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2019年12月16日

『かまちょ』

「丹澤先生って『かまちょ』ですか?」
高1の生徒から声を掛けられた。
「『かまちょ』って何?」
「かまって欲しい、ってことですよ。」
「へー、そんな言い方をするんだぁ…。」

「かまってちょうだい」の略称だそうだが、『かまちょ』なんて言葉は、正直、知らなかった。
SNSで流行っていた言葉のようだが、使っている若者世代との接点が、私にはないのだろう。

「そうだね。確かに、『かまってほしい』と思っているかもね…。」
いつも生徒の関わっている私の姿を見て、そんな風に思ったのかも知れない。

大人の友達が少ない私にとって、生徒たちは大切なパートナーなのだ。
だから、彼らがどこにいようと、何をしていようと、私は彼らと関わることができる。

この状況は、他の先生からは「私にはとてもできない」、と思われているのだろうけれど、私にとっては、ごく普通の日常のこと。
いつも生徒と『遊んでいる』私の姿を見て、彼は私を『かまちょ』と思ったのかも知れない。

私は生徒たちからは、「ちょっと変わった面白い先生」、と思われているようである。
確かに、休み時間などで廊下ですれ違ったりしたとき、「丹澤先生は何かが起こる!」、と思って、身構えている。

それを喜んでいるのか、私が『かまちょ』なのかは、分からないが、とにかく生徒の中に入って、遊んでいることは事実。

私は満面の笑顔で、彼らの輪の中に飛び込んでいく。

厳しいことも言うので、一部怖れられているようではあるが、概して評判は悪くないようだ。

「丹澤先生は、どうして。すーっと生徒の中に入っていけるのですか?」

若手の先生たちからよく、そんな風に尋ねられる。
そうは言っても、それが日常なのだから、何とも答えようがない。「彼らと一緒にいるのが好きなのだ」、と言うしかない。

「丹澤先生、いつも生徒と一緒で疲れませんか。」
そんな風にも尋ねられる。
そんなとき、私は決まって
「大人と一緒にいるより、生徒と一緒の法が疲れませんから…。」
と答える。

もしかしたら、彼らを自分の子供のように思っているのかも知れない。

私が学校で勤めていられるのは、こうした理由による。








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