往生要集は、地獄の有様が詳しく書かれていて有名です。
浄土真宗の七高僧にもあげられています。
その源信僧都がどうしてそんなに立派な
高僧になったのかというと
お母さんも立派な方でした。
源信僧都が、天皇からほうびをもらって喜んでいたときに、
こんな歌のついた手紙を送っています。
後の世を わたす橋ぞと 思いしに
世渡る僧と なるぞ悲しき
「後の世を渡す」とは後生の一大事を解決するということで、
仏教の目的であり、生きる目的です。
後生の一大事を解決すると、絶対の幸福になれます。
人々を絶対の幸福に導く僧侶になれよと思って
比叡山にやったのに、この世をどう生きるかということに
うつつを抜かすとは
悲しいことだ、ということです。
君たちはどう生きるか
という本がベストセラーになりましたが、
そういう生きる手段には関心を持つ私たちでも、
生きる目的は抜け落ちてしまうのです。
これに驚いて深く懺悔した源信僧都は、
姿勢を改めて後生の一大事の解決に向かい、
今日まで語り継がれる立派な僧侶となったのでした。
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