2019年06月13日
オロモウツで飲めるPIVOFスタロプラメン系(六月十一日)
ピルスナー・ウルクエルについで、チェコで二番目に大きいビール会社が、プラハのスミホフに本拠地を置く、スタロプラメンである。スタロプラメンもビロード革命直後の外貨稼ぎのための民営化によって外資に売却され、転売を繰り返されているようだが、その一方で国内では、同じプラハのブラニークなどいくつかのビール会社を買収してきたようだ。ただし現在でもスタロプラメン傘下と言えるのは、ブランドだけが生き残っているブラニークと、オストラバのオストラバルだけである。
西ヨーロッパ向けのアサヒ・スーパードライの生産もしていたのだが、アサヒがピルスナーと結びついた現在、どうなっているのかはわからない。それ以外にもかつての親会社の関係か、ベルギービールのステラ・アルトワやヒューガルデンなんかも扱っているし、ビールそのものだけでなくビールを使った混ぜ物のお酒にも力を入れているようで、個人的には節操のない会社というイメージがあって、あまり好みではない。好みではない一番の理由はプラハのビールだからと言うものかもしれないけど。
オロモウツにもスタロプラメンの直営店(だと思う)ポトレフェナー・フサがあるので、先ずはそこから。
1.ポトレフェナー・フサ
Adresa: Horní náměstí
Web: http://www.husa-olomouc.cz/
Piva: Staropramen řezané
Extra chmelená 13°
Nefiltr pšeničný 13°
Granát 13°
Mustang 11°
Černá Barbora 13°
Rotující speciál
※意外なことに普通のスタロプラメンの10度、12度が置かれておらず、スタロプラメンの名前で出ているのはジェザネーだけ。二つ目のエクストラフメレーネー(ホップの使用量が多い)とプシェニチニー(小麦のビール)と、色が濃い目のグラナートは、なんだかよくわからないけどスミホフの選択というカテゴリーに入るようである。
馬がシンボルマークになっているムスタンクと黒ビールのチェルナー・バルボラは、オストラバルで生産されているビールである。馬はオストラバの市の紋章に馬があしらわれているところから来ているのだろうし、聖バルボラは鉱山の守護聖人なので、黒い石炭を掘っていたオストラバの黒ビールにはふさわしい名前だということになる。またこの前日本人の集まりで行ったときには、最後の日替わりみたいなので、これもオストラバルで生産されているタロスというビールが飲めた。『クラッシャー・ジョウ』ファンとしては、この中から選ぶならタロスを飲むしかない。
ベルギービールのヒューガルデンもメニューには上がっているけれども、チェコのPIVOではないので割愛。かつてこのフサが、聖モジツ教会の近くにあったときには、スミホフで生産されているアサヒ・スーパードライの瓶も置かれていたが、移転して新しくなったフサでは飲めないようだ。
Kudy: ホルニー広場のシーザーの噴水のところに集まれば、広場を出て行くかどのところにあるので間違いようがない。
Pozor: この前プラハの駅で入ったフサにはオストラバルのビールはなかったから、同じフサでも地域性があるのかもしれない。一緒に行った知人は、食事について場所によって違いがあると言っていたが、実はビールも同様だったのだ。オロモウツの近くでフサのある町というと、オストラバ、ズリーン、ブルノになるのだが、スタロプラメンのページで確認すると、オストラバルのビールを提供しているのはオロモウツとオストラバだけである。オストラバでは当然オストラバルの12度も飲める。
オストラバルのビールはオロモウツでは、せいぜい瓶のビールが手に入るかどうかというところだったことを考えると、スタロプラメンが、見捨てられた感のあったオストラバルに力を入れ始めていることを表しているのだろう。
2.ウ・プシュカジェ
Adresa: Vídeňská 11
Web: http://www.upuskare.cz/
Piva: Staropramen 10°
Staropramen 12 °
Staropramen řezané
Staropramen speciály
Mustang 11°
Černá Barbora 13°
Puškařova 11°
※ここでもオストラバルのムスタンクとチェルナー・バルボラが飲めるが中心はスタロプラメンの10度と12度。お店の名前から取った11度のプシュカジョバも気になるけど、昔行ったときはなかったと思う。ミニピボバルではないので、スタロプラメンがこの店のために特別に醸造したビールかもしれない。
スタロプラメンのスペシャルは、フサでタロスが飲めたのと同じようなものだろうか。お店のHPのニュースには、イースターにあわせてオストラバルの12度、ただし緑色が飲めるという通知が出ている。
Kudy: テレジア門のところの広場というか空き地に集合しよう。そこからモリツの脇を抜けて入ったとおりの次の角にあるのがこの店である。モリツが満員で入れなかったときに、ここに流れていくことが多かった。
Pozor: 日本から来たスロバキア語が堪能でチェコ語もできる先生が、チェコ人と一緒になってモラビア民謡を歌って盛り上がったのがこの店である。もう十年も前の話だから覚えている人はいないだろうなあ。
この二つの店に行けば、オロモウツで飲めるスタロプラメン系のビールはほぼすべて飲めるはずである。ブラニークが飲めるお店は、過去も現在もオロモウツでは確認できていない。そもそも瓶や缶以外のビールを生産しているのかどうかも確証がない。
ドラーパルのある交差点の旧市街側の城壁の址の中に入っているエスプレッソ・バーという喫茶店は、チェコでは珍しく外国のビールを前面に出していて、ステラ・アルトワの看板が出ている。ヒューガルデンも飲めるようだけど、チェコで販売権を持つスタロプラメンのビールが飲めるかどうかは不明。オロモウツでベルギービールが飲みたくなったときにはお試しを。まあ、フサでも飲めるんだけどね。
2019年6月12日16時。
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