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2021年01月06日

日本大丈夫か(正月三日)



 箱根駅伝の結果を伝える記事を読んでいたら、沿道に観客が並んでいるのを非難するような報道が目に付いた。特に高齢者が多いことを咎める声が大きいようだけれども、老い先短い人たちが冥土の土産に年に一度の楽しみの駅伝を観戦することまで、攻撃の対象にするなんて、日本人の非寛容性も、また一段とエスカレートした感じである。沿道で応援するお年寄りを口汚く罵る連中がみんな外出を自粛しているとも思えないし、マスコミも含めて自分のことは棚に挙げて批判しているに違いない。

 恐らく、一番問題なのはマスコミの報道のあり方で、必要以上に人が外に出ることの危険性を強調し、恐怖を煽るのがいけない。事実をして語らしめるというか、チェコですら簡単に手に入る実際の感染状況の危険度を示す数字は出てこず、陽性と判定された人の数だけを元に、危険だ危険だと騒いでいるだけのようにしか見えないのが日本の報道である。
 感染状況を判断する際に、重要なのは検査での陽性者の数ではなく、症状が出て入院する必要のある人の数と割合であり、重症化して集中治療を受けている人の数と割合である。またどんな規準で入院と自宅療養を分けているのかという情報も必要になるし、検査における陽性者の割合も重要なはずだ。これらの情報なしに、感染状況が悪化しているといわれても、どこまで信じていいものやらわからない。

 医療が逼迫しているという記事も目にするが、残念ながら具体的な数値は目にしたことがない。日本全体にどれだけ入院のための病床があって、そのうちのいくつが武漢風邪の患者用に振り分けられていて、どのぐらいふさがっているのかなどの情報なしに医療の逼迫を語られてもなあ。チェコでは流行が拡大した時期に、大き目の病院の本来は感染症とは関係ない科を閉鎖して、武漢風邪専用の病棟に改装することで増やされたものも含めて専用の病床の総数を出し、そのうちいくつ空いているのかすぐわかるし、地方ごとのデータもあって逼迫の具体的な状況がわかるようになっている。
 もちろん、人的な意味で逼迫しているというなら、通常業務に加えて検査の業務が加わっているわけだから、病院の仕事が増えているのは言うまでもない。また、医療関係者が感染したり、隔離を余儀なくされることで人手不足に陥る可能性もあるが、現時点で一体どれぐらいの医療関係者が、仕事にかかわれなくなっているのかという情報も見たことがない。多いとか増えているとか当たり前のことでお茶を濁すのは報道する側の怠慢である。新たに感染する人もいれば快復する人もいるわけで、数字は日々変化しているはずである。

 そして、武漢風邪の流行が本当に危険なのかどうかを示す数字、例年と比べて死者の数が増えているのかどうかという情報も日本の報道では見たことがない。チェコでは、春の流行期には例年と変わらないか、少し少ないかだったようだが、秋の大流行が始まってからは死者の数が急増し、10月11月は例年の2倍以上になっているというデータが出ている。それは武漢風邪関係の死者だけで増えているのではなく、病院が一般の患者の受入を停止したことや、病院に行くことを避ける人が増えたことなども原因となっているらしい。

 こういう具体的なデータがあれば、医療が逼迫しているというか、崩壊寸前だといわれても十分納得がいくし、検査における陽性者率が50パーセントを越える日もあるチェコの感染状況がやばいことになっているというのにも異論はない。だからといって、非常事態宣言が続くのには賛成しかねるし、現在の厳しい規制に関しても、そこまで必要かという疑念を消すことはできない。
 チェコではニュースで感染状況や医療の状況が報道されるたびに、この手の具体的な数値が提示されるのだが、日本でもそうなっているのだろうか。ネット上の記事を読む限りではそうは見えないのだけど。

 日本で非常事態宣言を求める声が上がっているのも、正直理解に苦しむ。非常事態宣言なんて、行政上必要な手続きを簡略化することを可能にするものである。つまりは政府にフリーハンドを与えるようなものだということがわかっているのだろうか。
 チェコでも他のヨーロッパの国でも、感染対策の規制を自由を侵害するものだとして抗議するデモが行われている。その自由の侵害を憲法上理論的には可能にするのが非常事態宣言なんだけどねえ。日本では、普段は政府のやり口を権力の濫用だと批判している連中が、非常事態宣言を求めるのだから意味不明である。

 命が一番大切だというのは、真実ではあるのだろうが、乱発すべき言葉でもあるまい。国民の命を守るということが感染症の拡大を防ぐために、人々の自由を侵害することとイコールで結びつくわけでもない。いや、経済活動の停止によって職を失い貧困に陥る人も多いだろうことを考えると、感染対策を強化することによって失われる命もあるはずだ。そう考えると日本では「命が一番大切だ」とか、「命を守る」という言葉が軽く使われすぎている気がしてならない。チェコもバビシュ首相が乱発して誰も気にしなくなっているような気がするけど。
2021年1月4日21時。










posted by olomoučan at 08:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 戯言
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