ナダル、二位の発案者でもあるロジャー・フェデラー、四位のアレキサンダー・ズベレフ、五位のマリン・チリッチ、七位のドミニク・ティエムに、十九位の地元チェコのトマーシュ・ベルディフの六人。ベルディフのランキングが一番下というあたりとんでもないメンバー構成である。プラハ開催が決まった時点ではベルディフも十位以内にいたからなあ。
 世界チームのほうはちょっと落ちて、十六位のサム・クエリー、十七位のジョン・イスナー、二十位のニック・キリオス、二十一位のジャック・ソック、五十一位のデニス・シャポバロフ、七十二位のフランシス・ティアフォーの六人。ティアフォーはアルゼンチンのデルポトロが辞退したのを受けての代役である。世界と言いつつアメリカが四人、オーストラリア、カナダが一人ずつという構成になっている。

 これだけのメンバーが、特にヨーロッパチームのメンバーが一堂に会して試合をするなんてのはチェコではこれまでなかったことだし、これから先もありえないことだろう。それだけにどうしてプラハが第一回の開催地に選ばれたのかが気になる。ヒントはこの大会に関してプロツアーを管轄するATPもデビスカップを主催するITFもあまりいい顔をしていないらしいところにありそうだ。選手たちには圧力はかけられなかったようだが、審判にこの大会にかかわらないようにという通達が出されたらしい。
 そうすると、この大会を開催すると、ATP、ITFとの関係の悪化の恐れがある。それで、ATPのもとで大きな大会を開催している国のテニス協会が手を挙げにくくなっていたところに手を挙げたのがチェコだったのではないだろうか。プラハでの開催が決まったのは、確か一年以上前のことで、ベルディフはランキングの十位以内に安定していた。地元選手が選ばれて出場できそうだという点でもチェコが一番よかったのだろう。ベルディフが今の位置にいるのだけが誤算だったに違いない。今後ランキングが多少下でも開催地の選手を出場させるのかというのは、この大会の運営に当たってひとつの問題になりそうだ。

 一部では単なるエキシビションとして、軽視されているようだが、この大会エキシビションの軽さ、気楽さはかけらもない。どちらのチームも、どの選手も本気で勝ちに来ていて、初日から見ごたえのある試合が続いた。と言っても見たのは、深夜まで及んだダブルスだけだけど、そこまで試合が終わらなかったと言う事実が、白熱した試合が続いたことを物語っている。
 世界一のテニスファンでもあるらしいフェデラーが、ナダルと組んでダブルスの試合に出るために企画したとも言われるこの大会、初日をちらっと見ただけでも大成功で、シーズンオフをつぶしてアジアで行なわれているチーム対抗の大会なんかよりはるかに将来性がありそうだ。世界のテニスを牛耳る組織に負けることなく、成長していってほしいものである。
2017年9月24日23時。


 初日と二日目はともにヨーロッパの三勝一敗、ポイントでは9対3でヨーロッパチームがリードして最終日を迎えた。最終日はダブルスで世界チームが勝ち、続くシングルスは一勝一敗で、ポイントが12対9。最終戦でフェデラーが勝てばヨーロッパの勝ち、キリオスが勝てばダブルスによる決定戦ということになった。第一セットはキリオスが取り、第二セットは追い詰められながらもタイブレイクを制したフェデラーが取って、試合はスーパータイブレイクに入る。最初はキリオスがリードして、このまま行くかと思われたのだが、フェデラーが底力を発揮して逆転勝ち。劇的な幕切れだった。エキシビションという言葉がかすむような全力での試合の連続に、この大会は大成功だったといって言い。来年の第二回大会はアメリカのシカゴで行われることが決まっている。9月24日追記。





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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



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