アフィリエイト広告を利用しています
<< 2024年02月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29    
検索
リンク集
最新コメント
チェコの銀行1(十二月二日) by ルイ ヴィトン 時計 レディース hウォッチ (03/20)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしやん (12/30)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしゃん (12/30)
メンチンスキ神父考再び(七月卅日) by にっしゃん (12/30)
カレル・チャペクの戯曲残り(二月朔日) by K (08/16)
最新記事
カテゴリーアーカイブ
記事ランキング
  1. 1. 『ヨハネス・コメニウス 汎知学の光』の刊行を寿ぐ(四月十日)
  2. 2. no img 『羊皮紙に眠る文字たち』『外国語の水曜日』(三月十九日)
  3. 3. no img コメンスキー――敬虔なる教育者、あるいは流浪の飲んだくれ(九月廿七日)
  4. 4. no img すべての功績はピルスナー・ウルクエルに(一月廿六日)
  5. 5. no img 「トルハーク」再び(三月廿日)
  6. 6. no img トルハーク四度(十月二日)
ファン
タグクラウド










ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

広告

posted by fanblog

2016年06月09日

刑事たちのオロモウツ――チェコテレビドラマ事情その二(六月六日)



 テレビドラマの最近の傾向で、特筆しておきたいのは、いつの間にか、刑事ドラマが増えていることである。我がお気に入りの「チェトニツケー・フモレスキ」は、三度にわたって、13話ずつ制作されて、全39話で完全に完結したが、これは第二次世界大戦前の第一共和国時代を描いたチェコ的時代劇でもあった。

 現代を舞台にした刑事ドラマ、もしくは警察ドラマが流行するようになったきっかけは、ノバが2008年に放送した「クリミナルカ・アンデル」というプラハを舞台にした刑事ドラマの成功にある。このドラマは、警察の協力を得て説得力のあるストーリーを作り出すことに成功しており、つい見てしまうことが多い。
 一話で事件の解決まで完結するので、前の話を見ていなくても、それほど問題にならないのは、刑事ドラマの利点と言えようか。最初のシリーズが13話撮影されたあと、二年に一度ぐらいの割合で新しいシリーズが撮影されて、全部で四シリーズ、六十一話まで制作されているようだ。
 続編を制作してほしいと感じる数少ないチェコのドラマの一つなのだが、主役の一人を演じていた俳優が何をトチ狂ったのか、政治の道に志しバビシュのANOに入って、国会議員になり、現在では国防大臣を務めている。そのせいで既に第四シリーズで配役に調整が入って、登場人物を増やすことで、その俳優ストロプニツキーの出番を減らすという処置が取られた。
 この俳優は政治家なんかやるより、アンデルの続編の撮影に参加したほうが、はるかに世のため人のためになると思う。ただ、ハベル大統領の時代から、バチカンかどこかのチェコ大使を務めるなど政治への色気は見せていたみたいなので、日本のタレント議員とは、知識や意識の面でかなり違うとは言えそうだ。

 このノバのドラマに刺激を受けて、チェコテレビが制作した刑事ドラマを具体的にすべて上げることはできないのだが、現在は実際に起こって警察が解決に成功した事件をモチーフにした「捜査一課の事件」という番組が放送されている。もちろん、実際の事件そのままではないのだろうが、警察のアドバイザーがニュースで話していたところでは、ドラマ用の脚色はあるけれど、現場の捜査員の動きなども、実際に警察官たちがしていることとほとんど同じだという。警察が、ノバやチェコテレビのドラマ制作に協力しているのは、警察のイメージを上げようとか、警察官が不足気味の状況を解消しようとかの目的があるのかもしれない。
 半年ほど前だっただろうか、チェコテレビで「クリミナルカ・プルゼニュ」という刑事ドラマが放送されていた。西ボヘミアの中心都市とはいえ、人口せいぜい十万人ほどのプルゼニュで、連続ドラマにできるほど、事件が起こるのかという疑問はあるけれども、プラハ以外を舞台にした刑事ドラマが制作されることは、いいことであろう。何でもかんでもプラハでということになれば、プラハ以外に行かない観光客を批判することはできなくなる。

 さて、オロモウツで撮影された刑事ドラマも存在している。ただし、残念ながら連続ドラマではなく、「聖三位一体の碑の捜査員たち」というシリーズにはなっているが、基本的には単発のドラマで、一つの作品が、三回か四回に分けて放送され、合計すると三時間ぐらいになるから、日本の二時間ドラマのようなものだと考えればいいのかもしれない。これまでに、すでに三作、計十回放送されている。

 去年の春に放送された第一作は、「悪魔祓師のための事件」で、悪魔を祓うための儀式の一環で殺されたとみられる女性の死をめぐる物語である。その後。宗教関係者が事件に関係していることが判明して……。事件の捜査はオロモウツ市内よりも周辺の村が舞台になっていた。警察署はオロモウツのものなので、事情聴取なんかはオロモウツで行われたことになっているのだろうが、実際にオロモウツで撮影されたのかどうかはわからない。

 二作目は、「青い影」という題名で、今年の春に四回にわたって放送された。オロモウツにあるパラツキー大学における汚職事件を背景に、准教授が殺害されるところから話が始まる。高い地位にいる容疑者が政界の権力者とつながりがあって、最初に担当していた主任捜査官が容疑者に対する捜査をやめるように圧力をかけられたり、捜査から外されたりして……。こちらはパラツキー大学が舞台になっているので、実際の大学の建物の中で撮影が行われたらしい。サマースクールのときに入った部屋ができたような気がしないでもない。

 その後に続くように放送されたのが、最新作の「死せる五匹の犬」である。オロモウツ郊外のスバティー・コペチェクという丘の上にある動物園に、強盗が入り、警備員が殺され、熊が盗まれる(何か変な言い方だけど、誘拐も拉致も変なので)。同じころに山の中で、犬の死体がまとまって発見され、前回の事件でミスを犯して村の駐在警官に左遷されていた元捜査員が、退職してテニスクラブの管理人になっていた元捜査官と組んで捜査を始める。一件関係ないと思われていた二つの事件が、犬を戦わせてお金をかける非合法の闘犬のようなものによってつながることが判明し……。

 刑事ドラマとはいえ、推理ドラマの要素があるので、ストーリーは最後までは説明しない。興味のある人は、自分の目で見てもらえるとありがたい。これを見てオロモウツに来たいと思えるかどうかは疑問だけど。ドラマの良し悪しはともかく、こんな形でテレビにオロモウツが登場するのは、地元の人間にとってはうれしいことだ。「チェトニツケー・フモレスキ」でもオロモウツで撮影されたシーンはでてきたが、あれはあくまでブルノが舞台だったし。
 現在も、この刑事ドラマシリーズで主役の一人を演じたクロボトという俳優がオロモウツで何かを撮影しているというし、ミロシュ・フォルマンの映画で脚本をいくつか書いた人物の遺作の撮影もオロモウツで進められている。オロモウツが、ドラマや映画の舞台として世界中で有名になる日は近い、かもしれない。いや、その前にチェコ語の普及活動に力入れなきゃ。
6月8日17時30分。



この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/5142499
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
プロフィール
olomoučanさんの画像
olomoučan
プロフィール


チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。