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2015年09月04日

金剛界 降三世会 尊像パーツ描き2(外周2)

外周 尊像パーツ描き2

降三世会の尊像パーツ描き、外周の二回目。

今回は降三世会外周南方の五天(06〜10)のパーツ描きです。
降三世会 南方五天

EPSON008-Edit-2-Edit-Edit-4.jpg
(降三世会外周南方五天 06〜10)
順番は東南西北時計回りで上が西

南方の五天(06〜10)のうち08は南門を守護する毘那夜迦の眷属で、他の四天は飛行天に属し天空に輝く日月星宿を代表する神々。

下図左は参考とした『西院本曼荼羅』の図で右が今回描いた尊像パーツ。

06)日天(にってん)

2_DSC5388-Edit-Edit-2-Edit-Edit-3.jpg
このラインに折り目(もしくは縫い目)があり、絵の具の剥離が上から下へと一直線に続いている。尊像の半分近くがほとんどわからない。

日天は創造・自由の神で太陽神をあらわす。日天は生命の根源であり、天かける自由の象徴。
右手に真っ赤な太陽を載せる。

07)月天(がってん)

2_DSC5388-Edit-Edit-Edit-2-Edit-3.jpg
図像がよく分からないレベルにまで摩耗している。

月天は星宿の王にて太陰の神。暗夜を照らす清涼なる光明は心を静寂の境地へと導く。
右手に清涼なる三日月を載せる。

08)金剛食天(こんごうじきてん)

2_DSC5388-Edit-Edit-3-Edit-3.jpg
絵の具の大きな剥離からは少しずれているが、尊像に少なから損傷が見られ図像があまり明瞭ではない。

金剛食天は梵名のヴァジュラ・マーラの意訳。右手に華鬘を持つ象頭人身の毘那夜迦の眷属。金剛鬘天や華鬘毘那夜迦、厳髻大将とも呼ばれる。
南門の守衛天。

09)彗星天(すいせいてん)

2_DSC5388-Edit-Edit-Edit-Edit-4.jpg
ここも尊像の半分近くがわからないが、棍棒の色や形が残っているのは非常に重要。

彗星は七曜と異なる軌道を描くことから天体の運行を乱し天変地異を引き起こす力を持つと考えられた。この力から運命を変えることのできる大いなる力を持つ神とみなされた。
右手にする棍棒は大いなる力と彗星の象徴。

10)熒惑天(けいこくてん)

2_DSC5388-Edit-Edit-2-Edit-4.jpg
尊像の重要んあ部分は絵の具の剥離によりほとんどわからないが、他の会でも同様の尊像が描かれているのでそこから類推して描ける。

火星は光度変化や天体に逆行する動きなどから惑わす熒星とされ、災いの前兆と考えられた。運命を司る力を持つ神とみなされた。
右手に火星の赤い輝きの象徴である火聚を載せる。

以上、南方五天でした。

外周二十天は似たような尊像を何度か描いているので少し緊張感が薄れてきた気がします。

ここに載せている以外にも何度か書き直したり、最終的に下絵に写し取ったりしているので多い物ではもう7−8回似たような尊像を描いていることになります。

雑にならないように最後まで気を引き締めて描きます。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年09月03日

本紹介 No. 041『インドの文学』

『インドの文学』

前回読んだ『インド教』は内容がよくまとめられていて得るところが多かったので、ルイ・ルヌー著の次の本も読んでみました。

ルイ・ルヌー 著 
   我妻和男・渡辺重朗 訳 『インドの文学』(白水社 1996)


EPSON040-2.jpg
『インドの文学』

仏教経典のインド文学史における位置と各経典の成立においてのインド文学の役割や文学史的関係性を知りたいと思い読み始めましたが、それに関する直接的な回答は得られません。

一方で、碩学ルヌーによるインド文献史を俯瞰してみることで見えてくることがある様に思います。
構成

新書版、205ページ、縦書き、写真なし
  
 目次
  南アジアの言語地図
  第一部 サンスクリット語の文学
   第一章 ヴェーダと二大叙事詩
   第二章 美文学
   第三章 学術文献
   第四章 仏教文献とジャイナ教文献
  第二部 中期インド語の文学
  第三部 ドラヴィダ語の文学
  第四部 近代インド・アリアン語の文学

  補遺 西洋とインドの文学
  インド文学史年表
  訳者あとがき
  参考文献
  索引

内容

文献史では多くの著作とその作者が時代や地域や形式によりグループ分けされる。

一方で、本書においてはその紙面の都合により内容についてはあまり多くは書かれていない。

というわけで、内容といっても多岐にわたる分類系とその中で主要な著作や作者についてまとめるのが本筋と思うが、どれが本当に重要かについての判断ができないのでほぼ全てをリスト形式であげる他にない。

というわけで、メモしたリストを載せる。

第一部 サンスクリット語の文学

第一章 ヴェーダと二大叙事詩

ヴェーダ
1. リグ・ヴェーダ 讃歌集成
2. ヤジュル・ヴェーダ 供施集成
3. サーマ・ヴェーダ 歌詠集成
4. アタルヴァ・ヴェーダ 呪法集成

ブラーフマナとウパニシャッド
ブラーフマナ(梵書:マントラの注解)
ヴェーダ文献の第二段階
アーラヌヤカ(森林書:祭式の価値に与する象徴体系のあらまし)を包含する

ウパニシャッド(奥義書:大宇宙と小宇宙の間の等価に関する概論)
ヴェーダ文献の第三段階

ヴェーダーンガ(ヴェーダの支分、補助文献)
六ヴェーダーンガ
 1. カルパ・スートラ(祭式規則の綱要書)
  1. シュラウタ・スートラ (祭式綱要書)
  2. グリヒア・スートラ (家庭儀典綱要書)
  3. ダルマ・スートラ (法制綱要書)
  4. シュルヴァ・スートラ (測量綱要書)
 2. シクシャー (音声学書)
 3. ヴィアーカラナ (文法学書)
 4. ジオーティシャ (天文学書)
 5. チャンダス (韻律学書)
 6. ニルクタ (語源学書)

大叙事詩・マハーバーラタ
シュルティ (天啓書): サンヒター、ブラーフマナ、アーラヌヤカ、ウパニシャッド
スムリティ (聖伝書): ヴェーダーンガ

『マヌ・スムリティ』『ヤージュニャヴァルキヤ・スムリティ』『マハーバーラタ』(『ナローパーイヤーナ』『サーヴィトリーウパークヤーナ』『バガヴァッド・ギーター』『ハリ・ヴァンシア』『ラーマーヤナ』

大叙事詩・ラーマーヤナ
ヴァールミーキ

プラーナとタントラ
プラーナ(古譚): (擬似)歴史、百科全書、歴史教義、音楽、詩論、医学、文法学
『ヴィシュヌ・プラーナ』『バーガヴァタ・プラーナ』

タントラの三区分
 1. タントラ (書物)
 2. サンヒター (本集)
 3. アーマガ (仏説)
仏教、特にタントラ教のテコ入れ又は影響で作成されはじめた可能性がある

第二章 美文学
カーリダーサ
総論・古典サンスクリット語
(バラモン教の作品をおそらく手本として→)仏教文学→カーヴィア (美文体作品)
ヴェーダ語→古典サンスクリット語→サンスクリット語

カーリダーサの美文体抒情詩と美文体叙事詩
カーリダーサ『リトゥ・サンハーラ』『メーガ・ドゥータ』『ラグ・ヴァンシャ』『クマーラ・サンバヴァ』
バーラヴィ『キラータ・アルジャニーナ』
マーガ『シシュパーラ・ヴァダ』
バッティ『ラーヴァナ・ヴァダ』(『バッティ・カーヴィア』)
シュリー・ハルシャ『ナイシャダ・チャリタ』
マンカ『シュリーカンタ・チャリタ』
カルハナ『ラージャ・タランギニー』

現代美文学
ナラヤナ・シャストリ (タンジョール)
C・ラマシャストリ (マドラス)
C・ヴェーンカタラマナッヤ (マイソール)
クシャマバイ・ラオ (ボンベイ)

カーリダーサ以後の美文体抒情詩
シャンカラ、シャンカラ、アシュヴァゴーシャ
ジャヤデーヴァ『ギータ・ゴーヴィンダ』
アマル『アマル・シャタカ』
ビルハナ『チャウリー・スラタ・パンチャーシカー』
バルトリハリ『シャタカ・トラヤム』
クシェーメーンドラ『サマヤ・マートリカー』『カラー・ヴィラーサ』
ダーモーダラ・グプタ『クッタニー・マタ』

物語・パンチャタントラ系
『パンチャタントラ』『ヒトーパディーシャ』

物語・ブリハット・カター系
『ブリハット・カター』『カター・サリット・サーガラ』

物語・その他の説話集
『ヴェーダーラ・パンチャヴィンシャティカー』『シンハーサナ・ドゥヴァートリンシカー』『シュカ・サプタティ』

小説・美文体散文
ダンディン 『ダシャ・クマーラ・チャリタ』
スバンドゥ『ヴァーサヴァダッダー』
ソーマディーヴァ・スーリ『ヤシャス・ティカラ』
バーナ『ハルシャ・チャリタ』『カーダンバリー』

カーリダーサ以前の戯曲
アシュヴァ・ゴーシャ『シャーリプトラ・プラカラナ』
トリヴァンドラム劇

カーリダーサの戯曲
カーリダーサ『マーラヴィカー・アグニミトラ』『ヴィクラマ・ウルヴァシーヤ』『シャクンタラー』

カーリダーサ以後の戯曲
シュードラ王『ムリッチャカティカー』
ヴィシャーカダッタ(デーヴァ)『ムドラー・ラークシャサ』
ハルシャ王『プリヤダルシカー』『ラトナーヴァリー』『ナーガーナンダ』
バヴァブーティ『マハーヴィーラ・チャリタ』『ウッタラ・ラーマ・チャリタ』『マーラティー・マーダヴァ』
『ハヌマン・ナータカ』

第三章 学術文献
哲学
六ダルシャナ
 1 ミーマーンサー学派
  ジャイミニ、シャバラスヴァーミン、プラバーカラ、クマーリラ

 2 ヴェーダーンタ学派
  バーダラーヤナ、シャンカラ、マーダヴァ、マドゥスーダナ、ラーマーヌジャ、ヤームナーチャールヤ、ヴェーダーンタデーシィカ、マドヴァ、ニンバールカ、ヴァッラバ、アビナヴァグプタ、シャイヴァ・シッダーンタ、チャイタニヤ、ゴー・スヴァーミン

 3 サーンキヤ学派
  カピラ、イーシュヴァラクリシュナ、ヴィジュニャーナ・ビクシュ

 4 ヨーガ学派
  パタンジャリ、ヴェーダ・ヴィサーヤ

 5 ニヤーヤ学派
  ゴータマ、ヴァーツヤーヤナ、ウッディヨータカラ、ヴァーチャスパティミシュラ、ウダヤナ、ガンゲーシャ

 6 ヴァイシェーシカ学派
  カナーダ、プラシャスタパーダ

全体
ヴァーチャスパティミシュラ
アッパヤ・ディークシタ

学術と学問
文法学と辞書学
ヤースカ 『ニルクタ』
バルトリハリ『ヴァーキア・パディーヤ』
パーニニ『アシュターディヤーイー』
パタンジャリ『マハー・バーシア』
カーティヤーヤナ『ヴァールティカ』
『カーシカー・ヴリッティ』
ヴァラルチ『プラークリタ・プラカーシャ』
アマラシンハ『アマラ・コーシャ』
ピンガラ『チャンダス・スートラ』

詩論
ダンディン『カーヴィアーダルシャ』
バーマハ『カーヴィアーランカーラ』
アビナヴァグプタ

演劇論
バラタ『ナーティア・シャーストラ』

音楽論
シャールンガディーヴァ『サンギータ・ラトナーカラ』

法律学
『マヌ・スムリティ』
『ヤージュニャヴァルキヤ・スムリティ』
ヴィジュニャーネーシュヴァラ『ミタークシャラー』
へーマードリ『チャトゥルヴァルガ・チンターマニ』

経済学と政治学
カウティリア『アルタ・シャーストラ』
シルパ・シャーストラ
『マーナ・サーラ』

性愛学
ヴァーツヤーヤナ『カーマ・シャーストラ』
パドマシュリー『ナーガラ・サルヴァスヴァ』

科学文献
チャラカ『チャラカ・サンヒター』
スシュタル『スシュタル・サンヒター』
ヴァーグバタ『アシュターンガ・サングラハ』
ナーガールジュナ
『スーリア・シッダーンタ』
アーリアバタ、ブラフマグプタ、バースカラ
シュリーダラ『ガニタ・サーラ』
バースカラ『リーラーヴァティー』
ヴァラーハミヒラ『ブリハット・サンヒター』
『カウシカ・スートラ』

第四章 仏教文献とジャイナ教文献
仏教
アヴァダーナ
『アヴァダーナ・シャタカ』
『ディヴィヤーヴァダーナ』
アーリアシューラ『ジャータカ・マーラー』
『サッダルマ・プンダリーカ』(『法華経』)
『マハー・ヴァストゥ』
『ラリタ・ヴィスタラ』
シャーンティデーヴァ『ボーディチャルヤーヴァターラ』『シクシャー・サムッチャオ』
アサンガ『マハーヤーナ・スートラーランカーラ』
『ランカーヴァターラ・スートラ』

般若経典
ナーガールジュナ『マディアマカ・カーリカー』
ヴァスバンドゥ『アビダルマ・コーシャ』
『スヴァルナ・プラバーサ』
『ガンダ・ヴユーハ』

ディグナーガ
ダルマキールティ『ニヤーヤ・ビンドゥ』
ダルモーッタラ
『マンジュシュリー・ムーラカルパ』
アシュヴァ・ゴーシャ『ブッダ・チャリタ』『サウンダラ・ナンダ』『スートラーランカーラ』
クマーララータ『カルパナーマンディティカー』(『ドリシュターンタ・パンクティ』)
チャンドラゴーミン『チャンドラ・ヴィアーカラナ』

ジャイナ教
ハリハドラ、シッダルシ、アミタガティ、ヘーマチャンドラ
ウマースヴァーティ『タッとヴァールターティガマ・スートラ』
ソーマデーヴァ・スーリ『ヤシャス・ティカラ』

パーリ語
『ディーパ・ヴァンサ』
『マハー・ヴァンサ』
『ダンマ・パダ』
『スッタ・ニパータ』
『テーラ・ガーター』
『テーリー・ガーター』
『マハー・パリニッバーナ・スッダ』
『ジャータカ』

プラークリット諸語
ラージャシェーカラ『カルプーラ・マンジャリー』
『セートゥ・バンダ』
ヴァークパティ・ラージャ『ガウダ・ヴァハ』
ハーラ・サータヴァーハナ王(?)『サッタサイー』
ジャイナ教『ウッタラッジャヤナ・スッタ』
ヴィマラ・スーリ『パウマ・チャリア』
クンダクンダ『パヴァヤナ・サーラ』
サンガダーサ『ヴァスデーヴァ・ヒンディ』
プシュパダンタ『ティサッティ・マハープリサ・グナーランカーラ』(『マハー・プラーナ』)
アブダラ・ラハマーナ『サンデーシャ・ラーサカ』
サラハ、カーンハ『ドーハー・コーシャ』

第三部 ドラヴィダ語の文学
タミル語

『エトゥットガイ』
『パットゥッパーットゥ』
ジャヤンゴンダル『カリンガットゥッパラニ』
『浪漫的叙事詩』(『シラッパディガーラム』、サーッタナール『マニメーガライ』、ティルッタッカデーヴァル『ジーヴァカ・チンターマニ』)
トルカーッピヤール『トルカーッピヤム』
パバナンディ『ナンヌール文法』
アッパル、サンバンダル、スンダラル⇨
ナンビ・アーンダール・ナンビ編纂『テーヴァーラム』(『ティムルライ』)
マーニッカヴァーサガル『ティルヴァーサガム』『ティルッコーヴァイヤール』
アールワール『ナーラーイラム』
ナンマールワール『ティルヴァーイモリ』
ティルマンガイ
ペリヤールワール『ティルモリ』
『シャイヴァシッダーンタ』
メーイカンダル『シヴァニャーナボーダム』
ウマーバディー『コーイルプラーナム』
シッタル『シヴァヴァッキヤム』
カンバン翻訳『マハーバーラタ』『ラーマーヤナ』『バーガヴァタ・プラーナ』
『スタラプラーナ』
シェーキラール『ペリヤプラーナム』
コンスタンティノ・ジュセッペ・ベスキ『ティームバーヴァニ』
スッピラマニヤ・バーラティ『スワデーサ・ギータム』
サンバンダ・ムダリヤール、カルキ、バーラティ・ダーサン、ヴェダナヤガム・ピッライ、エス・ラジャ・ラトゥナム、アールムガ・ナーヴァラル、サーミナーデイヤル、チャッキラヴァルティ・ラジャゴバラチャリ
スンダラム・ピッライ『マノーンマニーヤム』

マラヤーラム語
マハーラージャ『ラームチャリタム』
チェルッセーリ・ナムブーリ『クリシュナの歌』
カターカリ=劇風物語
ヴァッラトル
ケー・エム・パニッカル
ジー・シャンカル・クルプ
クンドゥール・ナラヤナ・ミーナン
ナンプディリッパド・ヴェンマニ

カンナダ語
パンパ『ヴィクラマールジュナ・ヴィジャヤ』『アーディ・プラーナ』
ビーマカビ『バサヴァ・プラーナ』
ヴィルパークシャ・パンディタ『チャンナバサヴァ・プラーナ』
『ラトナーヴァリー』の翻訳
ラクシュミーシャ『ジャイミニバーラタ』
ケー・ヴィ・プッタッパ、ヴイ・シタラミアハ、マドゥラ・チェンナ、ゴカク、ティー・ピー・カイラサム、アール・ヴイ・ジャギルダル、アンビカータナヤ・ダッタ、ベンドレ、マースティ・ヴェンカテーラ・イイェンガル

テルグ語
ナンナヤ・バッタ『マハーバーラタ』抄訳、『アーンドラシャヴダ・チンターマニ』
ティッカナ『マハーバーラタ』
エッラープラガダ『マハーバーラタ』
バンメラ・ポータナ『バーガヴァタ・プラーナ』翻案
ヴェーマナ
ピンガリ・スーラナ『カラープールナーダヤム』
ヴィレーシャリンガム、チラカマルティ・ラクシュミーナラシヌハム、ギドゥグ・ラーマムールティ・パントゥル、グラジャーダ・アッパー・ラーヴ、パーラグンミ・パドマラージュ、ドゥッヴーリ・ラーミ・レッディ、ジ・ラーマーラーヴ・バハドゥール

第四部 近代インド・アリアン語の文学
ヒマーラヤ諸語

ラッラー『ラッラーヴァークヤーニ』
クリシュナ・ラージャーナカラーズダーン『ラーマーヤナ』翻案、『シヴァの結婚』
マフムード・ガーミー、グーラン・アフメド・マフジュール、アクタル・モーヒー・ウッディン、バヌ・バクタ

ヒンディー語
チャンド・バルダーイー『プリトゥヴィーラージ・ラーソー』
アミール・フスロー、ゴーラクナート、ラーマーナンダ、カビール、バゴージー『ビージャク』(『グラント』)、ナーンク、アルジュナ、ゴーヴィンド『グラント』
トゥルシーダース『ラーム・チャリット・マーナス』『ギーターワリー』
スールダース『スールサーガル』
ナームデーヴ、トリローチャン、ミラー・バーイー
マリク・ムハンマド・ジャーヤシー『パドマーワット』
ナーバーダース『バクトマール』
ケーシャブダース『ラシク・プリヤー」『カヴィ・プリヤー』
ビハーリーラール『七百吟』
ラッルージー・ラール『プレーム・サーガル』
ダヤーナンダ・サラスワティ、プレームチャンド、ハリシュチャンドラ
プリトゥヴィーラージ・カプール(俳優)『ディーワール』『パターン』
ハザリプラサードドゥヴィヴェーディー『バーナバッタ・キー・アートマーカター』
ラームチャンドラ・シュクラ、スリーダル・パータク、アヨードゥヤーシン・ハリアウド・ウパードゥヤーヤ、マイティリーシャラン・グプタ、ジェエシャンカル・プラサード、スールヤカント・トリーパーティー、スミットラーナンダン・パント、マハーデーヴィー・ヴァルマー、ヴィシュヴァンバルナート・シャルマー・カウシク、ジャイネーンドラ・クマール『ティヤーグパットラ』、ウペンドラナート・アシュク、ビーシュマ・サーフニー、クリシュナ・バルデーヴ・ヴァイド、ヤシュパール

ウルドゥー語
ワリー、サウダー、ミール・タキー・ミール、アーディル・アッラーヒー、クトゥブシャーヒー、ザファル
ガーリブ、アマーナト『インダルサバー』
ハーリー、アーサード、サルル、イクバール
サイイッド・アフマッド・ハーン
フワージャー・アフマッド・アッバース『ズベイダ』『インキラブ』
マウラーナー・アブル・カラーム・アーザード、アフマッド・ナディム、アフマッド・アリー、クッラトゥル・アイン・ハイダル

インド西部の諸言語
シンディー語

サイイッド・アフマッド・ラティーフ『シャーの本』
キシンチャンド・ベーワス、ダヤラム・ギドゥマル、ラールチャンド・アマルディノーマル、ミルザー・クヮリーチェ・ベーグ、マンガラム・マルカニ、アマルラル・ギンゴーラニ

パンジャービー語
ランジト・シング、バーいー・ヴィール・シング、ラーナー・スーライト・シング、プーラン・シング、ダニー・ラーム、ナーナク・シング、サント・シング・セーコーン、バルヴァント・ガルギ

グジュラーティー語
ナラシンハ・メーヘター、ミラー・バーイー、アーコー、プレーマーナンド、ダヤーラーム、ナルマダーシャンカル、ダルパトラーム、ナンドシャンカル・トゥルジャシャンカル『カラン・ゲーロー』、サラスワティチャンドラ『ゴーヴェルダンラーム』、ケー・エム・ムンシー、ジャハンギール・ベーハラムジ・マルツバン、グラブダス・エイチ・ブローカー、ププル・ジャジャカル、チュニラル・ケー・マディア、シー・シー・メーヘター『ナルマド』『アグ・ガリ』、モーハンダース・カラムチャンド・ガーンディー

マラーティー語
ムクンダラージャ、ジュニャーネーシュワル『ジュニャーネーシュワリー』、ナームデーヴ、エークナート、トゥカーラーム、シュリーダル、マヒーパティ、モーローパント
ティラク『ギーターラハスヤ』、エイチ・エヌ・アプテ、ラーム・ガネーシュ・ガドカリ、ヴァレールカル、ヴィシュヌシャーストリー・チプルンカル、ディー・エム・ピタレー、エス・ヴイ・ケートカル、ヴイ・エム・ジョーシー、ナーラーヤン・エス・ファドケー『オウラガン』、アルヴィンド・ゴーカレー

インド東部の諸語・オリアー語
ディーノクリシュノダーソ『ロソコッロロ』、ウペンドロ・ボンジョ『チットロレカー』、オビマニュ・サーモント・シンハーロ『プレーモコラー』、プロジョナート・ボロジェナー『サモロ・トロンゴ』、ラーダーナート・ラーイ『ドゥルボロ』『モハーヤートロ』、モドゥスドノ・ラーオ、フォキルモホノ・セナーポティ、ゴポボンドゥ・ダーソ

オホミヤー語 (アッサミー語)
ホンコロデブ、マードウ・デオ、ラーモホロハワティ、ロッキミーナート・ベズ・ボルワー、ホンドロクマール・アーガルワーラー、ヘムホンドロ・ゴーホワーミー

ベンガーリー語
『チョルジャポド』『シュンノ・プラナ』『ドルモモンゴル』
チョンディダシュ『スリクリシュノキルトン』
ヴィドゥヤパティ・タークル、ウマーパティ・ダル、
クリッティバシュ・オジャ訳『ラーマーヤナ』、カラシム・ダシュ訳『マハーバーラタ』
クリシュノ・チョイトンノ・デブ『チョイトンノの生活』、プリンダボン・ダシュ『チョイトンノ・バーガヴァダ』、クリシュノ・ダシュ・コビラジ『チョイトンノチョリタムリト』
ゴビンドチョンドロ・ダシュ、ギャノ・ダシュ、ムクンドラム・チョックロボルティ『コビコンコンチョンディ』
バロトチョンドロ『モンゴル』(『ビッダ・シュンドル』)『ロショモンジョリ』『チョンディナトク』ラムプロシャド・シェン、ラムホモン・ライ、ラムナラヨン・トルコロトノ『クリン・クロショルボッショ』、ディノボンドゥ・ミットロ『ニル・ドルポン』
マイケル・モドゥシュドン・ドット『メグナドボド』、ポンキムチョンドロ・チョットパッダエ『アノンドモト』『ポンド・マトロ』
ノビンチョンドロ・シェン『バヌモティ』、ディジェンドロラル・ライ、ギリシュチョンドロ・ゴシュ
タゴール(ロビンドロナト・タクル)『黄金の舟』『美』『収穫』『庭師』『ギダンジョリ』『果実籠』「新月』『うつろいやすきもの』『プロクリティル・プロティショド』『ションナシ』『ムクトダラ』『ラジャ』『ダクゴル』『シャドナ』『難破』『ゴラ』『家と世界』
ショロトチョンドロ・チャテルジー(チョットパッダエ)『シュリカント』
ビブティブション・ボンドパッダエ『アロンノック』『ポテル・パンチャリ』
ノリニカント・ボッタショリ、プロバトクマル・ムコパッダエ(ムカルジ)、ロビンドロナト・モイットロ、シュボド・ゴシュ、ショロディンドゥ・ボンドパッダエ、タラションコル・ボンドパッダエ、モホン・シェングプト、ヘメンドロクマル・ライ、モニラル・ゴンゴパッダエ、ヘモンニンドロラル・ボシュ、ポロシュラム、ビブティブション・ボンドパッダエ、プロモト・チョウドゥリブットデブ・ボシュ、フマヨン・コビル、カジ・ノズルル・イスラム
ビジョン・ボッタチャルジョ&デョンブ・ミットロ『ノバンノ』
ラムクリシュノ

シンハリー語
グルルゴーミ『アマーヴァトゥラ』
トータガムヴァ(シュリー・ラーフラ・テーラ)『マイナ島のメッセージ』『カーヴィアシェーカラ』
アラギヤヴァンナ・ムカヴェーティ『クサジャータカ』
ムニダーサ・クマラナトゥンガ、テンナクーン、マルティン・ヴィックレマシンゲ、ダブリュー・エー・シルヴァ、ピヤダーサ・シリセーナ

インド人による英語著作
エス・ケー・デ、エス・ラダークリシュナン、ジャワハラール・ネール、ヴィヴェーカーナンダ、オーロビンド・ゴーシュ、タゴール、ヘンリー・デロジオ、トル・ドット、オル・ドット、モノモホン・ゴーシュ、アーナンダ・クマーラスワーミー、サロニジー・ナイドゥ、ロメシュ・チョンドロ・ドット、モドゥシュドン・ドット、ドン・ゴパル・ムコパッダエ、ラムクリシュノ、ムルク・ラジ・アナンド、ディリプ・クマル・ロイ、ケー・エス・ヴェンカタラマニ、アール・ケー・ナラヤン

補遺
西洋とインドの文学

主にインドに関心を寄せる西洋人の著作についての記述

以上、このように多数の文献が記された書物に関する書物というのはそれだけで楽しい。
また、インド文学史年表、索引、参考文献が簡略ながら大変優れている。

最後にインドの文学を理解する上で、『リグ・ヴェーダ』と『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』『バガヴァッド・ギーター』、ウパニシャッドは読んだ方がいいかなと思った。
曼荼羅作画とのかかわり

曼荼羅作画との直接的な関わりとなると難しいが、数多くのインドの歴史、文学、思想の流れの中から多様なイメージが醸成され曼荼羅へと結実したと考え、そこに曼荼羅に惹かれる理由の一つがあり、また、インド文学を理解することが曼荼羅を理解し描くことに繋がるのではないかと思える。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

posted by mandalazu at 16:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介

2015年09月02日

金剛界 降三世会 尊像パーツ描き1(外周1)

降三世会 尊像パーツ描き1

金剛界 降三世会の尊像パーツを描き始めます。これまでと同様に外周、第二重、初重へと内側へ向かって順に描いていこうと思います。

降三世会の外周には二十四天が描かれています。これは四方の二十天に加え四隅に四明王妃が描かれている為です。

四明王妃が描かれるのは降三世会だけです(重要!)。

降三世会外周二十天の位置と順番を次の図に示します。

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(降三世会 外周二十四天 01〜24)
順番は東南西北の時計回りで上が西

降三世会 東方五天

今回は東方五天(01〜05)です。

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(降三世会 外周東方五天 01〜05)

東方の五天(01〜05)のうち中央03は東門守護の毘那夜迦の眷属。残り四天(01, 02, 04, 05)はヒンドゥー教の主要神がまとめられた上界天の神々です。

下図左は参考にした西院本曼荼羅の図で右が描いた尊像パーツです。

01)那羅延天(ならえんてん)

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法輪に少し金色がのこるか。肌色が緑色に染められているが、背光輪も緑色に見える。線描表現がなければ身体と背光輪の区別がつかなくなってしまう。表現可能ならば色数はそれほど必要ないと思う。

那羅延天は梵名のナーラーヤナの音訳でヒンドゥー教のビィシュヌ神の化身。クリシュナとも。
右手に古代インド武器の八輻輪(本スポークの輪宝)を持つ。

02)鳩摩羅天(くまらてん)

1_DSC5388-Edit-Edit-Edit-2-Edit-2.jpg
色鮮やかに、かつ、素晴らしいバランスと色彩感覚。

鳩摩羅天は梵語のクマーラの音訳で、シヴァ神の子である軍神スカンダ(韋駄天)の別名。
右手に三鈷鈴を持つ。

03)金剛摧天(こんごうざいてん)

1_DSC5388-Edit-Edit-3-Edit-2.jpg

傘蓋の色などの剥離は見られるが表情や配色が素晴らしい。

金剛摧天は梵名のヴァジュラ・チンナの意訳。ヴァジュラは金剛でチンナは摧砕の意。
金剛摧天は象頭人身の毘那夜迦の眷属で、傘蓋毘那夜迦ともいい傘蓋を翳す。毘那夜迦は智慧と福徳を授け、障害を除去する神。金剛摧天は煩悩を破壊し、慈悲の傘蓋により衆生を覆護する。
東門の守衛天。

04)梵天(ぼんてん)

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持物がはっきりせず、また、少し画面が荒れているように見えるが色はのこる。

梵天は梵名のブラフマンより。ヴェーダでは宇宙創造の最高神。ヒンドゥー教では創造神ヴィシュヌの臍から生じた蓮華に梵天が座しこの世界を創造したとされる。
釈尊の成道にあっては帝釈天とともに説法を懇願した護法善天。
右手にもつ紅蓮華は蓮華蔵世界の象徴。

05)帝釈天(たいしゃくてん)

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供養会どうよう帝釈天は橙色の羯磨衣を身につけている。

帝釈天は梵名のシャクラから。帝釈天は梵天と並ぶ仏教の護法善天。ヒンドゥー教の神インドラのこと。
右手に古代インド武器の独鈷杵を持つ雷を操る雷霆神。

以上、東方五天。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年09月01日

金剛界 降三世会 下絵作製行程

金剛界 降三世会下絵作製行程

降三世会も基本的な作製行程はこれまでと同じです。

        (1)設計図
        (2)製図
        (3)パーツ描き
        (4)パーツ入れ
        (5)下絵作画

(1)設計図と(2)製図は中下段六会でほぼ共通ですので、降三世会でも前回の降三世三昧耶会と同じ(1)設計図を用い(2)製図を行います。

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(金剛界 降三世会)

そこで、金剛界 降三世会 下絵作製では前シリーズの三昧耶会の製図を用いて作画します。

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(降三世会 製図)

これに描いた尊像パーツを貼り付けて下絵の下絵を作ります。

というわけで、やることは次の(3)(4)(5)のみになります。
        (3)パーツ描き
        (4)パーツ入れ
        (5)下絵作画

だんだん終わりに近づいてまいりました。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年08月31日

金剛界 降三世会について

降三世会について

つづいて降三世会の下絵を描きます。

降三世三昧耶会の説明のときに先送りにしてしまいましたが、降三世会とはなんでしょう?

EPSON008-Edit-2.jpg
(金剛界 降三世会)


降三世会は大日如来の智慧によっても教化できない衆生を忿怒相尊により降伏教化することをあらわす会。

全体としては微細会の諸尊から金剛座を除いた構成に似るが、
(1)東方月輪西方に位置する金剛薩埵が教令輪身の降三世明王の姿に表されている
(2)四方如来は衲衣を通肩し螺髪ではなく髷を結い宝冠を頂いている
(3)四方如来と十六大菩薩のうち金剛薩埵(降三世明王)を除く十五大菩薩は忿怒拳(金剛拳を胸前で交差させる印)を結ぶ
(4)外周四隅に明王妃が尊像で描かれる
などの点で異なる。

ここで降三世明王の降三世とはサンスクリット語で、トライローキャ・ヴィジャヤ(Trailokyavijaya)といい、「三界の支配者シヴァを倒した勝利者」の意味で、降三世明王はヒンドゥーの神シヴァ(大自在天)やウマ―后(烏摩妃、パールヴァティー神)を調伏する姿で描かれる。
ヒンドゥー教との関わり

金剛界九会曼荼羅において右列三会は他の六会と比べ趣を異にする。

向下門第七、八、九会に相当する理趣会、降三世会、降三世三昧耶会は衆生の代表である金剛薩埵に注視し、より衆生に近い位置から金剛界曼荼羅を理解できるようにされているものと思われる。

ここで降三世会では金剛界曼荼羅に当然のように登場するヒンドゥー教の神々と仏教との関わりを示すとともに、中尊毘盧遮那如来の慈悲の智慧をもってしても仏道へと教化できないものは忿怒の調伏で教化することも必要なことがあることを示している。

説話によると、ヒンドゥー教の神々はもともとは暴虐非道の荒ぶる神々であり仏教に従おうとしなかったが、金剛薩埵が降三世明王の姿で現れヒンドゥー教の神々を忿怒の力で調伏した。

さらに最後まで抵抗した三界の支配者を名乗るシヴァ神(大自在天)とその妃を踏みつけ調伏するに至った。

ここでその姿を降三世会に描くことでヒンドゥー教を仏教の下に従えようとする仏教界側の意図が見受けられる。

ヒンドゥー教の神々を仏教世界に取り入れて曼荼羅を形成したことで多様な尊格が重なり合った豊かな世界観を表現することができるようなった。

それは仏教の持つ柔軟さと懐の深さを表すとともに、一方で、変質しやすく、ややもすると中心命題が希薄化してしまう危うさをも表しているようにも思われる。

ともあれ、曼荼羅に描かれるヒンドゥー教の神々はその説話とともに曼荼羅世界を豊かに彩ることになる。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年08月30日

本紹介 No. 040『インド教』

『インド教』

前回、読んだ『新釈尊伝』は読みやすく、興味深い内容が多かった。

渡辺照宏氏の他の本を探している中で当初とは目的が変わってしまったが次の本に興味を持った。

ルイ・ルヌー 著 
   渡辺照宏、美田 稔 共訳『インド教』(白水社 1991)


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『インド教』

インド教とはヒンドゥー教のこと。
密教の成立は佛教にヒンドゥー教の要素を取り込むことで形成されたという。

しかしながらヒンドゥー教のことを僕はほとんど知らない。

さて、『インド教』とは?
構成

新書版、139ページ、縦書き、写真なし

内容は以下の通り。

  第一章 ヴェーダの宗教
  第二章 インド教  文献
  第三章 神話と信仰
  第四章 思弁
  第五章 祭祀と宗教行事
  第六章 宗派
  第七章 インド教小史
  第八章 現代のインド教
  訳者あとがき
  参考文献


内容

訳者あとがきによると著者のルイ・ルヌー氏はフランスアカデミー会員で世界最高のインド学権威の一人とのことです。

本書は著者の大著『古代時代のインド』(邦訳は『インド学大辞典』(全三巻))を背景としてインド教に関する部分を一般読者向けに書きおろしたものとのことで、内容の厳正さや叙述の正確さは言うまでもないとのことです。

一読して、本書にはインド教(ヒンドゥー教)についての基礎的な内容がまとめられていることがわかります。

歴史的分類として原始インド=ヨーロッパ神話体系からインド=イラン的宗教が形成され、そしてヴェーダの宗教としてアーリア人によってインドにもたらされたバラモン教がインドの土着の宗教と融合してインド教が成立したことや、

ヴェーダの文献は年代順にリグ・ヴェーダ(神話)、ブラーフマナ(祭祀)、ウパニシャッド(思弁)にわかれてることなど基本的な内容からインド教の歴史や教義、宗派や現代のインド教までインド教を多角的に捉えようとしている。

各章では章題に関係する項目ごとに詳しい説明がなされる。

圧縮された表現のために少々読みにくく感じるが、これは慣れによるもので、インド教についての知識が充分であれば無駄がなくかえって読みやすいかもしれない。

全体としては新書版140ページに多くの情報がまとめられておりお得ではあるが、入門書としてはもう少し詳しい解説であったほうがわかりやすいかもしれない。

ある程度まとまった情報を取り入れてから再度目を通すことにしようと思う。

曼荼羅作画とのかかわり

曼荼羅の元となる密教の教えは佛教がインド教(ヒンドゥー教)の要素を取り入れて形成されたと考えられている。

その時、密教の教義のうちどこまでが佛教的であり、どこまでがインド教的であるのかに興味がある。

言い換えれば、密教はどれくらい佛教的か?(または、インド教的か?)という疑問を明らかにするために佛教だけでなくインド教についても調べておく必要があると思った。

まだ結論には程遠いけれど、そして、考えてみれば当たり前のことではあるのだけれど、他の佛教の教えと比べて密教的と思われる事項のほとんどがインド教と共通であることが見て取れた。

言うなれば、密教は釈尊の教えを演繹した大乗仏教にインドの神話世界を取り込み、インド教(あるいはインド土着)の宗教的実践を教義の中心に構える呪術的実践主義佛教と思える。

密教のもう一つの源流であるインド教を理解することが曼荼羅を理解する上で大切なことなのではないかと考えている。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

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2015年08月29日

金剛界 降三世三昧耶会 下絵ギャラリー

降三世三昧耶会 下絵ギャラリー

降三世三昧耶会の下絵が完成したので、下絵ギャラリーをします。

なんとなくでも雰囲気が伝わればいいのですが・・・

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(降三世三昧耶会 中央解脱輪)

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(降三世三昧耶会 東方解脱輪)

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(降三世三昧耶会 南方解脱輪)

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(降三世三昧耶会 西方解脱輪)

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(降三世三昧耶会 北方解脱輪)

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(降三世三昧耶会 外周と金剛界道)

降三世三昧耶会 下絵ギャラリー終了。

ドローイングペンの線描きを軸に筆墨で肉付けできるように筋力を鍛えなければ。

次は降三世三昧耶会の元になる降三世会に進みます。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年08月28日

金剛界 降三世三昧耶会 下絵完成!

降三世三昧耶会 下絵完成!

降三世三昧耶会 三昧耶パーツ描きが終わったので、下絵製図にパーツを描いて下絵を完成させます。

下絵製図は今月の初め(2015/08/01の記事参照)に作ってあります。

三昧耶パーツの貼りつけ方などについては三昧耶会の時と基本的に同じですし、 降三世三昧耶会の三昧耶パーツの記事をまとめている間に紋様などを下絵製図にすでに書き入れているのも三昧耶会の時と同じです(2015/05/25の記事参照)。

というわけで今回も

   (1)下絵製図にパーツを貼る
   (2)上に新しいトレペを重ねる
   (3)新しいトレペに製図と下絵を描く


という行程を経て降三世三昧耶会の下絵が完成しました。

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(三昧耶パーツ貼り付け降三世三昧耶会下絵)

製作途中の写真は似たようなものなので割愛します。

次回は降三世三昧耶会 下絵ギャラリーをします。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年08月27日

金剛界 降三世三昧耶会 三昧耶パーツ描き18(金剛輪7)

金剛輪の三昧耶形パーツ描き7

降三世三昧耶会 金剛輪内の三昧耶形パーツ描きの最後。
今回は降三世三昧耶会の金剛輪諸尊で最後になるC 内四供養菩薩(桃色番号:26〜29)です。

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(降三世三昧耶会 金剛輪 内四供養菩薩(桃色番号:26〜29))

金剛界曼荼羅は上が西で、東南(26)から時計回り。
降三世三昧耶会 金剛輪 三昧耶形パーツ

26)金剛嬉菩薩

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ここでは降三世の影響を受けて三鈷杵が忿怒形になっている。

金剛嬉は梵名のヴァジュラ・ラースヤーの意訳。
毘盧遮那如来が遊戯・愛楽の嬉びをもって阿閦如来を供養するために出生した金剛輪東南の月輪に住す女尊。
遊戯・愛楽の嬉びをもって供養することを嬉びに踊り曲がる三鈷杵で表し三形とする。

27)金剛鬘菩薩

7_DSC5447-Edit-Edit-Edit-Edit-2.jpg
色あせている華もあるが全体のかたちや色はよく保存されておりわかりやすい。

金剛鬘は梵名のヴァジュラ・マーラーの意訳。
毘盧遮那如来が華鬘・宝鬘をもって宝生如来を荘厳し供養するために出生した金剛輪南西の月輪に住す女尊。
宝鬘、金剛華鬘をもって供養することを表し三形とする。

28)金剛歌菩薩

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ここでは三鈷杵が忿怒形とはなっていない。

金剛歌は梵名のヴァジュラ・ギーターの意訳。
毘盧遮那如来が歌詠・偈頌をもって阿弥陀如来を供養するために出生した金剛輪南西の月輪に住す女尊。
金剛箜篌の奏でる妙音歌詠をもって供養することを表現し三形とする。

29)金剛舞菩薩

7_DSC5447-Edit-Edit-2-Edit-Edit.jpg
十二鈷杵というよりも忿怒羯磨杵に近い図像であり、三昧耶会でも同様の図像である。ここでは憤怒羯磨杵とはせず十二鈷杵とする。
・・・あらためて考えてみると、十二鈷杵という名称も少々不思議。両端に三鈷がついたものを三鈷杵と呼ぶのであるから、三鈷杵には6つの鈷先がある。その論理で言えば、十二鈷杵は両端に全部で24の鈷先を持つことになるし、また、十二鈷杵を基準とすれば、三鈷杵は六鈷杵と呼ぶべきである。


金剛舞は梵名のヴァジュラ・ヌリトヤーの意訳。
毘盧遮那如来が舞踊・技芸をもって不空成就如来を供養するために出生した金剛輪西北の月輪に住す女尊。
十二鈷杵の象徴する精進をもって供養することを表現し三形とする。

内の四供養菩薩は毘盧遮那如来が四方如来を供養するためにそれぞれ、
  阿閦如来の瞋恚の炎を滅した徳を嬉びで供養し、
  宝生如来の一切財宝の施しの徳を宝鬘で供養し、
  阿弥陀如来の極楽不死の徳を歌詠偈頌で供養し、
  不空成就如来の精進・済度の徳を舞踊で供養している。

以上で降三世三昧耶会の三昧耶パーツ描きを終わります。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年08月26日

本紹介 No. 039『新釈尊伝』

『新釈尊伝』

前回紹介した溝口史郎 著『ブッダの境涯』を探している時にまだ読んでいない釈尊伝をみつけたので読んでみました。

渡辺照宏 著 『新釈尊伝』(春秋社 1978)

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『新釈尊伝』

『新釈尊伝』の『新』とは?
構成

B6判、490ページ、モノクロ写真のみ

構成は以下の通り。

  はじめに
    前生の物語
    佛陀の誕生
    太子の入城
    太子の環境
    太子の結婚
    太子の瞑想
    太子の出城
    出城直後の太子
    ボサツの宗教体験
    六年苦行の様相
    ボサツは理想に向かって進む
    佛陀への門出
    降魔 − マーラとの戦い
    成道は迫る
    佛陀出現 − 祝福を受けた成道
    初めて法輪を転ずる
    聖なる中道
    燃える火の法門
    僧団の出現
    大迦葉とその妻
    戒律のできるまで
    雨安居の定め − 佛陀を迎えた祇園精舎
    佛陀の帰城
    貴族の出家相つぐ
    佛陀の宣教の拠点
    水の争い・父王の死
    女性の出家をめぐる諸問題
    佛教の同時代の宗教
    邪悪な迫害
    指切り青年の出家
    紛争を収める佛陀
    佛陀と提婆の間
    入滅の前ぶれ・鷲の峰の説法
    パータリ村の最後の説法
    入滅前の出来事
    静かな入滅を前に
    生涯を閉じる
  あとがき
  索引

内容

本書は『大法輪』誌上に三年間三十八回にわたって連載された原稿を元にまとめたとこのとです。

本の文章は平易で読みやすく、前半は主として前回読んだ『ラリタヴィスタラ』から取り、後半は主に『大パリニッバーナ経』から引用し、それぞれに他の経典の内容を踏まえて話を進めている。

また、釈尊伝に沿って興味深い解説を加え内容の理解を助けている。

一方で、多数の回にわたる連載内容をまとめたために、それぞれの回の内容が一部重なっており、また、複数箇所にほぼ同様の内容が表現されている。

本題『新釈尊伝』からいわゆる佛伝に見られる神通力や奇跡・伝説的行いを現代科学的思考や西洋合理主義的立場から排除した「人間釈尊伝」のようなものがまず思い浮かんだ。

ところが予想に反して著者はそのような西洋合理主義的思考で神通力や奇跡・伝説的行いを排除、無視しては佛教の本質を見失ってしまうと考え、

神通力や奇跡の一部は実際に釈尊が行い、また、伝説的事柄についても重要な意味を含んでいる可能性があると主張する。

さらに「佛陀伝説を学ぶことはすなわち佛教そのものを学ぶことなのです。」(p74)といい佛陀伝説を理解することの重要性を説く。

例えば、降魔成道に見られるマーラとの対決についても本能的欲望によって成り立っている原始的な社会から釈尊が樹立しようとしている法による秩序社会への転換に対する抵抗を表していると理解する。

マーラとの対決をこころの葛藤や精神的活動などと現代的解釈として捉えるのではなく、瞑想下の釈尊にとっては現実以上に現実であるとする。

また、著者は「パーリ聖典万能説」に疑問を持ち、「原始仏教」やその研究方法に対しての疑念を表している。

曼荼羅作画とのかかわり

釈尊伝は曼荼羅作画と直接的な関係性が薄いように思われる。

しかし、現在の僕にとって佛教を理解することは釈尊を理解することに近い。

釈尊を理解し、佛教を理解し、密教を理解し、曼荼羅を理解する。

釈尊の生涯が佛教の背骨である。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

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