2019年06月12日
チェコ代表連勝(六月十日)
来年のサッカーヨーロッパ選手権の出場権をかけた予選は、すでに今年の三月に始まり、チェコ代表は初戦でイングランドにブラを食らって、つまり0−5で惨敗した。国内のサッカーシーズンがほぼ終了した6月になって、ブルガリアとチェルナー・ホラ、ではなくてモンテネグロとの試合が、チェコで開催された。先週の金曜日に行われたブルガリアとの試合は、プラハのレトナーで行われたが、今日の二試合目は何とオロモウツでの開催だった。オロモウツで代表の試合が開催されるのは久しぶりのような気がする。ほぼ満員の一万人以上の観客を集めていた。
このオロモウツでの試合に先立って(というのは変な言い方だけど)、土曜日の朝出かけた生産者直売市で人ごみの中をうちのについて歩いていたら、ブリュックネルと遭遇した。伝説の監督が朝市で買い物するのである。これで何回目だろう。毎回どこか買い物をするところでお見かけしているような気がする。周りのチェコ人がまったく気にした様子がないのも、今回も同じだった。
ブリュックネルと遭遇した前日、金曜日の試合は、イングランド戦に続くブラジルとの親善試合でも、特に後半はボロボロだったことを考えると、どうしても勝っておかなければならない試合だった。負けるなんて論外である。そのせいだったのか、試合の入り方に失敗した。試合開始直後に失点してしまったのだ。負けられないという意識が強すぎたのか、中途半端なプレーが連続してあれよあれよという間に点を取られていた。去年監督交代したばかりのときは、チームが上向いたように見えたけど、やっぱりダメだったのかという失望がわきかけた。
それが、失点した後は、点を取るしかないということで、開き直ったおかげか、一気にブルガリアを圧倒し始めた。いくらブルガリアがかつての強かったころのブルガリアではないと言っても驚きだった。後は点を取るだけだったのだが、今シーズンイタリアであまり出場機会を得られていなかったパトリク・シクがやってくれた。前半の20分ごろに同点に追いつくゴールを決め、後半開始早々の50分に逆転のゴールを決めた。
その後も、チェコはいくつもチャンスを作ったのだけど、ゴールを決めることはできず、最終的に2−1で勝った。疲れからか無駄に引いて守ることがあって、ブルガリアにも何回かチャンスを与えてしまっていたが、何とか守り切った、というよりは運がよかったと言ったほうがいいシーンもあった。特に、93分ぐらいの試合最後のプレーには、肝を冷やした。
とにかく勝つことが一番重要だった試合で、しっかり勝ち切ったのだから、素晴らしいと言うほかない。実況のボサーク師匠が批判していたのはレトナーに観戦のために集まったファンたちで、試合が終了すると早々にスタジアムを後にして、選手たちとファンで勝利を喜ぶという雰囲気にはならなかったらしい。
そんな状況で迎えたオロモウツでのモンテネグロとの試合。よく考えたら、チェコのグループって、圧倒的勝ち抜け候補のイングランドを除いたら、ブルガリア、モンテネグロ、コソボって、全部バルカンの国じゃないか。ハンドボールほどではないけど、サッカーでもあまりいいイメージがない。勝っても負けても後味の悪い試合になることが多いなんて言うと偏見かもしれないけど。ブルガリアとの試合でもソウチェクが接触プレーで流血沙汰になったからなあ。治療に結構時間がかかったし。
モンテネグロとの試合は、ブルガリアとの試合ほど面白くなかった。どちらのチームも最初は守備に重点を置いた慎重なプレーに終始していたし、チェコが前半15分過ぎにヤンクトのシュートで先制した後も、前半はモンテネグロは慎重なプレーに終始した。後半に入るとチェコが守りに入ったせいで相手にボールを回されるシーンが続いて、観客からブーイングが聞こえてくることもあった。特にシクのプレーが自殺点を誘って2−0になってからはその傾向が強まって見ていてイライラさせられることが多かった。
そのイライラもシクが自ら得たPKを決めて3−0になったことで解消されたのだけど、相変わらずチェコは守勢に回ると不安定というかなんというか。幸いモンテネグロに圧倒的にボールを持たれた時間帯でも、決定的なチャンスはほとんど与えなかったので、そのままチェコがスコア上は圧勝した。時間帯によってはどっちが勝っているチームかわからないようなところもあったんだけどね。
とまれ、これでチェコは二連勝で勝ち点6、グループ2位になるための最低条件は満たしたということになる。3位には意外な健闘を見せているコソボが勝ち点5でつけている。今回対戦したブルガリアもモンテネグロも、チェコとの試合の前に監督交代が起こるなど、決していい状態のチームではなかったから、次のコソボでの試合が、シルハビー監督の真価を明らかにすることになるのかもしれない。
代表デビュー直後に大活躍した後は、あまりぱっとしなかったヤンクトとシクが再び活躍したのは大きなプラスである。ヤンクトはチェコリーグにデビューする前にイタリアに買われていったし、シクはボヘミアンズで半年活躍しただけでイタリア移籍だったから、失われた才能の系譜に並ぶのではないかと危惧していたのだが、杞憂に終わりそうである。
かつてのブリュックネル時代の強さには程遠いけれども、暗黒の時代は終わったと考えてよさそうだ。やはりあの遭遇は吉兆だったのである。
2019年6月11日22時30分。
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