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2016年04月17日

地震雑感(四月十四日)


 以前もちょっと触れたような気がするが、チェコの原子力関係の報道は極めて正確である。解説のために登場するのは本物の原子力の専門家で、事実に基づいた説明は説得力にあふれている。ヒステリックに原子力発電反対を叫ぶような、自称専門家が登場することはない。福島の原子力発電所の爆発の際にも、正確な発言でパニックを抑えていた。

 それに対して、不満なのは地震に関する報道である。チェコでは地震など起こらない、いや起こらないわけではないが、被害がほとんど出ないため、細かい情報が必要ないのかもしれない。震度はおそらく日本独自の基準なので、なくても許そう。でも地震に関する情報が、マグニチュードだけというのは問題である。チェコの人の中には、マグニチュードが大きければ大きいほど、揺れも被害も大きくなると思っている人もいそうである。
 だから、大きな地震で被害が出たというニュースを見ても、震源や震源の深さなどの情報が足りないので、揺れが大きかったから被害が大きかったのか、建築物が耐震構造じゃなかったから被害が大きかったのかさっぱりわからない。わかったからどうなるというものでもないのだが、日本の地震報道に慣れていると、情報の少なさに不満を禁じえないのである。
 そう考えると、震度という発明は、素晴らしいものであったのだなあ。外国の地震にも適応されないものだろうか。ヨーロッパでも地震の多い国ならマグニチュードだけでなく、揺れの大きさを知りたいと考える人々はいそうな気はするのだけど、チェコ以外のほかの国のことは知らない。
 実際にその場にいなくても、震度のおかげで、大体どのぐらいの揺れだったのか、過去の経験から想像することができる。いや、私が経験したのはせいぜい震度3から4ぐらいまでだけど、中学校の理科で習った震度についていた「烈震」「強震」などの言葉と、「家屋が倒壊する」などの説明を思い出せば、被害はある程度想定できる。いや、想定できると思っていた。

 2011年の東日本大震災が起こったときも、チェコのニュースではマグニチュードを伝えるだけだったが、インターネットで各地の震度を確認して、震度7が出ているのに驚いた。これは、たしか阪神淡路大震災の後に新しく設置されたカテゴリーではなかったか。震度3か4でも、当時住んでいた家は軋みを上げ、天井が落ちてくるのではないかという恐怖に震えたのだ。震度6や7に襲われた地域では、家屋の倒壊が相次いでとんでもないことになっているのではないかと思った。阪神淡路大震災のときの高速道路の高架の倒壊が頭にこびりついていて、あれ以上の壊滅的状態を想像して、暗澹たる気分になってしまった。
 それが、今回の熊本での大地震もそうだけれども、意外と倒壊している家屋は少なかった。こんなことを言うのは、地震で被害を受けた方々には、申し訳ないけれども、意外なほど被害が小さいことにほっとしてしまった。東日本大震災に関しては、言ってもせん無きことながら、津波さえ来なければ、今回は本震と同程度の余震が繰り返さなければ、被害は格段に少なかったはずである。
 当時、オロモウツにいた宮城県の人に話を聞いたら、自宅は二段組のたんすの上段が落ちていたぐらいで、大きな被害はなかったと言っていた。自宅を新築する際に、工務店の人の勧めで当時最新だった耐震工法を使うことにしたらしい。高かったけれども、あの時、お金を出しておいてよかったとは、その方の言葉だが、阪神淡路大震災を機に、日本の耐震建築は格段と進歩を遂げたようだ。

 日本では地震慣れして、多少の地震では被害が出ないことが当然のようになっているけれども、実はものすごいこと、ある意味で奇跡的なことなのではないだろうか。過去に起こった地震の悲劇を繰り返さないこと、被害、犠牲を無駄なものにしないことを目標として、これだけ地震に強い社会を作り上げたことこそ、誇るべき日本である。クールジャパンだか何だか知らないが、アニメだのマンガだのは、放っておいても関心を持つ人は出てくるのだから、これだけ地震に強い社会を作っておいて、なお被害を減らすために対策を積み重ねていく日本の姿を発信してほしいと、外国在住の日本人としては強く思う。
 世界各地で地震で建物が倒壊して大きな被害が出ているのを見るたびに、日本だったら、ここまでの被害は出なかったのではないかという思いを抑えきれない。結果の出ない地震予知はほどほどにして、日本以外にもある地震地帯に、耐震技術、地震対策を伝えていけないものだろうか。日本の技術がどこでも使えるというわけではないだろうから、それを現地に適応させる研究などにも支援を与えていく必要があるだろう。もし、すでにそのようなプロジェクトが進行していると言うなら、それを拡大して、情報を世界に発信してほしい。それは、世界に恥をさらし続けている東京オリンピックを開催するよりもはるかに価値のあることである。

 そして、今回の熊本の地震を受けて、東日本大震災のときと同じように、自然への敬意や感謝を忘れた日本人への警告だとか妄言を吐くやつらが出てきて、それに同調する愚か者も続出することだろう。冗談ではない。人間の敬意のあるなし如きで自然の動向を左右できると考えているお前らのほうが、自然に対する敬意を欠いているのだ。人間の手で地震という自然災害をどうこうできると思っている時点で、自然に対する冒涜だとしか言えない。我々ちっぽけな人間にできるのは、せいぜい地震の恐怖に震えながら、それでも前を見て生き続けることだけである。

 余震が続いているらしい熊本の地震が、できるだけ早く収束に向かい、これ以上犠牲者が増えないことを願うのみである。
4月15日22時。

 東北のときにも思ったが、どうして大地震のあとには天気が崩れるのだろうか。今後は、震度6の地震が連続しても耐えられるような耐震建築と、その後の天候の悪化に対応できるような建築を生み出すことが、東京オリンピックで懐の潤う建築業界に課された課題ということになる。4月16日追記。






posted by olomoučan at 07:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯言
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