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2015年08月20日
金剛界 降三世三昧耶会 三昧耶パーツ描き13(金剛2)
金剛輪の三昧耶形パーツ描き2
引き続き、降三世三昧耶会 金剛輪内の三昧耶形パーツ描きをします。
今回はA 四波羅蜜菩薩(黄番号:6〜9)です。
順番は東南西北の時計回りで、金剛界曼荼羅は上が西。
降三世三昧耶会 金剛輪 三昧耶形パーツ
6)金剛波羅蜜菩薩
ここではいくらか曲線的な金剛五鈷杵が描かれているようであるが、すこしぼやけた図像から一度金剛五鈷杵を描いてのちに忿怒五鈷杵に書き加えているようにも想像できる。
金剛波羅蜜菩薩は阿閦如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊で、中央解脱輪の東方月輪に住す。
金剛波羅蜜は梵名のヴァジュラ・パーラミターの訳で、波羅蜜(パーラミター)は「最高に至る」「彼岸に至る」「悟りを開く」などと解される。よって、金剛波羅蜜は「堅固なる菩提心により悟りに至る」の意。
堅固な菩提心の象徴である五鈷杵を三昧耶形(三形)とする。しかし、ここでは忿怒五鈷杵とすべきか。
7)宝波羅蜜菩薩
三昧耶会では三瓣宝珠を三形とするが、ここでは明らかに法輪(八輻輪)が描かれている。『密教大辞典』にも記述がなく理由は不明。宝珠を表す「丸いもの」を円形のものと解釈し法輪を当てたか。
宝波羅蜜菩薩は宝生如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊で中央解脱輪の南方月輪に住す。
宝波羅蜜は梵名のラトナ・パーラミターより「財宝により悟りに至る」の意。
説法の象徴である法輪(八輻輪)を三形とする。
8)法波羅蜜菩薩
未敷蓮華が火焔と重なり見えにくい。
法波羅蜜菩薩は阿弥陀如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊で中央の解脱輪の西方月輪に住す。
法波羅蜜は梵名のダルマ・パーラミターより「法により悟りに至る」の意。
法の象徴である独鈷杵を茎とする未敷蓮華を三形とする。
9)業波羅蜜菩薩
業波羅蜜菩薩は三昧耶会でも羯磨杵であるが、ここでは忿怒形の羯磨杵が描かれている。
業波羅蜜菩薩は不空成就如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊で中央解脱輪の北方月輪に住す。
業波羅蜜は梵名のカルマ・パーラミターより「行いにより悟りに至る」の意。
衆生の三業と仏の三密の融合の象徴である忿怒羯磨杵を三形とする。
ここでは、宝波羅蜜菩薩の三形が三昧耶会の三形と異なる。
なにかの偶然によるものか、必然によるものか、どこかにこたえはあるのだろうか?
また、金剛波羅蜜菩薩と業波羅蜜菩薩では金剛杵が忿怒形に変化している。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ