2019年06月14日
ヨーロッパ選手権出場決定(六月十二日)
来年の一月に行なわれるハンドボール男子のヨーロッパ選手権は、ノルウェー、スウェーデンの北欧二国にオーストリアという三カ国で開催されることになっている。単独で大きなイベントを開催するのを避けて、二カ国で共同開催することが増えているから、それが三カ国に拡大されるのに文句を言うつもりはないのだが、理解できないのが三カ国目が遠く離れたオーストリアであることで、移動距離の関係で、ものすごく不公平な事態が起こりそうである。グループステージをノルウェーとスウェーデンで開催して、準々決勝以上をオーストリアでというのなら、何とかなりそうだけど、そうすると開催国間での不公平感が大きくなりそうである。
とまれ、この大会から出場国が24に拡大されるため、予選が緩い緊張感に欠ける物になってしまった。4チームずつ8つのグループに分かれているが、各グループの上位二チームだけでなく、三位でも出場できる可能性があるのである。この緩さが、今回の予選でチェコチームがいまいちピリッとしない原因になっているような気がする。
チェコはグループ5で、ベラルーシ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、フィンランドと出場権をかけて争っているのだが、四節終了時点で最下位のフィンランドが全敗ですでに脱落している。今日はそのフィンランドでの試合だったのだが、この試合に勝つか引き分ければ、チェコは出場がほぼ決定するという状況だった。
前半のチェコはよかった。特に攻撃ではカシュパーレクと、怪我から復帰したババークを中心に面白いようにシュートが決まっていた。フィンランドのキーパーにシュートを止められたシーンがあったかどうか思い出せないぐらいである。守備のほうは前半の最初はあまりよくなく、背の高いフィンランドのセンターの選手に、遠目からポンポンシュートを決められて、なかなか点差を開くことができなかった。
前半途中で、先発のガリアに代わってムルクバが出てきたことで、守備がよくなった。ガリアも全くシュートを止められなかったわけではないが、あまり当たっていなかったので、思い切って交替させたのだろう。ムルクバは大当たりで、何本か決定的なシュートを止めていた。キーパーが当たりだすと守備もよくなるもので、一気に点差が開いて、前半は17−12とチェコの5点リードで終了した。
後半に入ってからも流れは変わらず、チェコが23−16と7点差をつけたあたりまでは、何の問題もなかったのだけど、24点目を取った後、点が取れなくなった。突如フィンランドのキーパーが、今まで三味線弾いていたのかといいたくなるぐらい、チェコの選手のシュートを止め始めたのである。それが残り10分ちょっとぐらいのことだっただろうか。
ムルクバも全く止められなかったわけではないのだが、どんどん点差が縮まって、一点差になったときには、これは負けるかもと覚悟した。チェコの選手たち、特にセンターの選手たちがシュートに行くのを怖がっているようにも見えて、そのままずるずると逆転されそうな予感があったのだ。幸いムルクバのセーブで同点に追いつかれることはなく、最後はババークのシュートが決まって、2点差で何とか勝った。
後半は楽勝だぜで気を抜いたのだろうか。カシュパーレクやババークの代わりに出てきたムベンゼムやズドラーハラがほとんど活躍できていなかったのが心配である。どちらもシュートを打つべきときにためらって、相手の守備に捕まるシーンが多く、特にズドラーハラは前回のヨーロッパ選手権で大活躍しているだけに、調子を落としているように見えるのが心配である。
それから、サイドからのシュートがあまり決まらなかったのも、ポストの選手のシュートが少なかったのも改善点である。ポストにパスが通ってもシュートまでいけないということが何度もあったけど、ポジショニングの問題なのか、体格で負けていたのが原因なのか。ペトロフスキーの台頭で、ポストがいないという問題は解決されたと思っていたのだが、今日のペトロフスキーのプレーはあまりほめられたものじゃなかった。この試合で称賛されるべき選手はババークとムルクバぐらいのものだから、チームの低調さにペトロフスキーも巻き込まれたというのが正しいかもしれない。サイドの選手たちも、ユルカもフルストカもチープもシュートを決められないシーンが目立っていたし。
それにしても、前半17点も取っていながら、後半は9点しか取れないって、何たる試合だよ。フィンランドは前後半共に12点ずつだから、チェコの守備は変わらず悪くなかったということになるのだけど、攻撃は……。シーズン最後の二試合ということで、疲れがたまっているのかなあ。日曜日の試合は負けるかもしれないという気がしてきた。
対戦相手のボスニア・ヘルツェゴビナはバルカンの国とはいえ、それほどハンドボールに入れ込んではいない印象だし、一対一のプレーオフではなくて、グループでのリーグ戦だから、そこまでバルカンの笛にはならないと思う。負ければグループ三位に落ちる可能性があるし、ホームでの試合だから勝ってほしいのだけどなあ。勝っても負けてもテレビの前でやきもきさせられることになるのは確実である。
2019年6月13日23時30分。
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