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2015年09月16日
金剛界 降三世会 尊像パーツ描き12(金剛輪)
金剛輪 尊格の配置と順番
さて、降三世会 金剛輪内の尊像パーツ描きに進みますが・・・
金剛輪内の尊格の配置と順番について降三世会を用いて解説をします。
これまでに下絵を描いた供養会も三昧耶会も微細会も降三世三昧耶会も基本構造は同じですので何度も同じことをやってますが降三世会だけやらないというのもなんかかわいそうなので・・・
これまでにも何度も同じようなことを繰り返しているが、金剛界曼荼羅そのものが何度も何度も観想を繰り返すためにあると思えば何度も描き、何度も同じようなブログのまとめ方をすることこそが金剛界曼荼羅の意味。重複し多様化した世界の本質であるようにも思えます。
すこし詳しい内容は三昧耶会 金剛輪の記事で説明してますのでご参照ください。
金剛輪内の尊格は大きく四つのグループ(@〜C)に分かれます。
@ 五仏 (白番号:1〜5)
A 四波羅蜜菩薩 (黄番号:6〜9)
B 十六大菩薩 (水色番号:10〜25)
C 内四供養菩薩 (桃色番号:26〜29)
(カッコ内の色数字は上図の色番号に対応します。)
@ 五仏(白番号:1〜5)
白番号1〜5の五仏(五智如来)は金剛輪内に十字に配された五つの解脱輪の中央に住します。
金剛界曼荼羅世界は中尊 毘盧遮那如来(1)を中心にできていて、四方四仏(2〜5)は東南西北の時計周りに配されます(金剛界曼荼羅は上が西)。
A 四波羅蜜菩薩(黄番号:6〜9)
黄番号6〜9の四波羅蜜菩薩は毘盧遮那如来(1)の四方を囲むように東南西北の順に時計周りに住しています。
B 十六大菩薩(水色番号:10〜25)
水色番号10〜25の十六大菩薩は毘盧遮那如来(1)と四仏(2〜5)との位置関係から配置が決まります。
各四仏を取り囲む十六大菩薩をそれぞれ四親近菩薩と言い、それぞれ次の二つのルールに従って配置が決まります。
1)毘盧遮那如来に近い方が上位
2)毘盧遮那如来に向かって四仏の右側が上位
尊格がこちらを向きに座して描いている西院本金剛界曼荼羅ではわかりにくいのですが、金剛界世界では毘盧遮那如来に向かって説法を聴いていますので、同グループ内では毘盧遮那如来に近い尊格が上位になり、また右側上位文化の影響も働いています。
C 内の四供養菩薩(桃色番号:26〜29)
桃色番号26〜29の内四供養菩薩は八方位の東南西北が抜け「東南→南西→西北→北東」の順に配されることになります。
以上で降三世会の金剛輪内の尊格の配置と順番についての略式解説を終わります。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
2015年09月14日
金剛界 降三世会 尊像パーツ描き11(第二重6)
第二重の尊像パーツ描き 6回目
今回の賢劫十六尊の北側四尊(21〜24)で、降三世会第二重の尊像パーツ描きの最後です。
第二重 尊像パーツ B 賢劫十六尊北(黄色番号21〜24)
21)無尽意菩薩
下絵を描いているだけでも非常に楽しい。墨線で本絵を描くようになったらどんなにか楽しいだろうか。ましてや色つけとなったら。
無尽意菩薩は無量慧菩薩ともいい、尽きることのない仏の智慧で遍く衆生に満足を与える菩薩。
無尽蔵の仏智を象徴し、智慧の無限の働きを示す梵篋(経典)を載せた蓮華を右手で持つ。
22)辯積菩薩
手に蓮華を持つのはわかる。蓮華上になにか三昧耶形が載るだろうこともわかる。しかし、ここでなにが描かれているのかは心眼によって見定めるしかないのが本当のところ。
辯積菩薩は文殊菩薩と同体で辯舌を積み上げ辯説巧みに衆生を導く菩薩。
広大無限の智慧を表す五色雲を載せた蓮華を右手で持つ。
23)金剛蔵菩薩
降三世会の賢劫十六尊の尊像は容姿はほとんど違いが見られず、ここの北方四尊などは相貌も区別がつきにくい。手にする蓮華上の三昧耶形がなければ尊格を特定するのは難しい。
金剛蔵菩薩は金剛薩埵と同体で、金剛智を胎蔵する菩薩。
無尽蔵の智慧をあらわす宝珠を載せた蓮華を右手で持つ。
24)普賢菩薩
手に持つ蓮華がほとんど見えないが、尊像や光輪の色が鮮やかで素晴らしい。
普賢菩薩は普く二徳が行き渡るにことにより衆生を救う賢者の意を表す菩薩。
悪鬼・煩悩を滅する大いなる智慧の働きを表す金剛剣を載せた蓮華を右手に持つ。
これで降三世会 第二重の尊像パーツ描きを終え、金剛輪の中の尊格へ進みます。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
2015年09月13日
金剛界 降三世会 尊像パーツ描き10(第二重5)
第二重の尊像パーツ描き 5回目
降三世会第二重の尊像パーツ描きをしています。
今回は賢劫十六尊のうち西側四尊(17〜20)です。
第二重 尊像パーツ B 賢劫十六尊西(黄色番号17〜20)
17)無量光菩薩
描いた方の写真が光が反射して見にくい・・・
無量光菩薩は無量の智慧の光によってあまねく十方世界を照らす菩薩。
無量の智慧の光を象徴する無量光明が広がる蓮華を右手に持つ。
18)賢護菩薩
全体としてはよく保存されているけど、蓮華上の三昧耶形がよくわからない。
賢護菩薩の衆生救済を固く誓願し、魔性・煩悩から衆生を賢く護る菩薩。
煩悩を滅する智慧に満たされている賢瓶を載せた蓮華を右手に持つ。
19)光網菩薩
これ本当に蓮華上に三昧耶形ってかかれてあるのだろうか・・・小さすぎて描けないような・・・
光網菩薩は網明菩薩ともいい、苦海に溺れる衆生を智慧の光の網で救うことを誓願した菩薩。
衆生済度の方便の網である羅網(宝珠を連ねた光り輝く網)を載せた蓮華を右手に持つ。
20)月光菩薩
ここでは蓮華上に三日月が載っているのがわかる。
月光菩薩は暗夜の月の光のように衆生の迷闇を照らし菩提心の円満を導く菩薩。
清涼なる光にて煩悩炎を滅する境地へと導く月を載せた蓮華を右手に載せ持つ。
以上。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
2015年09月12日
金剛界 降三世会 尊像パーツ描き9(第二重4)
第二重の尊像パーツ描き 4回目
降三世会 第二重の尊像パーツ描きをしています。
今回は賢劫十六尊 南方四尊(13〜16)についてです。
第二重 尊像パーツ B 賢劫十六尊南(黄色番号13〜16)
13)香象菩薩
細部まで比較的よく保存されている。
香象菩薩の香象とは発情期に芳香を放ち異性を誘引する象のことを表す。
仏の慈徳が心を清め拡がることを象徴する香器を載せた蓮華を右手に持つ。
14)大精進菩薩
条帛の色が・・・緑?赤とオレンジのコンビネーションとばかりおもっていたので、この取り合わせがあったのかと今更ながらに気がつきました。
大精進菩薩は勇猛菩薩とも呼ばれ衆生の苦難を砕破する菩薩。
精進努力を怠らず菩提心を貫くことを象徴する独鈷戟を右手に持つ。
15)虚空蔵菩薩
賢劫十六尊 南方四尊のうち他の三尊は正面を向いて座していますが、虚空蔵菩薩だけはやや左下を見て座しているようです。なぜでしょう。
虚空蔵菩薩は二徳(福徳と智慧)に富み、その広がりが虚空(宇宙)に等しいとされる。
二徳を豊満していることをあらゆる富喜を包含している三瓣宝珠で象徴し右手に持つ。
16)智幢菩薩
蓮華に載せている三昧耶形がわからないのが残念ですが尊像の色や形が保存されているだけでも奇跡的なことと思います。
智幢菩薩は智慧の幢幡を意味し、智慧の象徴の如意宝珠を旗頭に載せた幢幡(旗)を如意幢幡と呼ぶ。
仏智と衆生済度を旗印とし衆生を鼓舞し仏の道を突き進むことを象徴する如意幢幡を載せた蓮華を右手に持つ。
以上、賢劫十六尊のうち南方の四尊は仏の慈悲・智慧・福徳を観得し精進に励むことを象徴する菩薩が見られる。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
2015年09月10日
金剛界 降三世会 尊像パーツ描き8(第二重3)
第二重の尊像パーツ描き 3回目
今回からB 賢劫十六尊を東南西北の四回に分けてあげていきます。
今回は東側四尊(9〜12)です。
過去・現在・未来のうち現在に現れる千仏を賢劫千仏といい、その上位十六尊が賢劫十六尊です。
第二重 尊像パーツ B 賢劫十六尊東(黄色番号:9〜12)
9)慈氏菩薩
降三世会の賢劫十六尊は右手に三昧耶形を載せた蓮華を持つ点で微細会と同じ構図隣る。慈氏菩薩の蓮華上の三昧耶形はほとんどわからない。
慈氏菩薩は弥勒菩薩とも呼ばれ、賢劫十六尊の筆頭菩薩。
衆生に智慧の水を注ぐ働きの象徴である軍持(水差し)を載せた蓮華を右手に持つ。
10)不空見菩薩
右手に三昧耶形を載せた蓮華を持ち、左手は金剛拳にして腰におく。
「見逃さない」の意を名にする不空見菩薩は仏眼(五眼)を開き遍く衆生を済度する菩薩。
衆生をよく見、煩悩を砕破する働きの象徴である仏眼独鈷杵(独鈷杵の左右に仏眼)を載せた蓮華を右手に持つ。
11)滅悪趣菩薩
色、形ともよく保存されている。
滅悪趣菩薩は衆生を地獄・餓鬼・畜生道の三悪趣から離れさせることを誓願した菩薩。
法門(仏の教え)を象徴し衆生を救済する働きの象徴である梵篋を載せた蓮華を右手に持つ。
12)除憂闇菩薩
色のパターンが少々不明。配色パターンを厳密化して修正するべきか、オリジナルの配色を踏襲するべきだろうか。
除憂闇菩薩は衆生の一切の憂悩・迷妄・暗愚を砕破することを誓願した菩薩。
衆生の憂悩や煩悩を払う働きの象徴である無憂樹五葉を載せた蓮華を右手に持つ。
東方の賢劫四尊は仏の智慧と煩悩砕破の働きにより遍く衆生救済の誓願をする菩薩が見られる。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
2015年09月09日
金剛界 降三世会 尊像パーツ描き7(第二重2)
第二重の尊像パーツ描き 2回目
降三世会 第二重の尊像描き中。
今回はA 四摂菩薩(番号:5〜8)です。
第二重 尊像パーツ A 四摂菩薩(番号:5〜8)
5)金剛鉤菩薩
色はかろうじてわかるが、かたちや墨線はわかりにくく見える。また、右手で持つはずの三昧耶形を載せた蓮華がほぼ不明。
金剛鉤菩薩は毘盧遮那如来より出生した第二重東門を守護する門衛。
衆生済度、諸尊集合の象徴である金剛三鈷鉤載せた蓮華を右手に持つ。
6)金剛索菩薩
色、かたちが比較的保存されており、作成当初と同じ印象かどうかは不明だが、表情も見定めることができる。一方で、上の金剛鉤菩薩と同じく右手に持つはずの三昧耶形を載せた蓮華についてはその造形がほとんどわからない。
金剛索菩薩は毘盧遮那如来より出生した第二重南門を守護する門衛。
衆生を菩提にとらえ引き入れる働きの象徴である金剛龍索を載せた蓮華を右手に持つ。
7)金剛鎖菩薩
尊像の色、かたち、持物にいたるまでよく保存されていてわかりやすい。ここまでは四摂菩薩は供養会と同様に三昧耶形を載せた蓮華を手に持つものと思ったがそういうわけでもないらしい。
金剛鎖菩薩は毘盧遮那如来より出生した第二重西門を守護する門衛。
衆生を菩提に繋ぎとめる働きの象徴である金剛鎖を右手に持つ。
8)金剛鈴菩薩
青い色が鮮やかな金剛鈴菩薩。金剛鈴の金の色も残り、青と金の独特の雰囲気を醸し出している。早く色つけしたくなってきました。
金剛鈴菩薩は毘盧遮那如来より出生した第二重北門を守護する門衛。
衆生を歓喜せしめ菩提に留めおく働きの象徴である金剛鈴を両手で持つ。
以上、降三世会 四摂菩薩でした。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
2015年09月08日
金剛界 降三世会 尊像パーツ描き6(第二重1)
第二重の尊像パーツ描き1回目
次は第二重の尊像パーツ描きです。
第二重の尊格の配置については三昧耶会のところで詳しく説明しました(2015/05/07の記事参照)。
ここでは降三世会の配置と番号をあげます。
第二重の二十四尊は大きく三つに分類されます。
@ 外四供養菩薩(白番号:1〜4)
A 四摂菩薩 (水色番号:5〜8)
B 賢劫十六尊 (黄色番号:9〜24)
(カッコ内の色と数字は次の図の色番号に対応)
今回は@ 外四供養菩薩(1〜4)を描きます。
第二重 降三世会 尊像パーツ @ 外四供養菩薩(1〜4)
1)金剛焼香菩薩
ほとんど何がなんだかわからない。外周の諸天の尊像が比較的保存性が良かったことからすると意外。
金剛焼香菩薩は阿閦如来が毘盧遮那如来を供養するために出生した焼香を尊格化した女尊。
宝香炉を両手で捧げ持つ。
2)金剛華菩薩
こちらも絵の損傷がだいぶ進んでいるように見受けられる。
金剛華菩薩は宝生如来が毘盧遮那如来を供養するために出生した盛華を尊格化した女尊。
盛華を両手で捧げ持つ。
3)金剛橙菩薩
持物の橙燭が少々わかりにくい以外は色、かたちともよく保存されている。
金剛橙菩薩は阿弥陀如来が毘盧遮那如来を供養するために出生した橙燭を尊格化した女尊。
橙燭を両手で捧げ持つ。
4)金剛塗香菩薩
色はわかるが線が少々わかりにくい。特に相貌が不明瞭なのは残念。
金剛塗香菩薩不空成就如来が毘盧遮那如来を供養するために出生した塗香器を尊格化した女尊。
塗香器を両手で捧げ持つ。
以上、降三世会の外四供養菩薩尊像パーツは尊像のかたちだけであれば、微細会とおおきな違いはない(微細会では金剛座に座しているところが異なる。)。
焼香、盛華、橙燭、塗香器と供養に用いる仏具を尊格化した女尊。物に神聖なものを感じ神格化、尊格化することは物神に近いものを感じます。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
2015年09月07日
金剛界 降三世会 尊像パーツ描き5(外周5)
降三世会外周 四隅(四天女)
金剛界九会のうち降三世会のみ外周の四隅に尊像が描かれています。
この四隅の四尊像ですが、『密教大辞典』では降三世会の項目に「四隅の四天女を古来尊名明かならずとし、或は四大明王とするものあれども、是は東南より順に倍羅縛、吉祥天、弁才天、僑履なり。(十巻教王経、曼荼羅鈔、曼荼羅の研究等)」とあります。
西院本曼荼羅の図像も女尊像に見えます。
一方で、御室版曼荼羅ではそれぞれ、21 大威徳明王妃(東南)、22 軍荼利明王妃(南西)、23 降三世明王妃(西北)、24 不動明王妃(北東)と考えられるようで、西院本曼荼羅もこれに準ずるかと思われます。
そこでここでは外周四隅の四天女を四明王妃としておくこととします。
降三世会 四明王妃
四明王妃の位置がわかるように図に番号をつけます。
21)大威徳明王妃
表情などの部分が大きく剥落しているが装束の色などがわかるのがありがたい。
大威徳明王の妃(倍羅縛とも)。
羯磨衣をの天女形。
左手は拳を握り腰に置く。右手に三鈷戟を持つ。
22)軍荼利明王妃
顔の半分がわからず、持物の形もわかりにくいが、全体の配色が保存されているのはありがたい。
軍荼利明王の妃(吉祥天とも)。
羯磨衣を身につけた天女形。
左手は拳を握り腰に置く。右手に刀を持つ。
23)降三世明王妃
細部までよく保存されている。
降三世明王の妃(弁才天とも)。
羯磨衣を身につけた天女形。
左手は拳を握り腰に置く。右手に蓮華を持つ。
24)不動明王妃
箜篌のもち方や表情がわかる。
不動明王の妃(僑履とも)。
羯磨衣を身につけた天女形。
両手で箜篌をもち奏でている。
以上、外周四隅の四明王妃でした。
次回からは降三世第二重の尊像パーツ描きをします。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
2015年09月06日
金剛界 降三世会 尊像パーツ描き4(外周4)
降三世会外周 尊像パーツ描き4
降三世会の外周の尊像パーツ描きは次回四隅の四明王妃を描いて終わりになります。
降三世会 北方五天
降三世会の中での尊像の位置がわかるように図に番号をつけておきます。
北門を守護する毘那夜迦の眷属である18を除く北方五天(16, 17, 19, 20)は地下天に属し、大地と地下世界の神々が住しています。
16)金剛面天(こんごうめんてん)
持物が不明瞭だが顔や色彩の素晴らしさが分かる。
金剛面天は別名を金剛猪頭天と呼ばれる猪頭人身でヴィシュヌ神の化身。神話では水中に没した大地を引き上げる鋤を持つが、仏教に取り入れられ衆生救済の象徴たる金剛鉤を持物とする。
右手に金剛鉤を持つ。
17)炎摩天(えんまてん)
手にする人頭杖が判別しにくいがそれ以外は良好。
炎摩天は一切衆生の善悪の業を裁断し、煩悩を滅する死と時間の神。
右手に持つ人頭杖は死後の衆生を裁く正義の法の象徴。
18)調伏天(ちょうぶくてん)
鮮やかなオレンジの色彩と手にする剣がはっきりのこる。
調伏天は別名を拘刀毘那夜迦ともいい象頭人身の毘那夜迦の眷属で北門の守護天。
右手に持つ三鈷剣にて魔と闘い仏法を守護する。
19)毘那夜迦(びなやか)
左手の歓喜丸は白く保存されているが、右手に持つはずの蘿蔔根は不明瞭でわかりにくい。
毘那夜迦は象頭人身で大自在天と烏摩妃の子。障害を支配する智慧の神。
右手に蘿蔔根、左手に歓喜丸を持つ。
20)水天(すいてん)
主に頭部の線や色彩がわかりにくく大変に残念。
水天は水を支配する神。衆生の渇いた心を潤し菩提心を生み出す力を引き出す。
右手に持つ龍索は龍を模し一端に独鈷杵の先をつけた縄のこと。
以上、北方五天でした。
次回は四隅の四明王妃(21-24)を描きます。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
2015年09月05日
金剛界 降三世会尊像パーツ描き3(外周3)
外周 尊像パーツ描き3
降三世会の尊像パーツ描き、外周の3回目。
今回は降三世会 西方の五天を描きます。
降三世会 西方五天
外周西方には八護方天のうち西南(11)、西北(12)、東南(14)、北(15)の地居天に属する四天が位置する。ただし中央の13は西門を守護する毘那夜迦の眷属。
11)羅刹天(らせつてん)
少々図像が荒れているように見える物の色や尊様はわかる。
煩悩を破壊し仏法を守護する西南の護法天。
右手に煩悩を破壊する火焔棍棒を持つ。
12)風天(ふうてん)
少し色が暗めに出ている。
風天は風を司り、雨雲をさそい黒雲を吹き払う大いなる力をもつ西北の護法天。
右手に煩悩を吹き払い宝珠(菩提心)を顕わにする宝珠風幢を持つ。
13)金剛衣天(こんごうえてん)
弓箭がいまいちはっきりしないが、象頭人身の特異な容姿はよく分かる。
金剛衣天は弓箭毘那夜迦ともいう象頭人身の毘那夜迦の眷属。
弓箭を手に障害と戦い、また、愛欲の本性清浄をあらわす。西門の守護天。
14)火天(かてん)
微細会では左手に棍棒を持っていたが、降三世会では利剣を振りかざす。
火天は煩悩を焼き尽くしほとけの智慧を与える東南の護法天。
右手に火炎、左手に利剣を持つ。
15)毘沙門天(びしゃもんてん)
図像が擦れているように見えて少々わかりにくいが、表情や服装がわかりやすい。
毘沙門天はヴァイシュラヴァナの音訳で、多く聞く者の意から多聞天とも呼ばれる。
仏敵を打ち据える護法の宝棒を持物とする。北方の護法天。
右手に宝棒、左手に塔を持つ。
以上、西方五天でした。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ