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2018年12月12日

卒業生からパワーをもらう

昨晩は、久しぶりに卒業生のH君と会った。
私が今の学校に来て、初めて担任した生徒たちで、今はもう二十歳になる。
あどけない、かわいさたっぷりの中学生だった彼らも、高校を卒業し、大学生になれば、精悍な面持ちになる。彼らも、間もなく就職活動が始まる。

「俺、大学でも野球をやってるんですよ。」

中学時代、野球部に所属していたH君。
中2の冬に足を骨折。
野球部でスキーに出掛けたとき、アイスバーン急斜面で、一回転したのだ。
手術が必要とのことで、数ヶ月入院。
骨を金属で止めたまま、中3最後の大会に出場。
だが、正キャッチャーとしてプレーはできなかった。立ったり座ったりという負荷はかけられなかったのだ。

その後、高校は別の学校に行き、行った先で不登校。
出席日数ギリギリで高校を卒業し、大学の二部に通っている。

H君は、
「今、先生が担当している生徒はどうですか?」
と言う。
「いやぁ、今まで受け持った中で、一番手がかかるよ…。」
と答えると、
「やった〜」
と返ってきた。自分たちが一番手がかかって、迷惑をかけたと思っているのだろう。
確かに、彼らの代もいろいろあったが、一緒に笑い、一緒に泣いた、思い入れの深い学年だったのだ。

卒業生との会話は、ほんの短い時間でも楽しい。

このあと、何人かの卒業生が、私を捜し当てて、訪ねてきてくれた。

「卒業間際に、ピアノを弾いてあげたり、泣きながら講話したのが、良かったのかな…。」

人との出会いは面白い。
ほんのひととき出会ったけで、一生かかわる事もあれば、疎遠になったり、意見が合わなくなったりで、二度と会わないこともある。

教師をしていると、数多くの子供たちとの接点があるが、実は、その中で関わりが続いているのは、ほんの僅かだ。

以前の私は、小中高のお世話になった先生には、欠かさず年賀状を出した。
かすかな蜘蛛の糸のような、細い関係でも切りたくなったからである。

いつまでも関わりたいと思う心も、執着なのかな。

今担当している生徒たちへは、私はもう祈るしか方法は残っていないのかも知れない。

しかし、久しぶりに会った卒業生から、パワーをもらったような気がした。

もう一踏ん張りしよう。

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