2018年03月31日
形容詞比較級最上級2(三月廿八日)
承前
また「-hý」「-chý」で終わる形容詞の中にも、比較級で「ší」のみを使うものがある。その場合子音交代を起こして、「-žší」「-šší」となる。
drahý → dražší → nejdražší(高い)
tichý → tišší → nejtišší(静かな)
一部の「-ký/-oký」で終わる形容詞も同様である。この場合、語尾の長母音だけでなく「-ký/-oký」をとって「ší」をつける。語幹の長母音が短母音になったり子音交代を起したりする場合もある。
krátký → kratší → nejkratší(短い)
hluboký → hlubší → nejhlubší(深い)
vysoký → vyšší → nejvyšší(高い)
blízký → bližší → nejbližší(近い)
最後の不規則の中の規則は、「-ký」で終わる形容詞の中の比較級の語尾が「-čí」になるものである。ということで例を挙げると、
lehký → lehčí → nejlehčí(軽い)
měkký → měkčí → nejměkčí(軟らかい)
「-ký」で終わる形容詞には、原則どおりに「ý」を取り去って単に「ejší/ější」をつけるだけでいいというものは存在しない。全て何らかの形で不規則になってしまうのである。それを覚えておくだけでも、初期の間違いは減る。慣れてくると「kejší」という響きに気持ち悪さを感じて、これはありえないと気づけるようになるのだけど。
一つ今でもよくわからないのが、「horký」である。「horčí」にしても、「horčejší」にしてもなんだか落ち着かない。そんなときどうするかというと、副詞の「mnoho/moc」の比較級・最上級をつけてやるのである。
horký → víc horký → nejvíc horký(暑い)
副詞の比較級のつくりかた、いやその前に形容詞から副詞を作る方法が先か、についてはいずれまたまとめるけれども、形容詞の比較級に自信か持てないときには、他の形容詞の場合にもこの方法を使うことができる。乱用するのはお勧めしないけど。
正直な話、完全に規則的だといえる「ejší/ější」をつけるもの以外は全て不規則扱いにして、一つ一つ覚えていったほうがいいような気もする。ただ語末の長母音の前に来る子音によって存在する傾向はあるから、それを意識するために、パターン化しておくのは悪いことではない。問題は、規則的なのか、部分的に規則的なのかが、覚えていないとわからないことである。例えば、「šedý(灰色の)」の比較級が「šedější」になるのか「šedší」になるのかは、ワードの校正機能では後者が正しいとされているけれども、前者の方がいいような気がしなくもない。とにかく、比較級の語尾が「ejší/ější」にならない形容詞は、おぼえる必要があるのである。
最後に一般に不規則とされる形容詞であるが、数はそれほど多くない。多くないけれども、重要でよく使うものばかりである。語幹が似ているものもあれば全く違うものもあるので、いつものように覚えるしかない。
velký → větší → největší(大きい)
malý → menší → nejmenší(小さい)
dobrý → lepší → nejlepší(いい)
špatný → horší → nejhorší(悪い)
zlý → horší → nejhorší(ずるい)
dlouhý → delší → nejdelší(長い)
えっ? これのどこが簡単かって? 名詞の格変化よりは簡単に覚えられるし、問題は長母音の前の子音でどう不規則になるだけだし、動詞の現在活用と比べてもまだこちらの方が簡単な気がする。ああ、でも、この形容詞の比較級と最上級も、形は変わったとはいえ形容詞なので、各変化させる必要があるか。それでも幸いなことに軟変化の形容詞扱いになるから比較的楽なはずである。これで硬変化だったと思うと、さすがにちょっとげんなりする。
それもこれも、チェコ語を勉強しようなんてことを考えた自分が悪いのである。そしてこんなのチェコ語の難しさのうちには入らないと言えるようになった人だけが、チェコ語を身につけられるのである。いや、違う、難しいとか簡単だとかいうことを気にしない人の方がいいか。
2018年3月28日23時。
こちらはあまり使わなかった。
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