2017年03月22日
チェコ圧勝(三月十九日)
久しぶりにハンドボールの話である。エクストラリーガのプレーオフを目前にした男子ではなく、女子ハンドボールの話である。今日の話ではなく昨日の話だが、ハンドボールである。
世界選手権への出場をかけて六月に行なわれるトルコとのプレーオフに向けた準備の一環として、オーストリアとの親善試合が二試合、オーストリアとチェコで一試合ずつ行なわれた。木曜日にオーストリアで行なわれた試合には二点差で負けたというので、土曜日にインドジーフーフ・フラデツで行なわれた試合も、勝つにしても負けるにしても接戦になるものと思っていた。
それがふたを開けたら試合開始直後こそ一進一退の展開だったが、徐々にチェコチームの攻撃が機能するようになり、キーパーのサトラポバーの活躍もあって、一時は十点差をつけ、最終的には九点差で圧勝した。
チェコのハンドボールを応援するものにとって嬉しい驚きだったのは、代表に呼ばれているけれどもまだ経験不足で、本格的な戦力になるまでにはまだしばらくかかりそうだと思っていた若手の選手たちが躍動していたことだ。
中でもルズモバー、フルプコバーぐらいしか名前の挙がらない、センターでコルドフスカー、イェジャープコバーの二人が計算できる戦力になりそうなのは、今後に期待が持てる。フルプコバーは、体格的にはサイドでプレーしてもおかしくないぐらいだし、ルズモバーも9メートルラインの外、ディフェンスの上からロングシュートを決めるというよりは、相手を交わしながら隙間からシュートを決めるタイプの選手である。コルドフスカーはルズモバーに近いタイプのようだが、イェジャープコバーは、調子がよかったのもあるのだろうが、9メートル、場合によっては10メートルぐらいから、どんどんシュートをうって、それがびっくりするぐらい決まっていた。
少し前までは、マルティンコバーという背の高い選手がいて、調子のいいときには本当にお手本のような見事なシュートを決めていたのだが、線が細くて相手のディフェンスに当たり負けするところがあった。最近代表に呼ばれていないのだけど、引退したのかなあ。この選手がもう少し力強くなってくれると、チェコ代表も強かったんだろうけど。その代役以上になりそうなのが、イェジャープコバーなのである。
サイドでも、主力のクネドリーコバーが怪我で参加を辞退した中、初代表のザホバーが、出場してすぐに二点決めるなど若い選手が出てきているようだ。オロモウツのハンドボール一族出身のサルチャーコバーは、前半に速攻を二本か三本はずしてしまったのは残念だったけど、そこまでのプレーには言うことはなかったし、このまま行けば、チェコ代表強くなるんじゃないかと大きな期待を持たせてくれた一戦だった。
今の監督はもうけっこう長く続けていて、一時期ちょっとだれて成績が落ち気味だったのだけど、また持ち直してきたようだ。ベテランルズモバーが元気なうちに、若手を育て上げて、世界選手権、ヨーロッパ選手権で上位に入るところを見せてほしい。優勝とはさすがに言えないけれども、毎回予選を勝ち抜くぐらいのことは期待してもよさそうだ。
オーストリア代表は、以前はヨーロッパでも有力なチームの一つだったらしいのだが、当時の戦力の中心はポーランドやユーゴスラビアなどから逃げてきた選手たちで、そういう選手の移動が少なくなった結果、最近はあまり結果を残せていないようだ。そんなチームの一勝一敗とはいえ、ホームでは圧勝できたのだからよしとしよう。かつては、上のチームに善戦はできても、同レベルや、ちょっと下の相手にきっちり勝ちきるのが苦手だったのだ。
オーストリアのチームで気になった選手が二人。ゴールキーパーのチェコ語ではブラシュコバーと呼ばれていたけれども、ブラジェクと、コバーチョバーことコバーチ、うーん、チェコ代表にいてもおかしくない名前である。コバーチはチェコよりはハンガリーに典型的な名字らしいけれども、チェコ人にも結構入るし、ブラジェクは典型的なチェコの名字である。この辺りにもオーストリアという国の複雑さが現れている。ちなみにこの二人、名前だけで気になったのではなく、守備と攻撃で一番活躍しているから気になったのである。
3月21日9時。
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