2019年05月15日
三格を取る前置詞➀(令和元年五月十三日)
三格を取る前置詞については、これまでにもいくつか記事の中で言及してきたけれども、せっかく、あまり役に立たないとはいえ三格の話を書いたところでもあるので、三格を取る前置詞のまとめをしておこう。
まず最初は、移動の方向を表す「k」である。これは特に人を表す名詞、代名詞について、その人のところに行くことを表すのに使われる。人以外だと、川や海などの水辺に向かっていくときに使われることが多い。一緒に使われる動詞は「行く」などの移動を意味する動詞が多い。
・Jdu k vám.
そちらに行きます。
・Pojedeme na dovolenou k moři.
休暇で海に行きます。
・Táhněte k sobě.
自分のほうに引っ張ってください。
また、名詞「směr」と組み合わせて、「〜のほうに」という意味でも使える。このとき「směr」は七格にするのがポイントである。
・Tento vlak jede směrem ku Praze.
この電車はプラハのほうに行きます。
・Půjdeme směrem k nádraží.
駅のほうに行きましょう。
発音の関係で、子音が二つ以上で始まる名詞の場合には「ke」、子音Pで始まる名詞の場合には「ku」になることがある。発音上の要請なので必ずというわけではないのが、外国人にはつらいところである。また、この「k + 三格」は、「na + 四格」に置き換えられ、特に行先を「do」で表せる地名の場合には、「směr」を略して「na + 四格」だけで「〜のほう」を表すことができる。つまり「jet směrem ku Praze」でも、「jet směrem na Prahu」でも、「jet na Prahu」でも意味はあまり変わらないのである。
それから、以下のような予想外の名詞につくこともある。
・ku podivu
・zkušenost k nezaplacení
・k smíchu
この辺を何も考えずに使えるようになると、チェコ語もぺらぺらと言えるのだろうけど、そこまでいくのはなかなか大変である。上の三つを使って文を作ると、例えば、「私のチェコ語はまだまだ笑うべきレベルなんですが、不思議なことに最後の試験に合格できました。サマースクールではお金では買えない体験をさせてもらいました」なんてのは、
Moje čeština je stále k smíchu, ale ku podivu se mi podařilo udělat závěrečnou zkoušku. Na letní škole jsem měl zkušenosti k nezaplacení.
なんて訳が出来上がるのだけど、このチェコ語が正しいかどうかは保証しない、というよりは、保証できない。難しいんだよこれ。
特殊な使い方というよりは、読み方なのだが、比率を表す「3:2」とか、スポーツで点差を表す「1:1」を読むときに数字の間に入れるのが「k」なのである。だから「tři k dvěma」とか、「jedna k jedné」なんて読むわけである。点差の場合には、簡単に「tři dva」「jedna jedna」と読んでしまうことも多いけど。これは特に知らなくてもチェコ語を使うのには全く問題のない「k」の使い方である。
そう言えば、日曜日のスラビアとプルゼニュの試合の後、こんな文を見かけた。
・Výhrou se přiblížila Slavia k titulu.
勝利によってスラビアは優勝に近づいた。
ということで、「Tento článek se chýlí ke konci」という文で今日の分を終わらせることにしよう。「k」は、とにかく移動する方向を表す用法が一番重要である。
2019年5月14日9時35分。
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