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2020年06月25日

関係代名詞1「který」(六月廿二日)



 ヨーロッパの言葉においては必要不可欠な物でありながら、日本語では必要としないものの筆頭がこの関係代名詞である。我らが先人たる文明開化期の外国語使用者、翻訳者たちなどもこの関係代名詞には苦労したのは想像に難くなく、古い翻訳調で書かれた文章を読むと、「私が住むところのオロモウツ」と、普通なら「私の住むオロモウツ」と単純な連体修飾節で済ませるところに、形式名詞の「ところ」を入れて無理やり関係代名詞に対応させている例もよく見かける。漢文訓読調を翻訳に取り入れたなんて言えなくもないけど、漢文の連体修飾節がすべて「所」で導かれるわけではないし、他の訓読のしかたができるところもある。
 
それはともかく、そんな厄介なものを日本人が自然に使えるようになるわけはなく、使うためには文法的な思考が必要になる。英語を勉強していたときには、何も考えずに例に基づいて当てはめていただけだったから、あまり意識しなかったけれども、日本語を基準に考えれば、名詞の前に置かれる連体修飾節を、名詞の後ろに置き、名詞とつなぐために必要なのが関係代名詞である。なんとまあ効率の悪いことである。チェコ語にも連体修飾節を名詞の前に置く方法は存在するが、今ではあまり使われておらず、チェコ人でも完全に使える人はあまり多くないらしい。
 とまれ、名詞と連体修飾をつなぐ関係代名詞で注意しなければいけないのは、形容詞型の格変化をして、性も単複も必要に応じて形を変えられる関係代名詞の性と単複は、名詞の性と単複に一致しなければならないということである。ただし、格は、それぞれ別の動詞に対応するので、一致させる必要はない。文の構成によっては一致することもあるけど。

 その辺がわかりやすくなるように、まずは、連体修飾節の付く名詞が、連体修飾節の動詞に対しても主文の動詞に対しても主語として機能する、つまりは一格で使われる例を挙げる。「プラハに住んでいる友達がオロモウツに来ました」という文をチェコ語にするときに、まず考えなければならないのは、「友達」の性と数である。

男性一人
・Kamarád, který bydlí v Praze, přijel do Olomouce.

女性一人
・Kamarádka, která bydlí v Praze, přijela do Olomouce.

男性二人以上か男女合わせて二人以上
・Kamarádi, kteří bydlí v Praze, přijeli do Olomouce.

女性二人以上
・Kamarádky, které bydlí v Praze, přijely do Olomouce.

 名詞と関係代名詞の性と単複が一致しているのはわかってもらえるだろう。どちらも一格なのでわかりやすいはずである。さらにこの場合は主文の動詞が過去なので、性と単複によって語尾を変えなければならない。連体修飾節を過去にすることも可能で、文を「プラハに住んでいた友達がオロモウツに来る」に変えると以下のようになる。英語で苦労したことだけは覚えている時制の一致というものはないので、楽である。

・Kamarád, který bydlel v Praze, přijede do Olomouce.

・Kamarádka, která bydlela v Praze, přijede do Olomouce.

・Kamarádi, kteří bydleli v Praze, přijedou do Olomouce.

・Kamarádky, které bydlely v Praze, přijedou do Olomouce.

 性と単複の順番は最初の例と同じ。関係代名詞を使えない場合には、「z Prahy(プラハから)」で代用するという方法もあるのだが、友達がプラハに住んでいるのか、たまたま今プラハにいるのか、プラハの出身なのかはっきりしなくなる。文脈からわかる場合、お互いにわかっている場合にはこれでも全く問題ないのだが、より具体的に正確な情報を伝えたいときには関係代名詞を使ったほうがいいのである。
 ちなみに、「プラハ出身の友達」なら、友達が男一人だとすると「kamarád, který pochází z Prahy」になるし、「今プラハにいる友達」なら、「kamarád, který je momentálně v Praze」となる。関係代名詞が使えると表現の幅が大きく広がるのである。

 上の文は、中性の友達というのは存在しないので、名詞が中性の例としては残念ながら使えない。男性名詞不活動体の例にも使えないか。「プラハに本拠地のあるサッカーチームがオロモウツに来た」にしてみよう。チームを「tým」と訳せば男性名詞不活動体だし、「mužstvo」と訳せば中性名詞になる。それぞれ上が単数で下が複数の場合である。

・Fotbalový tým, který sídlí v Praze, přijel do Olomouce
・Fotbalové týmy, které sídlí v Praze, přijely do Olomouce

・Fotbalové mužstvo, které sídlí v Praze, přijelo do Olomouce
・Fotbalová mužstva, která sídlí v Praze, přijela do Olomouce

 ここに挙げた例を比較すれば、関係代名詞「který」を使う際に、性と単複の一致が重要で、どこに気をつけなければならないのか理解できるはずである。次回は連体修飾節と主文の動詞に対して、名詞が1格以外の役割を果たす場合の説明をしよう。格の組み合わせとか、前置詞との組合せがあるし、すべてのパターンの例文を考えるのは面倒くさい、じゃなくて難しいので、思いつくものができるだけバリエーションに富んだものになることを願っておく。
2020年6月23日19時。












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