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2016年08月30日

クラウンシリーズにようやく「Toyota Safety Sense P」がついたけど。

昨日(9/29日)トヨタ・クラウンシリーズに 統合的な安全装備である、「Toyota Safety Sense P」 が搭載されるなどの改良が行われたとのニュースリリースがありました。
http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/13295732/

しかしながら、(予想通りではありますしたが・・・)レーダークルーズコントロールは「ブレーキ制御方式」(時速40-100km制限型)であり、全車速追従対応型ではありません。

th_20160829_01_02_s.jpg

トヨタブランド車にはご存知のとおり、セーフティセンスには2種類の「C」と「P」がありますが、「P」であっても、全車速追従型のレーダークルーズコントロールは必ずしも備わらず、既にブレーキ制御型のレーダークルーズコントロールが設定されている車種については、全車速追従型へのアップグレードは「フルモデルチェンジ」の際にしか行われないと思われます。

昨年末にフルモデルチェンジした新型プリウスは「全車速追従型」ではありますが、それよりも随分高価かつ、商用利用・法人利用等、社会的な地位も高い方も利用すると思われるクラウンシリーズですら、全車速追従型にアップグレードすることが困難ということは、トヨタ自動車社内の内規・基準等のハードルがいかに高いかが伺い知れます。
(これが他メーカーなら間違いなく全車速追従型のレーダークルーズに対応するところでしょう。)

また、せっかく「ITS Connect」が搭載可能な希少な車種にもかかわらず、レーダークルーズ装置が全車速追従型でないせいで、「通信利用型レーダークルーズコントロール」も利用できません。これは非常にちぐはぐな対応に感じられます。

また、「足踏み式パーキングブレーキ」や「ブレーキホールド」については、比較的保守的なオーナーが多いと思われるため必ずしも電子式パーキングブレーキへの移行は必須とは思いませんが、いずれにせよ年次改良やマイナーチェンジ程度では対応されることはないことがあらためて証明されたことになります。

まだ公式的なアナウンスはありませんが、10月にマイナーチェンジされる「新型レクサスIS」についてもレーダークルーズコントロールが全車速追従型でないことはほぼ確定的と言えます。
(*非公式な社内資料では「ブレーキ制御」の文言があるとのこと)

クラウンにせよ、新型ISにせよ、折角安全装備が標準化され、商品力がアップ(または他社に並ぶ)のにもかかわらず、「及第点」レベルであり、想像を超える一歩がなく、残念に感じてしまいます。

その他、クラウンロイヤル・アスリートに関しては、「ブラインドスポットモニター」も一部グレードしか設定がない(MOPの設定はなし)など、2017年・トヨタブランド・フラッグシップセダンでの対応に驚きを隠さざるを得ません。
(一方、これでも戦える基礎商品力・販売網の強さはさすがというべきでしょうか。)

おそらく、多くのユーザーは「Toyota Safety Sense P」にはプリウスと同様、全車速追従型のレーダークルーズコントロールが装備されていると思うのではないでしょうか?
このあたりはぜひ自動車ジャーナリストの方々に、開発陣あて切り込んで欲しいところです。

この記事へのコメント
なまっくさん、お返事ありがとうございます。

私はこの手の問題には疎いせいで、勉強になりました。ゼロエミッション率など、細かい部分でしっかりと数字に表して規制していくとは全く思いもしませんでした。

CO2も規制していくとなるとガソリン車は肩身が狭くなりそうですね。トヨタからこのような規制にクリアできる環境を意識したターボ車とかがリリースされれば面白いかも…と思っていたのですが、今後はPHVのラインアップに期待したいですね。
Posted by DSS at 2016年09月01日 02:31
to アキラ さん

まさにその通りで、トヨタセーフティセンスのCとPだけでも区別がつきにくいのに、その中でも備わる装備や動作速度範囲がまちまちというのはユーザーもそうですし、販売員も正しい説明ができるとは思えません。
(実際のところ、未だに知識不足の販売員が多い印象です)

安全装備の追加をそのまま販売コストに転嫁しているのは相変わらずですが、以前よりもずいぶん安価で設定しているとことは評価したいところです。しかし、ライバルの欧州車の安全装備とは既にかなり差がついているので、世界一のメーカーとして、交通事故の低減を一層すすめ社会により貢献するためにもスペックアップをして欲しいと思います。
Posted by なまっくす at 2016年08月31日 21:53
to DSS さん

少し調べたところ、欧米での新規制では、EVやFCVなどのゼロ・エミッションの比率が14%→16%に引き上げされるとの話がありました。PHVなどのはこの中に入るとのことですので、嫌でもPHVの販売を進めていく必要があるので、今ひとつ盛り上がりに欠ける新型プリウスとの差別化を図り拡販するため、新型プリウスPHVは内装も外装も差別化を図っているものと思われます。
プリウスPHVはとても魅力的に思え、ぜひ幅広い車種にコンセプトを受け継いで欲しいと思います。

一方、CO2排出量の規制も更に高められるそうですので、(走行1kmあたり120g/kmから95g/km以下とする)ゼロ・エミッション車以外のco2排出量も抑制する必要があるので、今後、純ガソリン車の採用は一部の車種に限られそうですし、現状のトヨタグループのエンジン+ターボ技術では規制クリアは困難と思われます。今後は排気量1L+ターボや、1.2L+ターボモデルなどの採用に切り替わっていく可能性が高そうです。
ディーゼルについてはごく一部の大型車以外は採用されないのではないでしょうか。

と、にわか知識で書いてしまいました・・・(失礼しました)
Posted by なまっくす at 2016年08月31日 21:48
to けい さん

トヨタセーフティセンスやレクサスセーフティ・システム導入の際のメーカーの公式コメントと実際の仕様のショボさや導入の遅れとは温度差を感じますね。
トヨタ車は幅広世代に人気ですので、アクセル・ブレーキの踏み間違いによる事故や、プリクラッシュセーフティシステムの基本性能や各種運転支援など、他メーカーが焦りを感じるぐらいのスピードと性能で驚かせて欲しいですね。
現状ではあまりにも石橋を叩いて渡る感じで・・・
まずはレクサスLCやLSでの先進装備・安全装備のレベルアップに期待したいところです。
Posted by なまっくす at 2016年08月31日 21:31
to えふ さん

詳細なコメントありがとうございます。大変勉強になります。
なるほど、ZEV(Zero Emission Vehicle)規制の強化により、2018年から経過措置で対象になっていたHV車が除外され、いよいよトヨタもFCVまたはEV、PHVなどの販売比率の引き上げが求められるため、拡販に迫られるわけですね・・・

新型プリウスPHVなどの(プリウスプライム)はとても魅力的に見えますし、ぜひレクサス車にもPHVをラインナップしてほしいところですね。

大都市部の法人需要は確かにリースがかなりの割合を占めているようですね。また求めるスペックについても・・・なるほどですね。
とはいえ、わざわざ複数の性能のプリクラッシュセーフティシステムを継続採用し続けるトヨタは凄いなぁと思います(笑)
Posted by なまっくす at 2016年08月31日 21:24
to  qaz さん

ご意見については忌憚なくお寄せいただければ・・・
非公開希望の場合は公開しませんので(笑)

クラウンは常に最新の装備やテクノロジーが採用される車種というイメージがあるので、残念な対応に思います。
VICS WIDE、ワイドFMの件、よくお調べになっていますね!
まさにそのとおりで、まさかクラウンで対応されるとは・・・ここもよくわかりません。
Posted by なまっくす at 2016年08月31日 20:57
同じ
トヨタセーフティセンスP、C。
レクサスセーフティセンスでも現状、細かい仕様が異なるのはユーザーは混乱するのでは?

日本はもとより世界でもトップのシェアを誇るメーカーとして安全装備に関しては早くコストや効率を度外視して統一して欲しいものです。
Posted by アキラ at 2016年08月31日 17:44
なまっくすさん、こんばんは。

えふさんが投稿されているコメントで気になることがあり、コメントさせていただきました。突然で申し訳ありません。

今後、北米市場でハイブリッド車が除外されていくなかで、PHVが主力になると仮定した場合、トヨタはPHV以外にガソリン車(ターボなど)の販売には力を入れていくのでしょうか。

PHVは日本国内ではあまり売れていないと感じます。また日本市場は未だに強いハイブリッド推しがあるので、アメリカと日本で板挟みになりそうなトヨタの今後の動向が少し気になりました…。
Posted by DSS at 2016年08月31日 17:39
他社からすこしオシャレな自動運転車がでたら、そちらを選択するよ。車の死亡事故のほとんどが運転者のミスなんだから。命の問題だよね。トヨタは、使命感がかけてるよ。車でとんでもないお金をもらってるんだから、責任があるよ。
Posted by けい at 2016年08月31日 11:53
こんばんは。今やトヨタはグローバルな企業になり、日本国内からの収益は全体の2から3割とおもえます。

加えて、日本国内ではクラウン、アルファード、レクサスGS. RX. LS.は法人需要の割合が多く、しかも法人需要はリースが多いために、燃費性能、環境性能や細かな安全装備は客が求めていないと思われます。誤解を招くのを覚悟して言えば、客が最優先するのは法人用途に耐えうる体裁だと思われます。これは日本では昔からの風習のようなもので、一概に良く無いとは言いませんが、販売会社には暗黙の了解的に、売り上げのかなりの部分は法人需要に頼っています。
特にトヨタ店、東京トヨペット店、レクサス店では顕著です。(実際に販社の幹部もこの点に関しては否定しません)


一方、トヨタの最大市場の北米では、2018モデルから、加洲が先陣を切り環境性能車のハードルが高くなり、現行のトヨタHV車はもれなく除外されます。

トヨタラインナップでは、環境性能車に該当するのは燃料電池車とプリウスPHVだけです。
これら以外の環境性能の悪い車種が売れると、売れた台数分だけ違約金の名目で二酸化炭素排出権をテスラなどから購入する羽目になります。

ミライは現状では生産体制と水素スタンドのインフラが整備さるておりませんので、売りたくとも売れず。

必然的にプリウスPHVにグローバルでは販売の力が入ってきますので、前述の日本国内事情と合わせて考えると、相対的にクラウンやレクサスの安全装備装着は優先順位が販売戦略上低くならざるを得ないと思われます。

トヨタがグローバル企業でフルラインアップですので裏目に出ているようです。

今やドイツのメーカーは日本メーカーに先駆けてPHVを続々と揃えきています。

自動車ジャーナリストは、以上の状況を詳しく理解しているので、安全装備の遅れについては触れることができないのただと思われます。

Posted by えふ at 2016年08月31日 03:04
なまっくすさん、こんばんは。

全て、同感です。
トヨタブランドの最上級車ですが・・・残念です。

諸々と記してみたい意見はあるのですが、目障りになるとご迷惑をおかけしますので我慢します(苦笑)。

先日のレクサス車における年次改良で私がこだわったVICS WIDEとワイドFMですが、これはクラウン3種(マジェスタ・ロイヤル・アスリート)全てに搭載されたようです。

まさにちぐはぐです。
Posted by qaz at 2016年08月30日 22:08
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