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2019年07月10日

踊る日本人(七月八日)



 世界遺産以外にユネスコが認定するものとしては、民族芸能や伝統工芸などを対象にした無形文化遺産なるものが存在する。日本で指定されたもののリストを眺めると、こんなのわざわざ世界的に認めてもらう必要はなかろうと言いたくなるものが多い。指定されたことが保護につながれば意味はあるのだろうけど、実際のところはどうなのだろうか。ユネスコでは「世界の遺産」なんてものの認定まで始めているようで、世界遺産に指定するものが枯渇した後の準備を始めているようである。

 とまれ、この無形文化遺産にチェコで登録されているものというと、南モラビアのスロバーツコ地方に伝わる民俗舞踊であるベルブニュクと、一部のモラビア好きには名高い「王様騎行」と訳されることのある民俗行事の二つがよく知られている。前者はドイツ語が語源となっているらしいが、徴兵を意味する言葉からできたもので、新兵を歓迎するための踊りが土着化して民俗舞踊として現在まで続いている。
 後者は、スロバーツコ地方のいくつかの町で行われるものだけが指定されているが、ハナー地方でも行っているところがあるらしい。昔まだ幼年で即位したハンガリー王が戦場に出て、敵軍に包囲された際に、部下の機転で女装をして口を開かないように花をくわえて逃走したという故事に基づいて行われる行事である。女装する王に選ばれた少年の家族の経済的な負担が大きく(衣装や馬の飾りつけなど準備するものは多い)、引き受け手を探すのが大変だというニュースもあったから、無形文化遺産指定で、経済的な支援がなされるようになったと信じたいところである。

 スロバーツコ地方で、ベルブニュクが披露される機会というと、一つは、スロバーツコの中心ともいえるキヨフの町で4年に一回開催されるスロバーツキー・ロク(スロバーツコ年)という民俗の祭典で、もう一つは毎年6月末にスロバキアとの国境の町ストラージュニツェで開催される国際民俗フェスティバルである。このフェスティバルには毎年外国の民俗舞踊団も参加していて、自国の伝統的な舞踊を披露している。

 今年は、日本からの参加団体があって、その名も「Starodávný」だから、年配の方々のグループなのだろう。そのグループが、日本の民俗舞踊ではなく、スロバーツコの民俗舞踊を踊り、就中、ソロでベルブニュクに挑戦した日本人の踊りが素晴らしかったと大評判になっていたらしいのである。誰か、知り合いがこのフェスティバルに行くと言っていたような気がするんだけど、誰だったかな。機会があったら現地でどうだったのか聞いてみたいところである。
 このフェスティバルの様子は、キリスト教系のテレビ局ノエが中継していたのだけど、日本の人たちがどんな踊りを披露したのかは見ることができなかった。仕方がないので、うちのにユーチューブに上がっていたビデオを探してもらった。ソロの人の名前を司会者が叫んでいるのがよく聞き取れなくて、後半が「チューゾー」と言っているらしいとしかわからなかった。後ろなので名字かなとも思ったのだけど、踊り終わった後に、みんなで「チューゾ、チューゾ」と叫んで拍手していたように聞こえたから、お名前がチュウゾウさんなのかな。

 スロバーツコのベルブニュクは、踊る前にまず歌わなければいけない。キヨフの民族衣装を着たチュウゾウさんの歌はよく聞き取れなかったけど、うちのの母の話によれば、要所要所で掲げる手の上げ方が堂に入っていて素晴らしいらしい。足さばきとジャンプが重要な踊りのほうでは、ちょっとずれているかなというところもあったけど、チェコ人でうまいと言われる人でもこんなもんだなんてことも言っていた。
 何よりもかによりも、遠く日本からやってきた年配の日本人が、キヨフの民俗衣装を着て、スロバーツコ方言で歌を歌い、スロバーツコの踊りを踊る。しかも地元の人を感心させるレベルで踊ったというのが、一番の喝采の理由だろう。どのぐらいの時間をかけて踊りを身につけられたのかは知らないが、頭が下がる思いがする。
 チュウゾウさんのソロの後、何人かの日本人の、これも年配の方々のグループが踊るためにステージに出てこようとしているところで、ビデオは終わった。こちらの集団での踊りもノエの中継の下ほうに流れた字幕では高く評価する人が多かったらしい。

 興味のある方は、「verbuňk」「Strážnice」「Japonec」「2019」あたりの組み合わせで検索すると、ビデオが出てくるのではないかと思うのでどうぞ。ユーチューブ嫌いだから自分では検索したくないし、リンク張るなんて冗談ではないのである。
2019年7月8日23時。





無形文化遺産とは何か: ユネスコの無形文化遺産を新たな視点で解説する本










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