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2019年06月13日

山が呼んでいる

久しぶりの快晴になった。
山に雲がかかっていないのは、何週間ぶりだろう。
梅雨の晴れ間、中休みだ。
何と言っても風が心地良い。

山が呼んでいる。
「早く登に来いよ」、と語りかけてくる。私もうずうずする。

今日は、研究授業があった。
数学科の同僚Y先生による「組合せ」の授業。
教室内が混雑していたので、廊下で見ていたが、そのとき、山並みが見えたのだ。

前回上ったのは、3月の終わりだったな…。雪ですべて足を滑らせないように、注意して山頂まで登ったことを思い出す。

さすがにこの時期には雪はない。だが、山岳地特有の高山植物が咲いているはずだ。

「順列は並べることですね。それに対して組合せは…。」
Y先生は、組合せの導入のために、順列から導こうとしておられる。
だが、一生懸命生徒に促しても、「並べない」ための割り算の分母の意味が、生徒から引き出せない。

「空気が澄んでいると、遠くまでよく見えるだろうな…。」
さすがにこの時期に富士山が見えることはないだろうが、私自身山頂から富士山を確認したことは、これまで一度もない。

「この分母の3!は、なんだか分かりますか?」
一生懸命生徒に問うが、期待するような答えが返って来ない。
授業の初めの導入で、復習がてら確認しておけば良かったはずだ。

「今年は、許可を得て、生徒たちを山に連れて行きたいな…。」
山登りは、トレーニングにはとても良い。
もちろん、天気が良ければ、の話だが…。

生徒に考えさせ、それを発言させる授業が花盛りだ。
しかし、講義形式よりも、さらに授業準備に時間がかかる。

先生たちの負担をもっと増やすことになっているのだが、教員の世界で、新しいことが始まると、それは追加であって、以前のもので体系的破棄されることは、まずないのだ。

専門職ながらサービス業とも言え、いつしか、「やって当たり前」の状況になっていく。

「分かる人?」
と、尋ねると、授業を参観していたH先生が、「はい」」、と手を挙げた。
Y先生は、H先生に発言を求める…。

「授業の妨害をしちゃいました!」
と、H先生。

普段から考える習慣を怠っている生徒は、急に考えさせても、どうしたらよいか分からなくなる。

教育活動にはいろいろな刺激が必要なのだ。

「山に行けば、いろいろな刺激が得られる…。」
私は、そう確信している。








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