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2019年09月11日

F〈私的チェコ語辞典〉(九月九日)



 新暦とは言え重陽の節句に何を書こうと考えて、特に思いつくものがなかった。八月の終わりに夏野フローラ、園芸の即売展示会が行なわれたけど、菊なんてなかっただろうし。書かなければならないネタもないし立ち上げたまま、何本か記事を書いて放置してある企画(ってほどじゃないけど)の新しい記事を積み重ねていこう。ということで、チェコ語の話である。

 以前「E」で始まる言葉であれこれ書けそうなものを探したときにも少ないと思ったのだが、「F」で始まる言葉もそれほど多くない。しかも外来語が多いせいで、妙に長くて覚えにくい単語が多い印象がある。地名にも少ないと言う印象があるからか、今年の夏にフルネクに行こうと思って、接続を検索した時に、「Fulnek」というつづりを間違えてしまったことがある。フリーデクとかフリンシュタートなんかは間違えないのだけど……。
 そもそも、文字としての「F」を表すときに使う口語表現の「エフコ」自体が、「Fko」と書くのか「efko」と書くのかわからない。ワードの校正機能ではどちらも赤字がついているから間違いなのだろうか。「F」だけで「エフコ」と読んでも間違いではなさそうだけど。まあ使うのが試験に合格できなかったときぐらいだからなあ。そんな機会はないほうがありがたいし、つづりなんかどうでもいいか。

 Fで始まる単語でぱっと思いつくのが、ファンを意味する「fanoušek(ファノウシェク)」である。チェコ人の苗字の「Hanousek(ハノウセク)」と混同して、最後が「sek」か「šek」か悩むことも多い。女性形は「fanynka(ファニンカ)」で、最初に聞いたときには、男性のファノウシェクとの関連が見えずに理解できなかった。それから口語的な表現で「fanda(ファンダ)」というのもあって、以前はテレビ局ノバのチャンネルの一つがファンダだったのだが、最近ノバ・アクションに改名して、つまらなくなった。

 ファニンカで思い出したのが、犬の女性形である。猫ならコチカ(雌)、コツォウル(雄)である程度似ているのだが、犬の場合は雄の「pes(ペス)」とメスの「fena(フェナ)」で、まったく違う。そのため何度教えられても、なかなか覚えられなかった。性別を気にせずに使う場合には猫が女性形のコチカを使うのに対して、犬は男性形のペスを使うから、覚えなくてもいいと言えばいいのだけど。猫の男性形のコツォウルを覚えているのは、『長靴を履いた猫』のチェコ語訳で登場するからに過ぎないのだし。
 犬の女性形のフェナで注意が必要なのは、男性名詞の「fén(フェーン)」を混同してしまうことで、特に複数二格の「fen」は間違えやすい。長母音と短母音の違いがあるとは言っても、耳で聞くと、とっさには判断がつかないこともある。ちなみにフェーンはドライヤーという意味なので、ペットサロンなんかで犬の体を洗ってドライヤーで乾燥させるなんて状況を考えると、同じ文脈の中に両方の名詞が登場しても全くおかしくはない。

 昔、大学でチェコ語を勉強していたときによく間違えたのが、カタカナで書くと「ファクルタ」と「ファクトゥラ」である。前者は「fakulta」と書いて、大学の学部を意味し、後者は「faktura」で請求書を意味する。耳のいいチェコ人には問題なくても、「L」と「R」、「U」のあるなしの区別がつかない日本人には混同しやすいのだ。
 確か、師匠に大学でお金払うから請求書をもらって来いとか何とか言われたときに、学部もらってくるの? と首をひねっていたら、大笑いされた。それで、請求書じゃなくて領収書もらってくれば、お金渡すよということになったのだが、この領収書がまた覚えにくい言葉で……。パラゴンだったかな。ウーチテンカでもよさそうだけど。

 ということで今日の文章、どう考えても自己評価はFである。頭がいたい中書いたし、掲載も遅れてしまったし、うまく落ちてないし。
2019年9月9日24時30分。









タグ:名詞 失敗
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