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2022年10月11日

保護者のクレーム

「どうせ、来年には卒業なんだから…。」
M先生が反駁する。いつもは冷静に対処する方なのに、今回ばかりは腹に据えかねたようだ。

「絶対おかしいんだ。狂ってる…。もういちいち対処する必要ありませんよ。」
ご立腹はなかなか収まらないようだ。

学校には、保護者からさまざまな意見が届くが、昨今はメールが多い。
メールだとどうしても誤解を生み、その誤解が新たな誤解を作り出し、話しがややこしくなりがちなのだ。直接話せば、細かなニュアンスも分かるし、お互いの感情を激しくぶつけ合うこともあまり起こらない…。

今回のご意見も、いわゆるクレームと言われるもので、学校としても誠心誠意対処してはいるが、それでもその要求やその内容の細かさには、辟易しているようである。

「クレームは宝の山だ。」
ビジネスの世界では、特にそのように認識され、顧客の声をフィードバックした貴重なものとして処理される。もちろんその中には、単に感情的なものもあるのだろうが、それでも、「なぜ、そのように思うに到ったのか」を分析し、「わずかなりともその非なり、油断や慢心、詰めの甘さがあったならば、それをこの先に生かす」というスタンスである。

私の学校も、開校以来そうした対応をとり続けているが、たまには、憤慨したくなるようなご意見も届けられる。

今回のものも、言って見れば、「箸の上げ下げ」までを指摘するような、ほんの些細な事に対して、自らの意見をぶつけてくるような、そんな意見であった。その意見をメールにして送ってこられた方は、入学以来、すでに何度となくこうしたご意見を寄せられ、おそらくその回数は数十回ではきかないだろう。

メールの場合、たいていは要点をさっと記述してしまいがちで、慇懃なほどの丁寧さはほとんどない。

昨今のSNSでのメッセージのやりとりと同じく、ちょっと油断すれば、意図がまったく反対に解釈されたり、相手を怒らせてしまったりもする。

IT系のサポートセンターでは、その傍らに、サンドバッグが用意されていると聞いたこともある。

もちろん今回も、丁寧に、対処しているのだが…




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