2016年05月09日
お酒で寿命を縮めた有名人に学ぶ「アルコール依存症」
アルコールと人類の付き合いは紀元前まで遡ります。それほどまでに、お酒は人類にとって欠かすことのできない大切な嗜好品なのです。一方で、アルコールは脳に作用する依存性薬物でもあります。アルコールを大量に摂取すると「脳機能は抑制され」、同時に脳内の神経繊維回路に作用し、「ドーパミンの放出」を促します。
ドーパミンは快楽に関係する脳内物質です!
飲酒⇨ドーパミン放出⇨酔って気持ちいい
つまり、お酒は「酔い」という報酬をもたらしますが、次第に耐性が形成され酒量が増えていきます。日常生活に苦悩を抱えている人の中には、アルコール中断による苦痛から逃れるために不適切な飲酒を続けてしまいます。これがアルコール依存症のメカニズムです。違法薬物である覚醒剤やコカインなども全く同様の作用を持っています。このアルコールの持つ依存性によって、様々な健康被害や社会的影響が問題となっています。
飲酒運転による悲惨な事故、
暴力、虐待、自殺など...
特に自殺に関しては、アルコールの摂取が自殺の促進因子になっていることが指摘されています。
【脱アルコール依存のために】
2010年、世界保健機関(WHO)総会で「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」が採択されました。これに伴い日本でも、多量飲酒者を20%以上減少させるという目標を掲げましたが、有効な結果には至っていません。。。
現在日本には、およそ860万人の多量飲酒者がいるといわれ、このうち約109万人がアルコール依存症 (自分で飲酒をコントロールすることが困難になってしまう疾患)であると推定されています。不適切な飲酒に対しては減酒が必要なのですが、減酒を成功させるには健康時の自分に変わろうとする勇気と自信を持つことが大切です。そのためには周りの人たちが飲酒し過ぎることを責めるのではなく、本人が酒量を減らす決意をしたことを褒めてあげることが何よりなのです。
【まとめ】
あの美空ひばりさんは「アルコール依存症」のために寿命を縮めてしまったという話もあります。アントニオ猪木さんのモノマネで有名な芸人の春一番さんは、アル中が原因の肝硬変の為、47歳の若さでこの世を去りました。昭和の大スター石原裕次郎さんだってアルコールが原因の肝硬変で亡くなったのです。そして、女優の川島なお美さんの場合は、ワインやシャンパンの飲みすぎと過剰なダイエットが「肝内胆管癌」の原因になったと言われています。
お酒は媚薬ですが過剰摂取は毒となります!
どうしても自分で酒量をコントロールできないときは専門医療機関に相談してください。適切な減酒指導によって飲酒量を減らすことができます。
現在、飲酒量を低減させる治療薬 (ナルメフェン) の治験が行われており、数年後には日本でも処方できるようになるかもしれません。「ストレスの多い生活を送っているあなた!」「近頃ちょっとお酒の量が増えてきたなと感じているあなた!」少しでも酒量を減らす工夫をし、お酒との適切な関係をつくることで健康な自分を取り戻してみませんか。
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