癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

S氏のリハビリは順調に進んでいる

順調の要因の一つとして

本人の前向きな姿勢が大きな要素だろう

私の知らない所では

何度かどん底に落ちてしまった瞬間もあったようだが

その度にお助け舟的な誰かの一言が支えになったようだ

例えば医師からの厳しい説明は

お先真っ暗にされてしまう

医師としては良いことばかりは言えないという立場もある

最悪の場面も患者に想像させなければならないこともある

しかしそれは患者本人にとっては負のイメージになりやすい

そんな暗い空気を払拭させてくれたのが理学療法士さん

患者さんの多くは「大丈夫、絶対に良くなる」

この言葉が欲しいのだ

真直ぐな目と、感情のこもった言葉が

患者さんの縮こまった心を奮い立たせてくれる

そう言った心のケアもしてくれる

S氏は現在、歩行訓練真っ最中

リハビリ訓練時間だけでは事足りず

院内の廊下を杖を使って歩行しているようだ

膝がしっかりと堪えられるようになれば

杖なしでも行ける

そう強く語ったS氏

「行ける」

私も心の中で強くつぶやいた


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