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2019年02月11日

友人の保護者と

立志式を終えて、教室で友人でもある保護者から声を掛けられた。彼の娘を今、担任しているが、兄が私を慕ってくれていたのだ。
兄の圭介は、中学卒業と共に転校していったのだが、途中で高校を退学してしまった。
そのまま高校生を続けていれば今は高3、受験の年だ

「圭介は学校を辞めてしまいまして…。」
「知っています。」
圭介は高認を受け、大学を目指している。

「センターは、数学と物理しか満足いく点数は取れなかったんで、多分希望しているT大は無理かと…。」
「一人で勉強するのは、大変ですからね。いざというときに励まし合う仲間がいるのといないのでは、大きな違いがあると思います。」
「圭介が辞めると言ったときがちょうど私も転職した時期だったんです。だから、強く否定できませんでした。」
彼は今は県有数の進学塾の幹部に戻っている。
「『絶対に後悔するなよ』、としか言えなかったんです。どうしても収入的に苦しくて…。」

彼は、立志式で感じた子育てを思い、思いの丈を私に伝えたかったのだろうと思う。

私は、
「圭介の人生ですから…。きっと自分で切り拓くでしょう。」
と、伝えた。

生徒一人ひとりにいろいろなドラマがある。自分で判断し、進んでいくこともあれば、自分にとっては不可抗力の中で、環境が変わることもある。

人はそうした人生を生きている。
明日のことは誰にも分からない。
だが、明るい未来を信じて、今日も一歩を踏み出す。

「妻も、異動できそうなんです。」
「それは良かったですね。ちょっと通勤が遠すぎましたからね。」

一頃、自傷行為を重ねていた娘も元気になって、今日も立派な発表をした。

「今度、圭介に連絡してみますよ。」
「きっと喜ぶと思いますよ…。」

「丹澤先生も、もう十年ですか?」
「はい。そろそろですかね…。」
と、笑い飛ばす。

そう言って、話を閉じた。
まだまだ私に声を掛けたいとおぼしき保護者が控えていたからである。

学校現場は、毎日がドラマだ。
生徒の向こう側に、その家族のドラマも垣間見える。

みんな、懸命に生きている…。








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