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2015年08月25日

金剛界 降三世三昧耶会 三昧耶パーツ描き17(金剛輪6)

金剛輪の三昧耶形パーツ描き6

降三世三昧耶会の金剛輪内の三昧耶形パーツ描きをしています。
今回はB 十六大菩薩の最後、北方羯摩部は不空成就如来の四親近菩薩(水色番号:22〜25)です。

EPSON009-Edit-3-Edit-2-Edit.jpg
(降三世三昧耶会 金剛輪 北方四親近菩薩(水色番号:22〜25))
各尊の位置と順番については/2015/08/17の記事を参照のこと

金剛界曼荼羅は上が西です。
北方四親近菩薩

22)金剛業菩薩

6_DSC5459-Edit-Edit-2-Edit-Edit.jpg
この羯磨杵も降三世明王の影響を受けて忿怒羯磨杵に描かれている。

金剛業は梵名のヴァジュラ・カルマの意訳。
不空成就如来の南方の月輪に住し、諸仏を供養し衆生を済度する働きを誓願する菩薩。
如来のはたらきの象徴である忿怒羯磨杵を三形とする。

23)金剛護菩薩

6_DSC5459-Edit-Edit-2-Edit.jpg
ここも三昧耶会と比較すると三鈷杵が忿怒形に描かれているので甲冑忿怒三鈷杵と呼べるだろう。

金剛護は梵名のヴァジュラ・ラクシャの意訳。
不空成就如来の西方の月輪に住し、衆生を守護する働きを誓願する菩薩。
守護・救護の象徴である甲冑忿怒三鈷杵を三形とする。

24)金剛牙菩薩

6_DSC5459-Edit-Edit-Edit-2-Edit.jpg
一方、金剛牙菩薩は三鈷杵を二つ描いたかたちであるのに、忿怒形とはならず、三昧耶会の三形と同型である。

金剛牙は梵名のヴァジュラ・ヤクシャからの意訳。ヤクシャが牙をもつことから。
不空成就如来の東方の月輪に住し、あらゆる障害を食い尽くし衆生を救済する働きを誓願する菩薩。
積極的守護・救済の象徴である金剛牙を三形とする。

25)金剛拳菩薩

6_DSC5459-Edit-Edit-Edit-Edit.jpg
緑色に染められているのがわかる。

金剛拳は梵名のヴァジュラ・サンディの意訳。
不空成就如来の北方の月輪に住し、衆生を修行の成就へと導く働きを誓願する菩薩。
両手に金剛杵をしっかりと握る修行成就の象徴である二手金剛拳を三形とする。

以上、不空成就如来の四親近菩薩は、
  金剛業菩薩の位で諸仏供養、衆生済度し、
  金剛護菩薩の位で衆生守護・救護し、
  金剛牙菩薩の位で衆生へのあらゆる障害を滅し、
  金剛拳菩薩の位で衆生の修行が成就へと導く
ことを表している。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年08月24日

金剛界 降三世三昧耶会 三昧耶パーツ描き16(金剛輪5)

金剛輪の三昧耶形パーツ描き5

降三世三昧耶会の金剛輪内の三昧耶形パーツ描き中です。
今回はB 十六大菩薩のうちの西方法部(蓮華部)に位置する阿弥陀如来の四親近菩薩(水色番号:18〜21)です。

EPSON009-Edit-3-Edit-2-Edit-Edit-3.jpg
(降三世三昧耶会 金剛輪 西方四親近菩薩(水色番号:18〜21))
各尊の位置と順番については/2015/08/17の記事を参照のこと

金剛界曼荼羅は上が西です。
西方四親近菩薩

18)金剛法菩薩

5_DSC5456-Edit-Edit-Edit.jpg

三昧耶会の三形に同じ。よく保存されている。

金剛法は梵名のヴァジュラ・ダルマの意訳。
観自在菩薩(観世音菩薩)と同体であり、阿弥陀如来の東方の月輪に住し、衆生に法の清浄なるを覚らせる働きを誓願する菩薩。
堅固清浄なる菩提心の象徴である蓮華独鈷杵を三昧耶形(三形)とする。

19)金剛利菩薩

5_DSC5456-Edit-Edit-3.jpg
これも三昧耶会の三形に同じ。

金剛利は梵名のヴァジュラ・ティークシュナの意訳。ティークシュナは鋭利な剣の意。
文殊菩薩と同体であり、阿弥陀如来の南方の月輪に住し、仏智により衆生の苦を断ち切る働きを誓願する菩薩。
堅固清浄なる菩提心の象徴である金剛剣三形とする。

20)金剛因菩薩

5_DSC5456-Edit-Edit-2.jpg
『西院本曼荼羅』では法輪は必ず八輻輪で描かれているが、仏教の歴史的には必ずしも八輻輪のみが法輪ということもない。

金剛因は梵名のヴァジュラ・ヘートゥの意訳。
弥勒菩薩と同体であり、阿弥陀如来の北方の月輪に住し堅固な菩提心を因とし法輪を転ずる働きを誓願する菩薩。
説法と釈尊の象徴である法輪(八輻輪)を三形とする。

21)金剛語菩薩

5_DSC5456-Edit-Edit-Edit-2.jpg
如来の赤い舌を表している大変特徴的な三形と思う。

金剛語は梵名のヴァジュラ・ヴァーシャの意訳。
阿弥陀如来の西方の月輪に住し、真言により衆生の正法を示す働きを誓願する菩薩。
如来の説法の象徴である如来舌を三形とする。

以上、阿弥陀如来の四親近菩薩は、
  金剛法菩薩の位で衆生に法の清浄なるを覚らせ、
  金剛利菩薩の位で智慧で衆生の苦を断ち切り、
  金剛因菩薩の位で衆生への説法へと立ち上がり、
  金剛語菩薩の位で説法により衆生に正法を示す
ことを表している。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年08月23日

金剛界 降三世三昧耶会 三昧耶パーツ描き15(金剛輪4)

金剛輪の三昧耶形パーツ描き4

降三世三昧耶会の金剛輪内の三昧耶形パーツ描き。
今回はB 十六大菩薩のうちの南方宝部に位置する宝生如来の四親近菩薩(水色番号:14〜17)。

EPSON009-Edit-3-Edit-2-Edit-Edit-2.jpg
(降三世三昧耶会 金剛輪 南方四親近菩薩(水色番号:14〜17))
各尊の位置と順番については/2015/08/17の記事を参照のこと

金剛界曼荼羅は上が西です。
南方四親近菩薩

14)金剛宝菩薩

4_DSC5459-Edit-Edit-Edit.jpg
基本的には三昧耶会の三昧耶形に同じ。

金剛宝は梵名のヴァジュラ・ラトナの意訳。
宝生如来の北方の月輪に住し、一切の衆生にあらゆる功徳を施与する働きを誓願する菩薩。
無限の財宝の象徴である三瓣宝珠を三昧耶形(三形)とする。

15)金剛光菩薩

4_DSC5459-Edit-Edit-Edit-Edit-Edit.jpg
真っ赤な日輪が非常に鮮やかで美しい。

金剛光は梵名のヴァジュラ・テージャの意訳。
宝生如来の東方の月輪に住し、一切世界を照らし衆生の迷妄の闇を破ることを誓願する菩薩。
三瓣宝珠の無限の輝きを象徴する日輪を三形とする。

16)金剛幢菩薩

4_DSC5459-Edit-Edit-2.jpg
三昧耶会の三形に同じ。色彩、かたちとも鮮やか。

金剛幢は梵名のヴァジュラ・ケートゥの意訳。
宝生如来の西方の月輪に住し、一切世界の衆生のあらゆる願いを円満せしめることを誓願する菩薩。
一切与願を象徴する如意幢幡(旗頭に三瓣宝珠を載せた旗)を三形とする。

17)金剛笑菩薩

4_DSC5459-Edit-Edit-3.jpg
三昧耶会でもそうだったけど、ここでも笑杵の口がほとんどわからない。なにか特殊な絵の具を用いたり、特別な描き方をしたのだろうか?

金剛笑は梵名のヴァジュラ・ハーサの意訳。
宝生如来の南方の月輪に住し、よく衆生済度したことを嬉び微笑む菩薩。
衆生救済成就の嬉びを象徴する笑杵(三鈷杵の上に微笑みの口もと)を三形とする。

以上、宝生如来の四親近菩薩は、
  金剛宝菩薩の位で衆生に厚く施与し、
  金剛光菩薩の位で衆生の迷妄の闇を破り、
  金剛幢菩薩の位で衆生のあらゆる願いを円満せしめ、
  金剛笑菩薩の位でよく衆生済度したことを嬉び微笑む
流れを表している。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年08月22日

本紹介 No. 038『ブッダの境涯』

『ブッダの境涯』

前回、溝口史郎 著『ボロブドル遺跡のレリーフに見る シャカムニの生涯』(丸善 1994)を読みました。

その本でボロブドル遺跡のレリーフに対応させて『ラリタヴィスタラ』からの抜粋がありました。

というわけで『ラリタヴィスタラ』を読みました。

溝口史郎 訳 『ブッダの境涯』(東方出版 1996)

EPSON035.jpg
『ブッダの境涯』

帯に「仏伝文学の華 ”ラリタヴィスタラ”(『遊戯の展開』)の仏語訳を本邦初訳」とあります。

『ボロブドル遺跡のレリーフに見る シャカムニの生涯』と同じ溝口史郎氏の著作です。
構成

A5版ハードカバー、396ページ

内容は以下の通り。

  凡例

  第一章 講話の主題
  第二章 勧 告
  第三章 種族の完全な清浄
  第四章 法の輝く門
  第五章 始 動
  第六章 母の胎内への降下
  第七章 誕 生
  第八章 神殿の案内
  第九章 装身具
  第十章 書き方教室への入学
  第十一章 農夫の村
  第十二章 諸芸における能力の試合
  第十三章 家出の勧告
  第十四章 夢
  第十五章 家 出
  第十六章 ビンビサーラ王の訪問
  第十七章 難事の実践
  第十八章 ナイランジャナー河
  第十九章 「悟りの場」へ向かう行進
  第二十章 「悟りの場」の整備
  第二十一章 悪魔の敗北
  第二十二章 完全にして成就された智慧の体得
  第二十三章 賞 讃
  第二十四章 トラブシャとバッリカ
  第二十五章 懇 請
  第二十六章 法の車輪を回す行為
  第二十七章 結 語

  訳者あとがき

内容

写真や挿絵などは無く、上下二段に396ページの大著なので読むのに時間がかかるとは思われたが、それ以上に釈尊を荘厳する字句文言の数々の多いことに驚かされる。

釈尊を敬う文言があまりに多すぎるために気をつけないと物語を追うことがおろそかになってしまう。

しかし、この釈尊を荘厳する言葉の多様さや美しさも本文のところどころにちりばめられた詩句とともに「仏伝文学の華」と呼ばれる所以であろうから、そこは尊重しひとつひとつ読み継いでいく。

内容は第四章 法の輝く門では信、浄心、喜、愛楽・・・と百八の輝く法門が列挙され(百八といいながらも番号は一〇九まで付いている)、

第七章 誕 生では三十二の偉大な人物の「しるし」と八十の二次的な「しるし」を列挙し、

第十章 書き方教室への入学では幼い釈尊が「先生、どんな文字を私に教えてくださるのですか?」と聞いた六十四の文字全てを列挙し、、、

と、釈尊伝を追いながら、様々な事柄に対して細部まで明確に列挙されている。

仏伝を通して釈尊への敬意と仏門の真髄を詳細に伝えようとする意力が感じられる。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

posted by mandalazu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介

2015年08月21日

金剛界 降三世三昧耶会 三昧耶パーツ描き14(金剛3)

金剛輪の三昧耶形パーツ描き3

降三世三昧耶会の金剛輪内の三昧耶形パーツ描きをしています。
今回はB 十六大菩薩のうちの東方金剛部に位置する阿閦如来の四親近菩薩(水色番号:10〜13)です。

EPSON009-Edit-3-Edit-2-Edit-Edit-Edit.jpg
(降三世三昧耶会 金剛輪 東方四親近菩薩(水色番号:10〜13))
各尊の位置と順番については/2015/08/17の記事を参照のこと

金剛界曼荼羅は上が西です。
東方四親近菩薩

10)降三世明王

_DSC5456-Edit-Edit-Edit-Edit_2.jpg参考図ではよく見ても忿怒羯磨杵にしか見えないが、金剛薩埵の教令輪身である降三世明王がシュンバ、ニシュンバ兄弟の姿をとったことや印相などから、ここでは忿怒五鈷杵の融合である忿怒十字五鈷杵を三形とする。

降三世明王(ごうさんぜみょうおう)は梵名のトライローキャ・ヴィジャヤの訳。金剛薩埵の教令輪身。
阿閦如来の西方の月輪に住し、慈悲で説いても仏法に帰依しない大自在天と烏摩妃を降伏教化するために金剛薩埵が降三世明王に変化した姿。
忿怒教化により本有菩提心をよび起こす忿怒十字五鈷杵を三昧耶形(三形)とする。

11)金剛王菩薩

3_DSC5456-Edit-Edit-Edit-2-Edit.jpg
三昧耶会の三形に同じ。

金剛王は梵名のヴァジュラ・ラージャの意訳。
阿閦如来の北方の月輪に住し、衆生をを引き寄せ仏道になびかせる働きを誓願する菩薩。
如来と衆生の二つを仏法に行に引き寄せる象徴である双立金剛鉤はを三形とする。

12)金剛愛菩薩

3_DSC5456-Edit-Edit-Edit-Edit-Edit.jpg
ここも三昧耶会の三形に同じ。

金剛愛は梵名のヴァジュラ・ラーガの意訳。
阿閦如来の南方の月輪に住し、衆生に菩提心への愛着をもたせる働きを誓願する菩薩。
愛のごとき菩提心の象徴である双立三鈷杵を三形とする。

13)金剛喜菩薩

3_DSC5456-Edit-Edit-2-Edit-Edit.jpg
三昧耶会の三形に同じ。

金剛喜は梵名のヴァジュラ・サードゥの意訳。サードゥは「よきかな」の意。
阿閦如来の東方の月輪に住し、衆生衆生の迷妄を除去し歓喜せしめる働きを誓願する菩薩。
如来への入口に至る挨拶を表す二手を並べ相弾指(たんじ)する形を三形とする。

以上、阿閦如来の四親近菩薩は、
  金剛薩埵の位で衆生に菩提心を発せしめ、
  金剛王菩薩の位で衆生を引き寄せ、
  金剛愛菩薩の位で衆生に菩提心への愛着をもたせ、
  金剛喜菩薩の位で衆生を歓喜せしめる
流れを示していると思われれる。

降三世三昧耶会はいってしまえば、金剛界世界における衆生・菩薩の代表である金剛薩埵が降三世明王となり、ヒンドゥー教の強大な神であるシヴァ神(大自在天)とパールバティ女神(烏摩妃)を降伏教化し仏法に帰依させたことを表すことによって仏教がヒンドゥー教の上位に位置していることを表そうとする意図を図像化したものと考えられる。

そのため、本会の中心題材は今回紹介した10)降三世明王の存在であり、また、このことから他の尊格の三昧耶形にも様々な波及効果が表れているのを見ることができる。

すなわち、全体としてはより忿怒形にシフトした三昧耶形が認められることが多い。

しかしながら忿怒形をとるか、とらないのかの境界線について、基準があるのか製作者や指導者の意思によるものかはまだ不明。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年08月20日

金剛界 降三世三昧耶会 三昧耶パーツ描き13(金剛2)

金剛輪の三昧耶形パーツ描き2

引き続き、降三世三昧耶会 金剛輪内の三昧耶形パーツ描きをします。

今回はA 四波羅蜜菩薩(黄番号:6〜9)です。

EPSON009-Edit-3-Edit-2-Edit-Edit.jpg
(降三世三昧耶会 金剛輪 四波羅蜜菩薩(黄番号:6〜9))

順番は東南西北の時計回りで、金剛界曼荼羅は上が西。
降三世三昧耶会 金剛輪 三昧耶形パーツ

6)金剛波羅蜜菩薩

2_DSC5447-Edit-Edit-Edit-2.jpg
ここではいくらか曲線的な金剛五鈷杵が描かれているようであるが、すこしぼやけた図像から一度金剛五鈷杵を描いてのちに忿怒五鈷杵に書き加えているようにも想像できる。

金剛波羅蜜菩薩は阿閦如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊で、中央解脱輪の東方月輪に住す。
金剛波羅蜜は梵名のヴァジュラ・パーラミターの訳で、波羅蜜(パーラミター)は「最高に至る」「彼岸に至る」「悟りを開く」などと解される。よって、金剛波羅蜜は「堅固なる菩提心により悟りに至る」の意。
堅固な菩提心の象徴である五鈷杵を三昧耶形(三形)とする。しかし、ここでは忿怒五鈷杵とすべきか。

7)宝波羅蜜菩薩

2_DSC5447-Edit-Edit-2-Edit.jpg
三昧耶会では三瓣宝珠を三形とするが、ここでは明らかに法輪(八輻輪)が描かれている。『密教大辞典』にも記述がなく理由は不明。宝珠を表す「丸いもの」を円形のものと解釈し法輪を当てたか。

宝波羅蜜菩薩は宝生如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊で中央解脱輪の南方月輪に住す。
宝波羅蜜は梵名のラトナ・パーラミターより「財宝により悟りに至る」の意。
説法の象徴である法輪(八輻輪)を三形とする。

8)法波羅蜜菩薩

_DSC5447-Edit-Edit-Edit-Edit_2.jpg未敷蓮華が火焔と重なり見えにくい。

法波羅蜜菩薩は阿弥陀如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊で中央の解脱輪の西方月輪に住す。
法波羅蜜は梵名のダルマ・パーラミターより「法により悟りに至る」の意。
法の象徴である独鈷杵を茎とする未敷蓮華を三形とする。

9)業波羅蜜菩薩

2_DSC5447-Edit-Edit-3.jpg
業波羅蜜菩薩は三昧耶会でも羯磨杵であるが、ここでは忿怒形の羯磨杵が描かれている。

業波羅蜜菩薩は不空成就如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊で中央解脱輪の北方月輪に住す。
業波羅蜜は梵名のカルマ・パーラミターより「行いにより悟りに至る」の意。
衆生の三業と仏の三密の融合の象徴である忿怒羯磨杵を三形とする。

ここでは、宝波羅蜜菩薩の三形が三昧耶会の三形と異なる。
なにかの偶然によるものか、必然によるものか、どこかにこたえはあるのだろうか?

また、金剛波羅蜜菩薩と業波羅蜜菩薩では金剛杵が忿怒形に変化している。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年08月19日

金剛界 降三世三昧耶会 三昧耶パーツ描き12(金剛輪1)

金剛輪の三昧耶形パーツ描き1

降三世三昧耶会の金剛輪内の三昧耶形パーツ描きをします。

今回は@ 五仏(白番号:1〜5)の三昧耶形パーツです。

EPSON009-Edit-3-Edit-2-Edit-Edit-2-Edit.jpg
(降三世三昧耶会 金剛輪 五仏(白番号:1〜5))

順番は中央を1とし2→4は東南西北の時計回りで、金剛界曼荼羅は上が西です。
降三世三昧耶会 金剛輪 三昧耶形パーツ

1)金剛界毘盧遮那如来

1_DSC5447-Edit-Edit-Edit-Edit-Edit.jpg
荘厳鮮やかな仏塔が細部までよく描かれている。三昧耶会の毘盧遮那如来三昧耶形と基本的に同じ図像。

毘盧遮那は梵名のヴァイローチャナの音訳で「遍く照らす」の意。
五仏の中心にあり、法界体性智(法と如来の智慧)を体現する。
本有菩提心を表す横たわる五鈷杵の上に建つ仏塔を三昧耶形(三形)とする。

2)阿閦如来

1_DSC5456-Edit-Edit-2-Edit.jpg
基本的には三昧耶会の三昧耶形と同じ構図だが、直立する五鈷杵が直線的な忿怒五鈷杵となっている。これは金剛薩埵が降三世明王に変化し忿怒の姿で済度困難な衆生を救済することから影響を受けていると思われる。

阿閦(あしゅく)は梵名のアクショーブヤの音訳で「瞋りに心を動かさないもの」の意。
東方解脱輪中央の月輪に住し、大円鏡智(すべてをありのままに映す鏡のごとき如来の智慧)を体現する。
本有菩提心を表す横たわる五鈷杵の上に修生菩提心をあらわす直立した五鈷杵を立てて三形とする。

3)宝生如来

1_DSC5459-Edit-Edit.jpg
図像がよく保存されていて理解しやすい。

宝生は梵名のラトナサムバヴァの意訳「財宝を生み出すもの」より。
南方解脱輪中央の月輪に住し、平等性智(すべてのものが差別なく平等であるとする如来の智慧)を体現する。
横たわる五鈷杵の上に一切財宝を象徴する三瓣宝珠を載せて三形とする。

4)阿弥陀如来

1_DSC5456-Edit-Edit.jpg
開敷蓮華がわかりにくいが基本的には三昧耶会と同じ。

阿弥陀(あみだ)は梵名のアミターユスの音訳で「永遠のいのち(光)」の意。その意から無量寿如来、無量光如来ともい呼ばれる。
西方解脱輪の中央の月輪に住し、妙観察智(すべてを見通し明らかにする如来の智慧)を体現する。
横たわる五鈷杵の上に開かれた如来の智慧の象徴である独鈷杵を茎とした開敷蓮華を三形とする。

5)不空成就如来

1_DSC5459-Edit-Edit-Edit-2.jpg
三昧耶会の羯磨杵は三鈷杵が直交した曲線的な柔らかさを持つ図像だが、降三世三昧耶会ではより強いイメージとなる忿怒羯磨杵となっている。

不空成就は梵名のモーガシッディの意訳「必ず(空しくなく)成就する」より。
北方解脱輪の中央の月輪に住し、成所作智(すべて正しく感じ、真実の行いをなす如来の智慧)を体現する。
横たわる五鈷杵の上に如来の働き(業)の象徴である羯磨杵を載せたものを三形とする。

以上、降三世三昧耶会での五仏の三昧耶形表現でした。

では、またヾ(。・ω・。)ノ

2015年08月18日

本紹介 No. 037『シャカムニの生涯』

『シャカムニの生涯』

以前、釈尊の生涯についての本を何冊か読みました(水野弘元 著『釈尊の生涯』、中村 元 著『釈尊の生涯』、ジャン・ボワスリエ著『ブッダの生涯』)。

ここでは一般的な仏伝についてもっと理解したいと思い本書を選びました。

溝口史郎 著 『シャカムニの生涯』(丸善 1994)

EPSON032.jpg
『シャカムニの生涯』

よく理解せずに『シャカムニの生涯』とのタイトルで本書を購入しましたが、『ボロブドル遺跡のレリーフに見る シャカムニの生涯』というのが本書の正確なタイトルのようです。
構成

B6版、168ページ、扉カラー写真8ページ、本文中にモノクロ写真多数(ボロブドル遺跡のレリーフ120枚を含む)

構成は以下の通り。

 インドネシアのボロブドル遺跡のレリーフで見るシャカムニの生涯。
  人類の文化遺産、ボロブドル
  回廊のレリーフが語る欲界、色界、無色界
  シャカムニの生涯を現すレリーフ
  ボロブドル遺跡の建設年代
  かのボサツからブッダへ
  佛伝の中の多くの神々

 001〜024 ボサツは、人間の世界に生まれることを決意した。
 025〜060 ボサツは、母マーヤー妃から太子として生まれた。
 061〜096 太子は、王宮から抜け出して出家し、修行を始めた。
 097〜120 太子は、悟りを開いてブッダとなり、説法を始めた。

 シャカムニの説法の内容
 あとがき
 参考書

内容

インドネシアのボロブドル遺跡のレリーフで見るシャカムニの生涯。に見られる各項目でボロブドル遺跡やレリーフについて一通りの解説があり、ボロブドル遺跡を理解する上でも興味深い内容です。

本書の主要な内容はボロブドル遺跡にあるシャカムニの生涯についての120枚のレリーフの配列にそってレリーフの図像解説とともに佛伝を記載していることです。

本文は上中下の三段組になっており、中段に120枚のうちの一枚のレリーフを載せ、レリーフ写真を挟んで、上段にレリーフ図像に該当する物語を佛伝『ラリタヴィスタラ』より対応させ、また、下段でレリーフの図像解説をしています。

これまでに読んだ水野弘元 著『釈尊の生涯』、中村 元 著『釈尊の生涯』、ジャン・ボワスリエ著『ブッダの生涯』の3冊のうち2冊の『釈尊の生涯』はより史実に近い釈尊像を明らかにすることを目的としており、釈尊の伝説的説話や神話的奇跡の類は述べられていない。

一方、ジャン・ボワスリエ著『ブッダの生涯』では伝説や奇跡を含む仏伝文学の世界を表現してはいるが一つの流れとしての仏伝を全て表現しているかどうかがわからない。

本書は仏伝文学の概要を知る上ではある程度役にたったと思います。

しかし、本書の中心はボロブドル遺跡のあるシャカムニの生涯に関する120枚のレリーフの理解がなので、仏伝文学の真髄はまだ見えていないと思います。

『ラリタヴィスタラ』のような仏伝全体に目を通す必要があるかとも思います。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

posted by mandalazu at 16:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介

2015年08月17日

金剛界 降三世三昧耶会 三昧耶パーツ描き11(金剛輪)

金剛輪の三昧耶形パーツ描き 尊格のグループと順番

続いて、降三世三昧耶会 金剛輪内の三昧耶形パーツを描きます。

金剛輪内の尊格の配置と順番はわかりにくいので降三世三昧耶会を用いて少し説明します。

もうすこし詳しい解説を三昧耶会 金剛輪の記事でしてますのでご参照ください。

EPSON009-Edit-3-Edit-2-Edit-Edit-4.jpg
(金剛界 降三世三昧耶会 金剛輪部分)

金剛輪の中は井形に区切られ、十字型に五つの大きな月輪(五解脱輪)が配され、四隅に中位の月輪があります。また、五解脱輪の中がさらに井形に区切られ、十字型に五つの小さな月輪があります。

ここで金剛輪内に住する尊格は大きく四つのグループに分かれます。

EPSON009-Edit-3-Edit-2-Edit-Edit-Edit-2.jpg
(降三世三昧耶会 金剛輪尊格 色番号付)

   @ 五仏(白番号:1〜5)
   A 四波羅蜜菩薩(黄番号:6〜9)
   B 十六大菩薩(水色番号:10〜25)
   C 内四供養菩薩(桃色番号:26〜29)

       (カッコ内の色数字は図の色番号に対応します。)
@ 五仏(白番号:1〜5)

白番号1〜5の五仏(五智如来)は金剛輪内に十字に配された五つの解脱輪の中央に住します。

金剛界曼荼羅世界は中尊 毘盧遮那如来(1)を中心にできていて、四方四仏(2〜5)は東南西北の時計周りに配されます(金剛界曼荼羅は上が西)。
A 四波羅蜜菩薩(黄番号:6〜9)

黄番号6〜9の四波羅蜜菩薩は毘盧遮那如来(1)の四方を囲むように東南西北の順に時計周りに住しています。
B 十六大菩薩(水色番号:10〜25)

水色番号10〜25の十六大菩薩は毘盧遮那如来(1)と四仏(2〜5)との位置関係から配置が決まります。

各四仏を取り囲む十六大菩薩をそれぞれ四親近菩薩と言い、それぞれ次の二つのルールに従って配置が決まります。

  1)毘盧遮那如来に近い方が上位
  2)毘盧遮那如来に向かって四仏の右側が上位


尊格がこちらを向きに座して描いている西院本金剛界曼荼羅ではわかりにくいのですが、金剛界世界では毘盧遮那如来に向かって説法を聴いていますので、同グループ内では毘盧遮那如来に近い尊格が上位になり、また右側上位文化の影響も働いています。
C 内の四供養菩薩(桃色番号:26〜29)

桃色番号26〜29の内四供養菩薩は八方位の東南西北が抜け「東南→南西→西北→北東」の順に配されることになります。

以上です。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年08月16日

金剛界 降三世三昧耶会 三昧耶パーツ描き10(第二重6)

第二重の三昧耶パーツ描き 6回目

今回は降三世三昧耶会 第二重の三昧耶パーツ描き最後の賢劫十六尊の北側の四尊(21〜24)です。

EPSON009-Edit-3-Edit-Edit-2-Edit-Edit.jpg
(金剛界 降三世三昧耶会 第二重 賢劫十六尊北方四尊:21〜24)
順番は東南西北の時計回りで、金剛界曼荼羅は上が西

第二重 三昧耶パーツ B 賢劫十六尊北(黄色番号21〜24)

21)無尽意菩薩

4_DSC5450-Edit-Edit-2.jpg
梵篋の赤と緑の色がとても鮮明。

無尽意菩薩は無量慧菩薩ともいい、尽きることのない仏の智慧であまねく衆生に満足を与える菩薩。
無尽蔵の仏智を象徴し、智慧の無限の働きを表す梵篋を三昧耶形(三形)とする。

22)辯積菩薩

4_DSC5450-Edit.jpg
細部が少々わかりにくいがこの方が雲らしい。

辯積菩薩は文殊菩薩のことで、なめらかに辯舌を積み上げ、辯説巧みに衆生を導く菩薩。
広大無限の智慧の象徴である五色雲を三形とする。

23)金剛蔵菩薩

4_DSC5450-Edit-Edit.jpg
細部までシャープで美しい井形独鈷杵。

金剛蔵菩薩は金剛薩埵と同体で、金剛智を胎蔵する菩薩。
堅牢強固な智慧を象徴する井形独鈷杵を三形とする。

24)普賢菩薩

4_DSC5450-Edit-Edit-Edit.jpg
火焔の上に剣先が描かれているように見える。

普賢菩薩は普く二徳が行き渡り衆生を救うことを誓願する菩薩。
煩悩を滅する大いなる智慧の働きを象徴する金剛剣を三形とする。

以上で降三世三昧耶会 第二重の三昧耶形パーツ描きを終わります。

次は金剛輪内の三昧耶パーツ描きです。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

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