先日発表された、2017-2018「日本カーオブザイヤー」。
見事、ボルボ新型「XC60」が受賞したわけですが、実は以前結構気になっていたので、ボルボの「スタジオ青山」には事前に見に行っていました。結構カッコいいんですよねぇ〜
https://www.volvocars.com/jp/about/our-company/aoyama
試乗はしていませんが、絶対的な価格は高価ですが、その価格のわりに内外装とも静的質感も高く、これに定評のある安全装備や耐久性なども加わっているので評判が高いのも頷けます。
SUVタイプでは、個人的にはマツダの「CX-8」も気に入っていますが、XC60は高価格帯ということもあり、更に質感を高めています。木目のインテリアパネルの質感も高く、シートの質感・ホールドもとてもいいです。
とはいえ、LCもそうかもしれませんが、XC60が「カーオーブザイヤー受賞」と発表されてもちょっとピンと来ないというか・・・
街なかではたぶんまだ一度も見たことがないですし、カッコいいとは思いますが、誰もが振り返るような一目惚れ系のデザインではありませんし、ボディサイズもデカイし、価格も高価ですし、ナビゲーションはやはり今ひとつの性能でしたし、購入したくてもちょっと購入のハードルが高い感じです。
また、都市部では問題ないんでしょうけどボルボは販売店(ディーラー)も少ないですし、購入後のメンテナンスとかサービス態勢なども気になるところですね。
そういう意味では、レクサスLCが「エモーショナル賞」を受賞したのは驚きでした。
流石に1300万〜1450万もするLCがカーオブザイヤーを受賞するとは思えませんでしたが、こういう賞を受賞したのはかなり嬉しいですね。この分野はトヨタ/レクサス系のクルマには無縁とも思われていたと思いますし。
各ジャーナリストのコメントも興味深い物ですが、LCで10点を付けているジャーナリストは、なんからの形でLCに触れる機会が多かった方が多いように思います。(雑誌でのインプレッションを担当した方や、海外試乗のイベントに呼ばれた方等)また、LCは「中間点」があまりなく、「10点か0点か」とはっきり分かれているのが特徴ですね。
http://www.jcoty.org/result/points/
10点を投票したジャーナリストのコメントは以下の通り。
〜以下、HPより引用〜
レクサス 【LC】
果敢に大型2ドアGTに挑み、完成度高く仕上げることに成功している。機械性能のみながらず、デザインなどでLCならではの世界観も構築できている。世間一般からは、クルマというと電動化や知能化ばかりが注目される昨今だが、運転しても眺めても豊かな気持ちになれるクルマがあるということを示している点を高く評価した。また、レクサスというブランドが成熟を進めつつあることも賞によって広まるといい。LCに賞を授けることで「まだクルマにも夢がある」ことを世間に伝えたい。
レクサス 【LC】
プラットフォームを新開発し、10速ATに代表される駆動システムを採用。もっとも響いたのはそのデザインと、日本を代表するスポーツカーを完成させるのだというその熱い思いです。日本にもこんなに美しいスボーツカーがあるのだとする、世界への強いメッセージにも心打たれました。今年を代表するモデルだと確信しました。数年後に振り返って時に、強く記憶の残るモデルであるはずです。
レクサス 【LC】
レクサスの新プラットフォームの第一弾というだけでなく、そもそもはこのクルマのコンセプトモデルを具現化するためにプラットフォームから開発したという力の入れようは尋常じゃない。結果、生まれたデザインコンシャスなスタイリングはこれまでとは全く異なる仕上がり。迫力というか、オーラすら感じる。しかも、それだけの時間とコストをかけながら販売台数よりもブランドイメージを大事にしたところも価値は高い。今後こういったモデルが製品化される可能性は極めて低いであろう。自然吸気V8エンジンは希少性が高いだけでなく、クルマ好きを納得させるテイストを持つ。
レクサス 【LC】
走行性能の面だけでなく、デザインの面でも、レクサスLCはこれまでの日本車の殻を破るような存在感を示したと考えます。いずれの面でも、それを可能にしたのは新プラットフォーム、新パワートレインに代表されるテクノロジーの積み上げであり、それだけにこの衝撃はLC単発に終わらず、その存在は今後のレクサス車の、そして日本車全体の底上げに繋がっていくはず。そうした期待を抱かせたのも高く評価した理由です。ともあれ、最初の試乗の際に受けた「日本車も遂にこの領域まで来たのか…」という大きな衝撃。その点において、このクルマを上回るものはなく、今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーとして最高得点を投じます。
レクサス 【LC】
デザインはまさに「唯一無二」。最も特徴的なのは前後のワイドなフェンダーで、これは「室内側から4輪に延ばした力によってフェンダーを押し広げる」というイメージで造形したもの。原点にあるのは乗員を中心に据えた「インサイド・アウト」の発想であり、それによって欧米のスポーツクーペとはまったく違う「キャビンとボディの一体感」を醸し出している。欧米が長い伝統を持つ高級スポーツカーの世界で、日本のレクサスが堂々と「唯一無二」の個性を主張し始めたことを日本人として誇りに思いたい。
レクサス 【LC】
時代はCO2削減へまっしぐら。それは致し方のないことであろう。しかし、我々が憧れた、欧米のスポーツカー文化の火は消してはならない。日本からもそういう世界と渡り合える文化を持ったクルマを送り出したい!私は常にそう思っていますが、それを具現化するとこうなる気がします。ハイブリッド車もありますが、NA5リッターV8などという、耳なじみのいい言葉が並ぶこのLCは、まさに西沢にとって自動車の象徴ともいえる一台。唯一残念なのは、V12ではないところかな?選考理由はシンプルに、テンベストの中で最も欲しいクルマだからです。僕のようなクルマ好きの意見が、COTYに反映されるのもいいんではないでしょうか?
レクサス 【LC】
価格のことを考えるとこのクルマに10点を与えることに躊躇した。本来なら価格とのバランスを見ながら投票すべきものと思うが、内容を考えるとこの配点しかない、と思った。まず、新しいプラットフォームは次期LSのぶんも含めて評価した。単なる剛性だけではないバランスの取れた設計は、今後登場してくるクルマたちに大きな期待をもたらすだろう。注目すべきはハイブリッドモデルのミッションの考え方で、仮想10段に加えDMI制御というふたつの変速システムを持たせることで、ハイブリッドにありがちなのどかさをスポーティーな味に変えたこと。これにより、ドライビングプレジャーははるかに高まった。デザインには好き嫌いもあるだろうが、ここまでアグレッシブに作り込んだことは海外進出を考えてもチャレンジングで素晴らしい。さらにはインテリアの作り、カラーリングに至るまで、今までのレクサスの常識を2段階以上も引き上げたように思う。最後に付け加えたいのは日本式のおもてなしの心がはっきりと滲み出ているところだ。
レクサス 【LC】
アメリカ西海岸にあるCALTYデザインによるコンセプトカーがデトロイトショーで登場したときから「美しいクルマだな」と思っていたが、まさか、ほとんどそのまま市販されるとは想像していなかった。これほど美しいクルマはトヨタの歴史の中で、トヨタ2000GT以来だと個人的には思う。美しいだけでなく新しくもあり、さらに奇を衒っていないデザインは、世界の自動車史に残るだろう。ボディサイズが日本で乗るにはやや大きいとか、その割にはラゲッジスペースが狭いとか、細かな不満はあるだろうが、そうしたものと引き替えに、美しいプロポーションを手に入れているのだから文句を言う筋合いではないだろう。エレガントなエクステリアとインテリアを毎日楽しめるだけで、このクルマを買う価値はある。3.5リットルV6ハイブリッドというパワーと燃費を両立した現代的なドライブトレーンと、ドライビングプレジャーに特化したコンベンショナルな5リットルV8の両方が用意され、しかも、両者の車重の差は100kgほどしかないから、どちらを選ぶのかは贅沢な悩み。
〜以上 引用終わり〜
なお、純粋な自動車評論家ではない、グランツーリスモ開発者の山内氏や 松任谷氏、ピストン西沢氏がLCに10点を投じているのには驚きでした。全体的にはデザインに関する評価が高く、今までの日本車に欠けていた部分について評価されているところは嬉しく思いますね。
私的には評判の高い「スイフト」や「カムリ」あたりが賞を取るのかな、と思っていたのですが、ボルボXC60や、BMW5シリーズといった高価格帯のクルマが上位を占めるというのは、「いつかはこういうクルマに乗ってみたい」、というアコガレにもなるわけで、こういう結果も有りかなぁと思いました。
でも全体的には輸入車が多くて、日本車の相対的な魅力が低下しているのではと思うランキングでした。
その中でも、「シトロエンC3」や「アルファロメオ ジュリア」はデザインもいいですし、気になる存在です。(しかしどちらもちょっと所有するには不安だなぁ・・・)
次のレクサスでのカーオブザイヤー候補は、「レクサスUX」ですかね?
都市部に多い、ノーマルルーフ対応の立体駐車場に入るよう、全高「152cm」に抑えることを実現するUX、プラットフォームもC-HRとは異なり、新世代プラットフォームの「GA-L」のコンパクト版の「GA-C」(?)を採用、VWグループのクルマを彷彿とさせる「真一文字のテールランプ」等の新世代デザインも相当いいみたいですし、期待ですね!
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