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2016年08月12日

中国難民(八月九日)



 シリアやイラク、アフリカから入国してくる難民に悩まされているヨーロッパだが、チェコには中国からの難民申請者が数十人いることが判明した。難民申請者たちは、いずれもキリスト教徒で、共産党政権によって人権侵害を受けていることを難民、この場合は亡命のほうがいいのかな、申請の理由にしているらしい。
 このニュースを聞いたときには、中国からの飛行機の直行便に乗って集団でチェコにやってきたのかと思ったのだが、実は今年の二月ぐらいから、少数のグループで断続的にチェコに入国し、難民申請をしたらしい。現在その審査が行なわれていて、難民収容施設で生活をしているようだが、チェコ政府も対応に苦慮しているというのが正直なところであろう。これは、二重の意味で、中国からチェコ政府に突きつけられた踏み絵である。

 認定する、しないのどちらを選んでも非難にさらされるのは明白なので、一番いいのは、審査中で引っ張り続けることだろうが、法律によると申請から六十日以内に結論を出す必要があるという。必要な場合には特別に延期が可能だというけれども、それでも最大百八十日の延期だというから、今年中には、最初の申請者に関して結論を出す必要がある。正規の期間よりも、延長できる期間のほうが長いのが不思議な気はしないでもないけど。
 チェコに住んでいる人間としては、どうしてチェコに来たんだろうと考えずにはいられない。EUの中で中国に擦り寄っているのは、チェコだけではないのだから、ドイツとか、イギリスなんかに行ってもいいだろうに。

 ヨーロッパ的価値観、つまりキリスト教に根ざした価値観を標榜する政治家の多いチェコでは、イスラム世界に取り残されたキリスト教徒たちの難民としての受け入れプロジェクトを行なっていた。チェコ側がイラクまで出向いて、キリスト教徒たちの中で、イスラム国に生活を脅かされている人たちの中から、祖国を離れてでもチェコで安全に生活することを希望した人たちを選んで、政府の特別機でチェコまで連れてきていたのだ。
 そのプロジェクトは、一部の心ない似非難民に悪用された結果頓挫してしまっているが、このキリスト教徒を救おうというチェコ側の姿勢に、中国のキリスト教徒たちが、難民として受け入れられるかもしれないと希望を抱いたのだろうか。

 この状況で、チェコ政府が難民認定を拒否した場合には、国内外のキリスト教関係者から非難を浴びることになるのは間違いない。秘密警察の監視を受け続けているなどの人権侵害を理由としてあげているから、人権団体もうるさいことを言うだろう。そしておそらく、EUやドイツ政府あたりも、他人事だと考えて、人権保護の観点から難民として受け入れることが望ましいとか、非難のコメントを発するのだろう。いっそのこと、認められたらチェコに住まわせることを前提に、決定をEUに投げてしまってもいいのかもしれない。実行不可能なことばかり言いやがるEUの官僚どもに、現場の苦労を味合わせてやるのだ。

 その一方で、チェコの判断で受け入れてしまった場合には、今度は中国政府が黙っていないだろう。難民を受け入れるということは、政府が公式に中国で政府による人権侵害が行なわれていることを認定することになるのだから。姉妹都市の協定の中にさえ、中国はひとつしかないことを認定することを押し込んでくるのが中国である。ゼマン大統領が中国に行って結んできた何らかの協定の中に、政府による人権侵害などの内政に関することについては、チェコ政府は関与しないとかいう条項があったとしても不思議ではない。こと中国との関係においては、経済と政治は分けて考えるのが、チェコ政府、ひいてはEUの立場らしいから、そんな条項があっても気にせずサインしてしまうだろうし。
 そうすると、ゼマンだかネチャスだか知らないがのおかげで、何とか改善できたらしい中国とチェコの関係が一気に悪化することも考えられる。中国からチェコへの観光客や投資が激減なんてことになったり、チェコから中国への輸出や投資が難しくなったりしたら、国内の企業からの反発は大きいだろう。だから、この観点からも決定をEUに投げちまえと思う。

 この手の決定は各国政府の専権事項だというのなら、これを理由に、EUが押し付けようとしている、ドイツ行きを希望しながらドイツで受けいれられない難民の強制的な受け入れを拒否できるし、EUが決めてくれれば、責任をEUに押し付けることができる。EUの方針を決めるばかりで、その実現の仕方や結果に対してまったく責任を持たない姿勢に、辟易しているのはチェコだけではないはずだから、嫌がらせにもちょうどいい。
 嫌がらせと言えば、この難民申請自体が、チェコの中国に対する姿勢を確認するための中国政府の秘密警察によるオペレーションだったりしてなんて妄想も頭に浮かばないわけではない。その可能性も含めて、決定はEUに任せてしまおう。

 ところで、繰り返しになるがチェコ政府は難民の受け入れを拒否しているわけではない。チェコへの移住を希望する人に対しては、積極的に受け入れている。しかもドイツ何かの自力でたどり着けという傲慢な態度ではなく、チェコ側が難民キャンプにまで出向いて、調査をしたうえで政府の特別機でチェコまでつれてくるのだ。最近もトルコの難民キャンプから数十人の難民を受け入れたというニュースが流れた。
 受け入れを前提にチェコまで連れてくるから、申請が認められずに国外退去ということもないし、悪辣な一部を除けばチェコに対する感謝の気持ちを持ってやってくるから、社会に受け入れられようという意欲も強い。EU全体で大々的にやればいいのに。イスラム国の手先が入り込む危険性も減ると思うんだけど。
8月10日18時。


 発音の話は一時休憩。8月11日追記。

posted by olomoučan at 06:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯言
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