2015年08月21日
金剛界 降三世三昧耶会 三昧耶パーツ描き14(金剛3)
金剛輪の三昧耶形パーツ描き3
降三世三昧耶会の金剛輪内の三昧耶形パーツ描きをしています。
今回はB 十六大菩薩のうちの東方金剛部に位置する阿閦如来の四親近菩薩(水色番号:10〜13)です。
金剛界曼荼羅は上が西です。
東方四親近菩薩
10)降三世明王
参考図ではよく見ても忿怒羯磨杵にしか見えないが、金剛薩埵の教令輪身である降三世明王がシュンバ、ニシュンバ兄弟の姿をとったことや印相などから、ここでは忿怒五鈷杵の融合である忿怒十字五鈷杵を三形とする。
降三世明王(ごうさんぜみょうおう)は梵名のトライローキャ・ヴィジャヤの訳。金剛薩埵の教令輪身。
阿閦如来の西方の月輪に住し、慈悲で説いても仏法に帰依しない大自在天と烏摩妃を降伏教化するために金剛薩埵が降三世明王に変化した姿。
忿怒教化により本有菩提心をよび起こす忿怒十字五鈷杵を三昧耶形(三形)とする。
11)金剛王菩薩
三昧耶会の三形に同じ。
金剛王は梵名のヴァジュラ・ラージャの意訳。
阿閦如来の北方の月輪に住し、衆生をを引き寄せ仏道になびかせる働きを誓願する菩薩。
如来と衆生の二つを仏法に行に引き寄せる象徴である双立金剛鉤はを三形とする。
12)金剛愛菩薩
ここも三昧耶会の三形に同じ。
金剛愛は梵名のヴァジュラ・ラーガの意訳。
阿閦如来の南方の月輪に住し、衆生に菩提心への愛着をもたせる働きを誓願する菩薩。
愛のごとき菩提心の象徴である双立三鈷杵を三形とする。
13)金剛喜菩薩
三昧耶会の三形に同じ。
金剛喜は梵名のヴァジュラ・サードゥの意訳。サードゥは「よきかな」の意。
阿閦如来の東方の月輪に住し、衆生衆生の迷妄を除去し歓喜せしめる働きを誓願する菩薩。
如来への入口に至る挨拶を表す二手を並べ相弾指(たんじ)する形を三形とする。
以上、阿閦如来の四親近菩薩は、
金剛薩埵の位で衆生に菩提心を発せしめ、
金剛王菩薩の位で衆生を引き寄せ、
金剛愛菩薩の位で衆生に菩提心への愛着をもたせ、
金剛喜菩薩の位で衆生を歓喜せしめる
流れを示していると思われれる。
降三世三昧耶会はいってしまえば、金剛界世界における衆生・菩薩の代表である金剛薩埵が降三世明王となり、ヒンドゥー教の強大な神であるシヴァ神(大自在天)とパールバティ女神(烏摩妃)を降伏教化し仏法に帰依させたことを表すことによって仏教がヒンドゥー教の上位に位置していることを表そうとする意図を図像化したものと考えられる。
そのため、本会の中心題材は今回紹介した10)降三世明王の存在であり、また、このことから他の尊格の三昧耶形にも様々な波及効果が表れているのを見ることができる。
すなわち、全体としてはより忿怒形にシフトした三昧耶形が認められることが多い。
しかしながら忿怒形をとるか、とらないのかの境界線について、基準があるのか製作者や指導者の意思によるものかはまだ不明。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
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