癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

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そのお墓を見た時

「無縁仏」という言葉が浮かんだ

お世話になったおばさんの眠るお墓に行った

父が逝去したことの報告も兼ねてのお墓参りだった

おばさんの眠るお墓は荒れ果てていた

おばさんは嫁いだ先のお墓に入っている

冒頭で「無縁仏」という言葉を使ったが

家族は健在だ

旦那さんと二人の息子はお墓から徒歩5分としない場所に住んでいる

兄弟姉妹を始め、親族も沢山いる

なのに・・・誰も・・・誰も立ち入った形跡を感じない

先月はお彼岸だった筈だ

燃え尽きたお線香は雨風に打たれて固まっている

風で飛ばされたのだろうか？

粉々に飛び散ったコップのガラス片

花立にあったはずの香花は墓石の周りに横たわり

ただの枯れ木となっていた

石碑の下の上台石と下台石の隙間からは

立派な雑草が茂っていた

一番驚いたのが

お墓の真ん前がひざ下くらいの高さの雑草で生い茂っていたこと

一面ぎっしりの雑草は誰かに踏まれた形跡もなく

元気よく育っていた

家族はいるのに「無縁仏」の様だった

正確には「無援仏」と言った方が良いだろうか

人様のお墓の手入れに余計な手出しはしないことを

私の中の規律として守ってきたが

さすがに今回は目の前の雑草を取り除き

散らかったガラス片を拾って一箇所にまとめた

とても顔の広いおばさんで気さくで優しい心の持ち主だった

私の子供たちの事もとても可愛がってくれた

何とも言えない

後味の悪いお墓参りとなった


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