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2016年06月12日

オクレスニー・プシェボル――チェコテレビドラマ事情(六月九日)



 放置すると忘れてしまいそうなので、テレビドラマの話題をもう一つ。
 チェコの田舎をまわったことのある人は、人口が千人もいれば御の字というような小さな村にも、かなり立派なサッカーのグラウンドがあるのにびっくりしたことがあるかもしれない。一時は一部リーグにボヘミア地方のブルシャニとモラビア地方のドルノビツェという二つの村のチームが参戦していたこともある。この二つの村のサッカー場には、村の人口よりもたくさんの観客が入れる客席がついていたが、普通の村のサッカー場には、そこまでの客席はない。その代わりというわけでもないが、見事に整備された芝のグラウンドであることが多い。
 そして、グラウンドのあるところには、チームが存在し、チームが存在すれば試合が行われるのが当然である。チェコではサッカーリーグの一番下のカテゴリーは、かつて存在した行政区分のオクレス単位で行われており、オクレスレベルでの一番上のリーグがオクレスニー・プシェボルである。ここで優勝すると、一つ上のクライレベルのリーグに昇格することになる。ちなみにオクレスは郡、クライは県と訳されることもあるが、個人的には抵抗のある訳である。

 それはともかく、この下部リーグを舞台にして、田舎の小さな村のサッカーチームの姿を活写したのが、ノバ制作のドラマの怪作「オクレスニー・プシェボル」である。いい意味でとんでもないこのドラマ本編は、チームの監督がなくなり、その妻が火葬にした灰をグラウンドにまくという監督の遺言とともにチームのクラブハウス(というほどのものでもないけど)を訪れるところから始まる。そして、チームの経営陣、選手達、村の人々がサッカーを巡って繰り広げる悲喜こもごものストーリーが展開される。
 主役の一人、選手から新監督に就任する人物を演じるのが、オンドジェイ・ベトヒーである。この武闘派の俳優は、日本でも公開された「ダークブルー」でも主役を演じているから、知っている人もいるかもしれない。あの映画では、かっこいいパイロットの役を演じ、中でも弟のように可愛がっていた後輩が自分をかばって撃墜されたときに、「カーヨ」と叫ぶシーンは、鮮明に覚えている。
 だけど、この「オクレスニー・プシェボル」では、プロになれるわけでもないのにサッカーに明け暮れて、嫁にいつもぶーぶー言われている情けない男を演じている。「コーリャ」でも、偽装結婚を仲介する怪しい男を演じていたし、この俳優の演技の幅は広い。でもね、あちこちの映画やドラマに同じ俳優が出てくると、どれがどんな話だったのか混乱をきたしてしまうのだよ。これはベトヒーだけのことではないし、ベトヒーはまだましな方なんだけど。

 ところで、このドラマには、前日譚を描いた単発の長編ドラマがある。こちらの主人公は、連続ドラマでは死んで登場した?監督で、むすっと不機嫌な面をしたクロボトという俳優が演じている。ベトヒーの役以上にサッカーに全てをつぎ込む爺さんなのだが、心臓に問題を抱えていて、ドナーを探して移植手術をすることになる。そのための検査などで村を離れることが多くなり、奥さんには若い愛人の存在を疑われ、チーム内には不協和音を引き起こすことになる。
 ドナーも決まって、これから移植手術というところになって、この爺さん、ドナーの部屋が見たいと言い出す。そしてその部屋であるものを発見した爺さんは、この手の手術につき物のコーディネーターの説得も空しく移植手術を拒否する。熱狂的なスパルタファンとして一生を送ってきた爺さんにとって、ドナー部屋で発見したスラビアのマフラーは許せるものではなかったらしい。スラビアの心臓を持つスパルタファンになるわけにはいかないという理由で、移植を拒否してしまうのである。

 スパルタファンとスラビアファンの間の対立は、かなり強烈で、両チームに在籍した選手はそれほど多くないし、特に直接移籍した場合には、両チームのファンからブーイングを受けることさえある。さすがに人死には、少なくとも最近は、出ていないと思うが、両チームのファンがぶつかり合って乱闘になることはよくある話なので、両チームのいわゆるプラハダービーは、リスクの高い試合として、普通の試合よりもはるかに厳重な警備体制のもとで行われる。だからと言って、相手チームのファンのものだからという理由で移植を拒否する人がいるとは思えないのだが、この偏屈爺さんなら、言い出しかねないという説得力のある演技だった。
 万人受けするドラマではないと思うけれども、チェコのサッカーの現実の一面を知るには役に立つ。このドラマが放送されていたころ、ノバの夜のニュースには、チェコ各地の村のチームの紹介をするコーナーが存在していたし。再放送して続編作ってくれないかな。
6月11日22時30分。
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