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2016年11月17日

アメリカ大統領選挙雑感(十一月十四日)



 この件に関しても、ちょっと自分の考えをまとめておく必要があるので、つらつらと思いつくままに記してみる。
 先ず、今回の選挙の第一印象は、トランプが勝ったというよりクリントンが、いやクリントン支持層が負けたというものだった。そもそも当初は揶揄の対象でしかなかったトランプに接戦に持ち込まれた時点で、クリントン陣営としては負けだったのだ。最初はどうせクリントンだろうとあきらめていたような連中が、トランプに勝ち目があるということでトランプ側に走った、もしくは棄権しないことを選んだというところだろう。

 トランプの存在は1990年代には知っていた。アメリカの、典型的なアメリカの大金持ちで、決して洗練されているとはいえない、まあ下品な成金おやじという印象だった。おそらくそういう下品な成金という役を演じている部分もあったのだろうけど、このおやじが、大統領選挙に出るだなんて想像もしていなかっただけに驚いた。
 もともと下品な親父だっただけに、大統領選挙への出馬を表明した後に、暴言を繰り返したり、過去の暴言が批判されたりしたことも大したダメージにはならなかったのだろう。トランプを支持していた人たちは、最初からそんな人物であることは百も承知で支持していたのだから。むしろ、支持者から見ればささいな失言を、鬼の首を取ったようにヒステリックに非難するクリントンとその支持者、そしてクリントンを大統領にしたがっていたマスコミ連中に対する嫌悪感が広がったはずである。良識派が聞いてあきれるようなヒステリーは、トランプ支持者だけでなく、選挙に取り立てて関心を持たない層にもこの嫌悪感を広げたと見る。

 今回の選挙の前提として、有権者の多くが既存の政治体制、政治家というものが特権階級と化して、世襲されるものになりつつあり、政治が国民全体のためでなく、一部の特権階級を守るためのものになってしまっている、少なくともそのように認識している人が多いという状況を考えなければならない。それはアメリカだけでなく、ヨーロッパでも日本でも同じことで、選挙の投票率は下がり、雨後のたけのこのように新政党が誕生し消えていく。そして、既成政党の側からポピュリズムだと非難される政治家、政党が支持を伸ばす。
 これは、有権者の既存の政党、政治家への絶望を示しており、その絶望の受け皿となれるような、現在の政治に風穴を開けてくれそうな団体、人物が登場した場合には、すぐにかなりの票を集めて政界に大きな勢力を築くことになる。簡単に、有権者は変化を求めていると言えばよかったのか。
 つまり、今回のアメリカの大統領選挙も、誤解を恐れずに極論すれば、女性であるという一点で大統領候補となったクリントンと、既成の政治家ではないという一点で大統領候補に選ばれたトランプの戦いだった。焦点はどちらが、変化をもたらせるかという点にあったはずだ。

 トランプは、相変わらず下品な親父を演じ続けることによって、自らが変わらないことによって、腐敗した政界を変える可能性を見せ付けることに成功した。政治的な正しさ、政治的な配慮の名の下に、耳障りのいいことばかり並べ、実は内容は何もなく、行動も伴わないという政治家の空虚な言葉に飽き飽きしていた人にとって、内容の是非はともかくとして、トランプの言動は、新鮮に、政治家らしからぬものに写ったであろう。
 そう考えると、多くの国会議員から批判されたり、所属の(ということになっている)共和党のボスが支持しないなどと発言したりしたのは、多くのマスコミが主張していたトランプへの逆風などではなく、むしろ追い風だったのだろう。既存の政治システムでは自らの支持基盤であるはずの所属党すら分裂に追い込もうとしていたのだから。もし、共和党のボス議員がトランプ支持の一環としてそんな発言をしたのだとしたら、最高の選挙戦略だったと言えるのだろうけど、実際は違うんだろうなあ。
 後から考えると、トランプには、これ以外にクリントンに勝つ手はなかったのだ。クリントン張りにお行儀のいいトランプなんて気持ち悪いだけだし、それによって支持者が減りはしても、増えることはなさそうだ。だから、クリントンがトランプを批判すればするほど、トランプの非政治性が浮き彫りになり、何かが変わるかもしれないという期待が高まっていく一方で、クリントンが大統領になっても何も変わらないという諦念が生まれたのだろう。

 そもそもオバマが大統領になったのも、オバマであれば政治の世界に大きな変革をもたらしてくれるのではないかという大きな期待があったはずだ。しかし現実には議会に根を張る特権階級の利益保護をもっぱらとする勢力との間で妥協をすることも多く、変革を求める期待には応えきれていなかった。その後に出てきたのがクリントンである。
 クリントンはトランプとは対照的に、変わらないことで、クリントンが大統領になってもアメリカの政治は何も変わらないことを露呈させてしまった。自らを政治に見放されたと感じる底辺の人々にとっては、どんなに政治的に正しい発言をしようが支持のしようがなかったことは想像に難くない。そして、旧来の手法で多額の政治資金を集め選挙運動につぎ込み、有名人たちとの親密な関係を強調することで、自らも特権階級に属し、その特権を手放す気がないことを見せつけてしまった。
 ここに貧しい有権者の味方が成金のトランプであるという、金持ちをうらやむはずの貧困層が大金持ちのトランプを支持するという奇妙な構図が出来上がったわけだ。クリントン陣営がこのことに気づいていれば、選挙戦略を立て直して挽回も可能だったのかもしれないが、クリントン支持のマスコミが、クリントン優位を伝え続けていたこともあって気づくことはなかった。それにトランプとトランプ支持者を見下すような態度が垣間見られたから、選挙戦略を変えたとしても、トランプに傾きかけた人々の流れをせき止めることは、難しかっただろう。

 中途半端ではあるが、ひとまずここでお仕舞い。
11月16日14時。



posted by olomoučan at 07:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯言
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