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2016年04月09日
オロモウツに行こう(四月六日)
日本からチェコに来る人は、みんなプラハにやってくる。そして、プラハだけを見て、これがチェコだと満足する。そこから南のチェスキー・クルムロフに足を伸ばす人も多いけど、東のオロモウツまで来てくれる人はめったにいない。そんなもったいないことはしないで、プラハなんて誰でも行ったことのあるところに行っても自慢にはならないんだから、オロモウツまでおいでよ、ということで、飛行場からオロモウツまでの経路をまとめておく。
以前は、プラハの空港は、交通の便が非常に悪かった。プラハ市営の路線バスはいくつか走っていたが、郊外の団地や地下鉄の駅に向かうものばかりで、町の中心に向かうためには、119番のバスに乗ってデイビツカーまで行って、そこから地下鉄に乗るしかなかった。もしくは悪名高いプラハのぼったくりタクシーを使うしかなかった。
プラハにおける諸悪の根源だとプラハ在住の知人が批判していた元市長のベームの退任後は、プラハ市でもこのタクシー問題を解決しようと、あれこれ手を打っているのだが、運転手たちの抗議に譲歩することが多く、世界でも最悪と言われることの多い状況は、今でも大して変わっていないようである。一応法定の最高料金とかはあるんだけどね。そういえば、昔、プラハの空港からタクシーでオロモウツまで来たっていうアメリカ人がいたなあ。一体いくら払わされたんだろう。
最近、と言ってももう数年になるが、空港と中央駅を結ぶ直通バスができたので、プラハなんかには滞在しないでオロモウツに向かう場合には、このバスを使うのが一番いい。プラハに滞在する場合も、中央駅の近くに宿を取ってこのバスを利用するのが一番楽で、安上がりだろう。
プラハの空港は、チェコ航空が大韓航空に買収されたときに、一緒に韓国資本のものになってしまったので、空港の表示はチェコ語と英語、それに韓国語でなされている。どれも理解できなくてもバス停のマークを目指して空港のホールを出ると、道を渡ったところに路線バスの乗り場が二つある。電光掲示板にAE、つまりエアポートエキスプレス(時刻表はここ。一ページ目が冬期、二ページ目が夏期になっている)の表示のあるほうで待っていれば、日中なら冬でも30分に一本の割合で、夏なら15分間隔でバスがやってくる。チケットは、外国から事前に買うのは大変だし、バスの運転手に60コルナ払えば乗れる。中央駅まで30分ほど、途中でマサリク駅の停留所にも止まるので、ホテルの場所によってはそっちで下りてもいいだろう。反対に駅から空港に向かう場合には、ターミナルの1で降りるのか2で降りるのか確認しておいたほうがいい。
駅に着いたら、渡れない道路なのでエレベーターを利用しなければならない。歩道に突き出した突起のように建っている一見正体不明の二つの物体が、エレベーターで、駅の構内の各フロアに下りることができる。
オロモウツに行くために利用できる電車は、四種類。一つ目はチェコ鉄道の誇るペンドリーノ、所要時間も一番短く、と言っても10分かそこらの違いだけど、2時間5分、途中の停車駅もパルドビツェ一つだから、間違えにくい。日中は二時間に一本程度の割合で走っていて、乗車券とは別に座席の指定券が必要になる。事前に日本からチェコ鉄道のページでチケットを購入することもできる。日本で発行されたクレジットカードも支払いに使えるらしい。以前は購入した際に出てきたPDFファイルを印刷して持参する必要があったが今はどうなっているだろう。
もちろん、事前に買っていなくても、駅で直接買うことは可能なので、それほど心配する必要はない。その際にどのペンドリーノに乗りたいのかをしっかり告げるのを忘れてはいけない。金曜日の夕方は売り切れていることもあるので覚悟はしておいたほうがいい。まあ座席指定券が買えなくても、買い忘れても、チェコ鉄道のほかの特急ECには乗れるので、これが二番目の方法。ただし停車駅の多い急行Rは、時間がかなり余計にかかるものがあるのでお勧めはしない。
三つ目は私鉄のレギオ・ジェットを使う方法。これはチケットを買う際には座席指定もついてくる。三つのカテゴリーがあって一番下は、すべての方法の中でも一番安いチケットである。ネット上で購入できるようにはなっているけど、日本のクレジットカードが使えるかどうかは不明。二時間に一本の割合で出ていて、売り場にはまだ座席があるかどうかの表示がされているからわかりやすい。チケットがちゃちいのが難点と言えば難点だけど、車内での検察はなかったし、サービスはいい。途中の停車駅はペンドリーノより二つ多くて三つ、その分時間もかかるのか所要時間は2時間15分ほどになっている。
最後は、私もまだ使ったことがない私鉄のレオエキスプレス。この前日本から来た方は、チェコの友人に勧められたと言ってこれを使っていた。ここは定価で買うとかなり高く特に一番上のカテゴリーは、ペンドリーノの一等よりも高い。その分サービスは良さそうだけど。問題はさまざまな条件でチケットの値段が変わることで、特別割引キャンペーンをやっていたり、購入の時期によって安くなったり、料金体系が理解できないし、ペンドリーノとレギオジェットに満足しているので、使うことはなさそう。ただ時間帯によっては毎時間運行しているので、プラハ到着の時間によっては、これを使うのが一番早いかもしれない。途中停車駅は、レギオジェットとと同じで三つ、所要時間もほとんど同じである。
プラハ駅でも、チェコの例のもれず、毎日同じホームから出発するというわけではないので、電光掲示板で自分の電車が出るホームを確認するのを忘れてはいけない。電光掲示板の両脇にチェコ鉄道のチケット売り場があって、そのフロアか、もう一つ下のフロアの奥のほうからスロープで下に降りていくフロアにレギオジェット、レオエキスプレスのチケット売り場があるはずなので、出発直前まで買うことができる。直接車掌から買う手もあるかもしれない。
プラハ−オロモウツに限らず、電車バスなどの交通機関の接続を調べたいときには、ここが便利。一番上の部分で検索対象を変えることができ、電車、電車+バス、市内交通機関など必要に応じて切り替える必要がある。
とまれ、すべてが順調に進んで、接続もよければ、プラハ空港到着から3時間ちょっとでオロモウツまで来られるのだ。複雑怪奇で外国人料金にあふれたプラハで彷徨うよりオロモウツ来ちゃったほうがいいんじゃない? プラハなんぞ見ずとも死ねるよ。
4月7日16時。