2019年05月14日
シグマ・オロモウツ、シーズン終了(令和元年五月十二日)
今日オロモウツで行なわれたズリーンとの試合で、オロモウツは3−2で勝利したが、他のほとんどのチームより一足早く今シーズンが終了してしまった。オロモウツとテプリツェ以外は、あと最低でも二試合、多いチームになると五試合残っているのだけど。
このチームによって試合数が違うのは、今シーズンから導入された新しい制度のせいである。毎年シーズン終盤になると、順位がほぼ確定し、優勝争いからも、ヨーロッパのカップ戦の出場権をめぐる争いからも脱落し、残留争いとも縁のないチームが複数出てくる。そうすると勝っても負けてもあまり意味のない、いわゆる消化試合が行なわれることになる。
チェコのサッカー協会では、この大抵はつまらない試合になる消化試合の数をできるだけ減らすために、オランダやベルギーのリーグに倣って、これまでの全30節に加えて、成績によって三つのグループに分けて、追加の試合を行なって最終成績を決めるというシステムを導入した。同時に一部と二部のチームの降格と昇格に入れ替え戦も行われることになった。
全十六チーム中、上位六チームが、優勝を争うグループになる。追加のリーグ戦はチーム総当りで五試合ずつ行うというもので、上位の一位から三位まではホームで三試合、下位の四位から六位までは二試合行なうことになっている。だから、最大で勝ち点を15上乗せできるのだが、レギュラーシーズン30節の勝ち点をそのまま持ち越すため、順位の変動はそれほど起こりそうにない。
今シーズンのこのグループ進出チームと、30節終了時の勝ち点は以下のとおり。直接対決で順位変動の可能性があるのは、五位のオストラバと六位のリベレツだけである。
スラビア 72
プルゼニュ 68
スパルタ 57
ヤブロネツ 51
オストラバ 45
リベレツ 42
追加第一節でスラビアがリベレツと引き分け、プルゼニュがヤブロネツに勝った結果、スラビアとプルゼニュの差が勝ち点2に縮まり、直接対決で逆転の可能性が出てきたのだが、第二節で直接対決が行なわれ、スラビアが勝った結果、差が5に広がり、スラビアの優勝はほぼ確定した。
このグループで上位に入ったチームがヨーロッパのカップ戦の出場権を獲得するのだが、三位の恐らくスパルタがヨーロッパリーグの出場権を獲得するのは決まりだが、四位の恐らくヤブロネツは、一つ下のグループの一位チームとヨーロッパリーグ出場権をかけたプレイオフを戦うことになる。ただし、リーグカップでスラビアが優勝した場合は、プレイオフに回るのは五位のオストラバかリベレツということになる。
七位から十位の四チームは、ヨーロッパリーグ出場権をかけたプレーオフ進出を巡る争いである。このグループは追加のリーグ戦ではなく、七位と十位、八位と九位が対戦し、その勝者同士が対戦するカップ戦方式のプレーオフが行なわれる。
出場チームは以下のとおり。ムラダー・ボレスラフは、リベレツと同勝ち点でありながら直接対決で分が悪かったために上のグループへの進出を逃したのである。
ボレスラフ 42
オロモウツ 40
ズリーン 39
テプリツェ 36
ボレスラフとテプリツェの対戦は、テプリツェでの初戦が、0−8というホームチームが負けた試合としては最大の点差がつくという結果に終わり、二戦目は1−1の引き分けでボレスラフが次のステージに進出した。
オロモウツは、ズリーンでの初戦に0−1で負けた後、ホームでの試合に3−2で勝利したものの、所謂アウェーゴールの差で敗退が決まった。あと一点、惜しいシュートもあったんだけどねえ。秋のシーズンのひどさを考えると、この中位グループに食い込めるところまで順位を上げられたのだから御の字である。それでも、うまくやれていれば優勝争いのグループに入れたのではないかとか、何でズリーン相手に敗退するんだとか言いたくなるのがファンというものであろう。今日の試合勝ったとはいえ、前半ひどかったしなあ。
最後の六チームは残留争いということになる。ルールは優勝争いグループと同じ。ただし、最下位はそのまま降格が決定で、十四位と十五位のチームは、それぞれ二部の三位、二位のチームとプレーオフを行なうことになっている。
このグループのチームは以下のとおり。一番上のグループよりは勝ち点の差が小さいので、最下位のドゥクラを除けば順位の入れ替わりが起こる可能性は高そうである。
ボヘミアンズ 34
スロバーツコ 34
オパバ 33
プシーブラム 31
カルビナー 29
ドゥクラ 20
追加の第二節まで終わって、ドゥクラの降格と、カルビナーの入れ替え戦行きがほぼ確定。入れ替え戦の二チーム目をプシーブラムとボヘミアンズが争うという感じになっている。ちなみに二部ではチェスケー・ブデヨビツェの優勝と昇格が決まり、二位で入れ替え戦がほぼ確定なのがイフラバ、もう一席をブルノとフラデツ・クラーロベーが争っている。
今回のこのリーグを魅力的にしようという試み、試合数が増えたのは悪くないけど、それでリーグの魅力が上がったかといわれると、鳴り物入りで導入されたビデオ審判が期待はずれに終わっているのもあって、そこまでの変化は感じない。それに真ん中のグループも総当りのリーグにした方が公平じゃないかという気もする。
とまれ、シグマ・オロモウツの今シーズンは終了したが、オロモウツでのサッカーの試合は終わらない。リーグカップの決勝が、スラビア対オストラバという対戦になったので、その間にある、オストラバよりだけど、オロモウツで行なわれることになっている。それに六月にはチェコ代表の試合もオロモウツで行なわれることになっているんじゃなかったかな。町に迷惑を書けるような名ばかりのファンが押し寄せないことを願っておきたい。
2019年5月13日24時。
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