2020年06月05日
チェコ語の疑問詞5「いつ」(六月二日)
昨日の時点で、次はチェコ語の関係代名詞だとのろしを上げたのだが、再度確認したら、疑問詞の方で書いておかなければならないものがいくつもあることに気づいた。疑問詞を書いておかないと関係詞について書くわけにはいかないから、チェコ語の文法を網羅的に書こうと思ったら、外せないのである。
疑問詞については、格変化のある代名詞的なものから始めたわけだが、次は格変化はないけど、「k」で始まる点では、「který」「kolik」などと共通な疑問詞を扱う。初学のころから登場してあまり考えないままに使っている言葉もあるけど、意外に便利な使い方ができたりするものもあるので、一つまとめておこう。
最初は「いつ」という意味の「kdy」。もちろん、日本語と同様に、「何時に」「何日に」などと具体的に時間や日をもとめる質問の方法もあるが、「何時に」を意味する「v kolik hodin」以外は、特に必要がない限り、「kdy」で済ませてしまうことが多い。それで期待した答えが返ってこなかったときに改めて、「ve kterém měsíci(何月)」とか「ve kterém roce(何年)」などと聞きなおすのである。個人的には、「何日」は、格変化に自信がないので避けることにしている。
この「kdy」の特徴としては、二つの前置詞と組み合わせ使える点がある。日本語でもよく使う「いつから」「いつまで」をチェコ語では「odkdy」「dokdy」というのだ。問題は一単語としてまとて書くのか、前置詞と疑問詞に分けて二単語にするのかだけど、話すときには気にする必要はない。うちのに聞いたらどちらも可能だと思うという返事が返ってきたし。もちろん、「何月まで」「何年まで」という質問も可能である。
昔、「do kolika hodin(何時まで)」というのが使えるようになった後に、「いつまで」ってどう言うんだろうとあれこれ考えて、適当に「dokdy」というのを使ってみたら、間違いだと指摘されることもなく、「えっ、こんなんでいいの?」と困惑したのを覚えている。なんで格変化しないのかとか言いたいことはいくつもあるけど、一番問題なのは、教科書でも授業でもまったく説明されていないことだろう。少なくとも説明されたことはない。
こんなのそのままじゃないかというのは、知っている人だから言えることであって、何でこうなると言いたくなることばかりのチェコ語を勉強している人間にとって、そのまま二つの言葉をつなげるだけというのは、想像しがたいことなのだ。それに一単語なのか二単語なのかという問題もあるのだから、説明があってしかるべきだと思うんだけど。まあ、「odkdy」「dokdy」なんて使わずに済ますことができるといえばその通りで、存在を知るまでは動詞を変えることで対応していたのだった。
・Dokdy budeš v Olomouci?
(いつまでオロモウツにいるの?)
・Kdy odjedeš z Olomouce?
(いつオロモウツを出て行くの?)
・Odkdy jste tady?
(いつからここにいますか?)
・Kdy jste sem přišel?
(いつここに来たんですか?)
どちらも微妙に意味は変わるけど、答えとして得られる情報は同じである。外国語を使うということは、知らない言葉でも、自分の知っている言葉を使って何とか表現することでもあるのだ。それには外国語の能力以上に母語の能力が必要になる。
・Dokdy muším dokončit tuto práci?
(いつまでにこの仕事を終わらせなければなりませんか?)
この質問に対する答えは、いろいろ考えられる。
・Do středy.(水曜日までに)
・Do příštího pátku.(来週の金曜日までに)
この辺は問題なく使えるようになるのだけど、次の答えは慣れるまでは苦労した。どちらも別の答え方はできるとはいえ、自分でも使うようにしておかないとチェコ人に言われたときに理解できなくなる。最初言われたときはよくわからなくて、言い直してもらったしなあ。
・Do dvou dnů.(二日以内に)
・Do tří měsíců.(三ヶ月以内に)
おそらく、「二日後までに」と理解してもいいのだろうけど、チェコ語では「後」も「までに」も前置詞で表現する。前置詞を二つ重ねて使うこことはできないのでこんな形になっているのだと理解している。逆に「Do dvou dnů」を、迷わず「二日以内に」と訳せるチェコ人がいたら、その人の日本語能力はなかなかのものだということになる。
他の疑問詞と同様「kdy」にもいろいろな派生語がある。「někdy(いつか)」「kdysi(いつか)」「kdykoliv(いつでも)」なんかは、使い方はともなくとして、日本語に訳すのには苦労しない。それに対して動詞の否定形と共に使う「nikdy」は、文脈に応じて「絶対に」「一度も」「二度と」などと訳し分ける必要がある。
他に覚えておいたほうがいい派生語としては、「málokdy(まれに)」なんかがある。これも疑問詞である「jak」と組み合わせて「jak kdy」というのは、「場合によって」とか、「そういうこともある」なんて意味になる。「když」も派生語と言えば言えるのだろうけど、これについてはまた別の機械に説明することにしよう。書けば書くほど書くべきことが増えていくこの不思議。
2020年6月3日10時。
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