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2016年12月19日

チェコのビール醸造所独立系?1(十二月十六日)



 ビール醸造所と麦芽製造所の業界団体の年次報告書のようなものには、独立系のビール醸造所として29の会社が挙げられている。これらについても、既に書いたことも含めて、少しコメントしておこう。

スビヤニ(Svijany)
 生産量の多い順に並んでいるのだと思うが、最初に名前が挙がっているのは最近業績を伸ばしているらしいリベレツの近くのスビヤニである。数年前に初めて名前を聞いたときには、オロモウツではまったく見かけなかったのだが、最近はオロモウツでも何軒か飲ませる店ができている。
 この機会に、ホームページで確認してみると、スビヤニでのビール醸造の歴史は十六世紀の半ばにまでさかのぼれるらしい。現在の会社の前身となる醸造所は、1997年にスタロプラメンに買収され、スタロプラメンと共にイギリスのビール会社の傘下に入ってしまった。そして、はっきりとは書かれていないが、生産量の少なかったスビヤニの工場はいったん閉鎖されたようだ。
 そして1998年に、スタロプラメンから離れて、改めて独立したビール会社として再スタートした。それから徐々に生産量を増やして、当初はリベレツやヤブロネツ周辺でしか飲めないビールだったのだが、2010年ぐらいからは、人気がボヘミアだけでなくモラビアにも広がり始めて現在に至るということである。関係者はみんなチェコ人だから、外資は入っていないと考えていいのかな。

ベルナルト(Bernard) すでに記事を物したビソチナ地方のフンポレツにあるこのビール会社は、ベルギーのビール会社に出資を仰いでいるが、非常にいい関係をつくれているようで、2002年の日韓ワールドカップに関して、社長二人で賭けをしたなんて話が、ホームページに載っていた。
 そして、今確認したら、今年のクリスマス用の特別商品として、チェコの誇る人気歌手「神のカーヤ」こと、カレル・ゴットの描いた絵をラベルにあしらい、シャンパン用の瓶に入れたボヘミアン・エールを発売するらしい。この会社、いろんなビール造ってるけど、冒険が好きだよなあ。

サムソン(Samson)
 続いてチェスケー・ブデヨビツェのサムソンの名前が挙がる。実はアメリカのバドワイザーがパクッたビールを生産していたのはこの会社の前身なのだが、ドイツ系の市民が設立した会社であったこともあって、共産主義の時代にチェコ系の市民たちが設立した会社の後身である現在のブドバルに、ブドバイゼルの商標を使用する権利を奪われてしまったのだった。
 それで、半分冗談でアメリカのバドワイザーがサムソンを買収したらどうなるんだろうなどと書いたのだけど、どうも既に実現しているようだ。バドワイザー、いやアンハウザー・ブッシュ社にとってはビールの生産なんかどうでもよく、ブデヨビツェに存在し、ブドバイゼルの商標の使用でブドバルと争える会社であることが大切だったのだろう。
 ところで、ブドバルの主張では、ブドバイス(ブデヨビツェのドイツ名)で造っているからブドバイゼルなのだというのだが、それなら、モラフスケー・ブデヨビツェで造ったビールもブドバイゼルと名付けてもいいことになりはすまいか。モラフスキー・ブドバイゼルなんて名前のビールがあっても……、やっぱりチェコ語とドイツ語が混ざるからおかしいか。

プリマートル(Primátor)
 プリマートルはナーホットという町のビール会社なのだが、ポーランドとの国境にある町で、西の果てのアシュ、東の果てのヤブルニュコフとならんで、なぜかチェコの領土の果てという印象を持ってしまう。
 この醸造所はチェコに来た当初から頻繁にスーパーマーケットで瓶ビールを見かけるので知っていた。特徴としては、他の会社が作っていないような特別な種類のビールが多いことだろうか。小麦で作ったいわゆるバイツェンビールを瓶で出していたのは、ここしかなかった。他にも普通の十二度の倍つまり24度のビールや、21度、16度などどういう基準で決められたのかもわからない、糖度で生産されたビールが、スーパーの棚に並んでいた。
 数年前に、いや十年近いかな、プリマートルが経営危機か何かで売却先を探しているというニュースが流れたことがある。そのときに、リトベルが傘下にあるPMSが、手を挙げて入札したというところまでは知っているのだけど、その結果までは確認していなかった。いや、PMSにプリマートルが買収されなかったのは知っているけれども、買収したのがどの企業なのかは確認していないのだった。ホームページで確認したら、2009年にリベレツの会社に買収されたようだ。チェコ資本だと思う。いや、思いたい。

ニンブルク(Nymburk)
 次は、チェコの作家ボフミール・フラバルとつながりのあるニンブルクの醸造所である。フラバルの傑作『ポストシージニ』、それを原作にした映画「ポストシージニ」の舞台となっているのが、このニンブルクのビール会社なのである。そのため、最近はポストシージニのビールという名前で、フラバルの肖像をラベルにあしらったビールを販売している。
 中央ボヘミアのプラハから東のほうにあるニンブルクの、しかも小規模の醸造所の製品はさすがにオロモウツにまでは入ってこず、一度も見かけたことはない。チェコ最強のバスケットボールのチームがあるとか、オリンピック委員会のトレーニングセンターがあって、いろんなスポーツの強化合宿が行なわれる場所としては知っているのだけど。
 余談ではあるが、映画「ポストシージニ」は、我がチェコ語能力を測るバロメーターであった時期がある。初めてサマースクールに参加した年から、毎年のように見せられたのだが、見るたびにストーリーが変わるのである。いや、チェコ語ができるようになるにつれて、映画のストーリーに対する理解が正確になっていっただけである。その結果、最初に見たときに、前回見たときに理解したストーリーが、実は理解できる言葉をもとに頭の中で作り上げた妄想に過ぎなかったことを知って、毎回頭を抱えることになったのだった。最近はそんなことないけどさ。
 フラバルの原作である『ポストシージニ』は、阿部賢一氏の翻訳で『剃髪式』の題名で松籟社から刊行されている。
12月17日18時。


 取り上げた会社のビールは発見できなかったので、フラバルの本を挙げておく。12月18日追記。

剃髪式 [ ボフミル・フラバル ]



posted by olomoučan at 07:56| Comment(0) | TrackBack(0) | Pivo
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