2018年01月07日
映画「素晴らしき哉、人生!」の感想…今観ても泣けるって事は、映像も音も大事だけど人が感動するのは「スジ」だって改めて。
今日は映画「素晴らしき哉、人生!」の感想です。
今年は昔の映画を意識的に観る様に心がけていこうかなって思っていたのですが、
なかなか観れていませんでした。
この映画も本当はクリスマスに見直したいって思っていたのですが、
気がつけばクリスマスも終わり、年も明け…で、やっと観れました。
という訳で、今回はレンタルDVDで字幕スーパーでの鑑賞です。
この映画「素晴らしき哉、人生!」はアメリカでは1946年、日本では1954年に公開されたフランク・キャプラ監督作品。
フランク・キャプラ監督と言えば、映画「或る夜の出来事」や映画「或る夜の出来事」でアカデミー監督賞を受賞。
しかし、フランク・キャプラ監督はやはりこの映画「素晴らしき哉、人生!」ではないでしょうか。
アメリカで公開されたのがもう70年以上も前なので、
最近ではまだ観ていないって人もいるかもしれませんが、
映画の勉強をしようとか思うと、
映画「アパートの鍵貸します」と映画「素晴らしき哉、人生!」は昔の映画の中でも、
わりと観ることになるんじゃないかな。
多くの人を感動させ支持をされている作品。
とてもシンプルな物語ではありますが、何故この作品が好かれるのか、
確かにこれから映画を作ろうって考えている人とかには良い勉強素材だなと。
簡単なあらすじですが、
クリスマスイブの夜、1人の男が失望のあまり自殺を考えていた。
しかし、家族なのどの祈りが天に届き2級天使のクラレンスが派遣される事になる。
クラレンスはまずその自殺を考えていたジョージの生い立ちを勉強する。
そしてついにジョージが橋から身を投げようとした時、
彼の前にクラレンスが現れるのだった…という感じかな。
まだ観てない人のために、子供時代に何があったかとか書かずにフワッとしておきました。
キャストですが、
クリスマスに奇跡の体験をするジョージ・ベイリーを演じるのはジェームズ・ステュアート。
映画「フィラデルフィア物語」でアカデミー主演男優賞を取った俳優ですが、
ヒッチコック監督の映画「めまい」などにも出ています。
良い顔をしてるのですが、劇中でも「あの顔」で一時停止されるのが笑える。
ジョージと結婚することになる女性メアリー・ハッチを演じるのはドナ・リード。
例えモノクロであっても良い女だってことは分かるほど美女。
いいなあ、こんな女性が家にいたらなあ…なんて思ってしまう。
もちろん役が違うんだけど、
同じく出演しているグロリア・グレアムとは違う良い女感。
そういう意味ではグロリア・グレアムの悪い女感は凄いんだけど。
2級天使のクラレンスを演じるのはヘンリー・トラヴァース。
こんなアニメに出てきそうな顔とか凄いよね。
天使だけど、もうイメージでいったら、まんまサンタクロースじゃないか。
この人が悪い人だったら、もう人間は信じられないって思える様な顔。
その他、ライオネル・バリモア、トーマス・ミッチェル、トッド・カーンズなどが出演してます。
さて、映画「素晴らしき哉、人生!」の感想ですが、やっぱ今観ても泣いちゃいますね。
というか先が分かってると余計に途中で涙が出てきてしまう。
弟を助けて、左耳が聴こえなくなるっていう序盤ですでにウルッと。
まず、先ほども書いたのですが、モノクロ映像。
さらに4:3の画面で音の質も流石に良いとは言えなく時代を感じる。
「それでも泣ける」ってのは、映像とか音が綺麗ってのも大事だけど、
時代が変わっても人の心を動かすのにもっと大事なのは「物語」だなって思う。
そして昔の映画を観ると、物語だけではなく、
その「時代」を感じられるのは凄く文化的にもいいなって。
以前、邦画ですが映画「幽霊列車」(1949年)の感想にて、
改札口が「WAY OUT」とか、バスに乗る時に並ばないとか、
その時は普通であっても、「今とは違う時代」を感じられるのは趣がある。
この映画でも、電話のあの形とか車にガラスが無いとか、
マッチを床で火をつけるとか、時代だなあって。
ファーストカットの鐘が鳴るシーンは、またラストにもある印象的なカット。
そしてスタッフの名前が紙芝居的に出されるのは今観ると逆に新鮮だったり。
ネタバレはあんまり書かないようにしたいので、
物語についてはなるべく書かない様にしたいのですが、
「物語の構成」として、
映画序盤で主人公が行った事が、映画終盤で大きな事に関わるっていう展開の極みみたいな映画。
少しだけネタバレをするなら、失望しているジョージはクラレンスによって、
「自分が存在しなかったらどんな世界になっているか」を観るチャンスを与えられる。
自分の人生がどれだけ大事なのか、また自分以外の人にとっても大事なのか。
観ていて凄くわかりやすく「人生は大事だ」と感じられる作りなのは、
多くの人に感動を与えている点だと思う。
新婚旅行に行けなかった後のシーンで友人って良いなって思うし、
ほんと友人は大事だって思わせられる映画なんだけど、
自分の友達の少なさに少しだけ切なくなるってのはここだけの話だが。
物語が良いのは当然の事として、
多くの人にこの映画が好かれている理由としては魅力的な登場人物達も大きい。
クラレンスが「200年も翼なしにカッコ悪い」とか言ってるのも良い味出してますが、
メアリーが家に来たジョージを向かえに行く時に、
鏡でチェックし、絵も飾って、さらにはレコードで音楽をかける。
あの一連の動作で一途で頑張ってるなあって好感持てます。
ジョージのお母さんはあんまり多くの登場はしないのだけど、
メアリーを推すお母さんは「戦いはフェアで」って言うジョージに対して、
「恋は別」って言い切るところとかチャーミングです。
個人的にはバイオレット好きですよ…ラストの展開もですが、
子供の頃に「気が多いのね」って言われて「悪い?」って返すのとか。
あとはジョージに「人は自分の屋根を求める、それに力を貸す」と伝え、
住宅金融の仕事に誇りをもっていた父。
父親を尊敬していたからこそ、その仕事の良さを知っていたからこそ、
ジョージは野望も才能も持っていたのに外に出れなかったというジレンマが、
ドラマに深みを与えているます。
アメリカ文化としてみんなダンスは出来るんだなっていう、
ある種のカルチャーギャップは日本人として感じてしまいますが、
あのプールに飛び込んでいくシーンは笑えますね…お前も飛び込むんかいっ!って。
あと「18!?去年までは17だったのに!!」とか、
職を失うかもって時に「まだ55だ」と強がる叔父にさりげなく「56」とか、
楽しいやりとりがあるのも良いですね…ブレス・ユーも。
あ、レコードで肉焼いてるのもね。
という訳で、ほんと今観ても泣けた良い映画でした。
今年はクリスマスに観れるようにしなきゃな。
もちろん、空き家だからってガラスに石を投げて願い事ってのはどうなんだとか、
悪役であるヘンリー・ポッターは8000ドル丸儲けなの?とか。
あと、たまに映像のつなぎがおかしいところが気になったりもする。
これはマスターフィルムがコマ落ちしてる可能性もあるけど、
多分取り直しでつなぎが強引になってるんじゃないかなって。
あ、ズズの花びらはもうちょっと何かあって欲しかったとかも。
あとは2時間10分っていう長さかな…いや、退屈はしない作りなんですが。
英語では「ファミリーマン」って言ってて、直訳すると愛妻家ってなるんだけど、
字幕スーパーでは「恐妻家」ってなってるのに気がついて、
確かにこれは皮肉で「ファミリーマン」って言ってるのを、
日本語訳で「愛妻家」って言ったら伝わらないだろうなって思った。
最後に邦題ですが、これは良いですよね。
原題は「It's a Wonderful Life」で、まさに「素晴らしき哉、人生!」だなと。
哉って良いですね。
2017年に日本公開された映画「素晴らしきかな、人生」は原題「Collateral Beauty」で、
完全にこの映画「素晴らしき哉、人生!」を意識した邦題が付けられていますが、
原題はまったく「It's a Wonderful Life」ではない。
あーあ、クソ邦題でたなあって思ったけど、それはまた別の機会に。
映画「素晴らしき哉、人生!」、最高です。
今年は昔の映画を意識的に観る様に心がけていこうかなって思っていたのですが、
なかなか観れていませんでした。
この映画も本当はクリスマスに見直したいって思っていたのですが、
気がつけばクリスマスも終わり、年も明け…で、やっと観れました。
という訳で、今回はレンタルDVDで字幕スーパーでの鑑賞です。
この映画「素晴らしき哉、人生!」はアメリカでは1946年、日本では1954年に公開されたフランク・キャプラ監督作品。
フランク・キャプラ監督と言えば、映画「或る夜の出来事」や映画「或る夜の出来事」でアカデミー監督賞を受賞。
しかし、フランク・キャプラ監督はやはりこの映画「素晴らしき哉、人生!」ではないでしょうか。
アメリカで公開されたのがもう70年以上も前なので、
最近ではまだ観ていないって人もいるかもしれませんが、
映画の勉強をしようとか思うと、
映画「アパートの鍵貸します」と映画「素晴らしき哉、人生!」は昔の映画の中でも、
わりと観ることになるんじゃないかな。
多くの人を感動させ支持をされている作品。
とてもシンプルな物語ではありますが、何故この作品が好かれるのか、
確かにこれから映画を作ろうって考えている人とかには良い勉強素材だなと。
簡単なあらすじですが、
クリスマスイブの夜、1人の男が失望のあまり自殺を考えていた。
しかし、家族なのどの祈りが天に届き2級天使のクラレンスが派遣される事になる。
クラレンスはまずその自殺を考えていたジョージの生い立ちを勉強する。
そしてついにジョージが橋から身を投げようとした時、
彼の前にクラレンスが現れるのだった…という感じかな。
まだ観てない人のために、子供時代に何があったかとか書かずにフワッとしておきました。
キャストですが、
クリスマスに奇跡の体験をするジョージ・ベイリーを演じるのはジェームズ・ステュアート。
映画「フィラデルフィア物語」でアカデミー主演男優賞を取った俳優ですが、
ヒッチコック監督の映画「めまい」などにも出ています。
良い顔をしてるのですが、劇中でも「あの顔」で一時停止されるのが笑える。
ジョージと結婚することになる女性メアリー・ハッチを演じるのはドナ・リード。
例えモノクロであっても良い女だってことは分かるほど美女。
いいなあ、こんな女性が家にいたらなあ…なんて思ってしまう。
もちろん役が違うんだけど、
同じく出演しているグロリア・グレアムとは違う良い女感。
そういう意味ではグロリア・グレアムの悪い女感は凄いんだけど。
2級天使のクラレンスを演じるのはヘンリー・トラヴァース。
こんなアニメに出てきそうな顔とか凄いよね。
天使だけど、もうイメージでいったら、まんまサンタクロースじゃないか。
この人が悪い人だったら、もう人間は信じられないって思える様な顔。
その他、ライオネル・バリモア、トーマス・ミッチェル、トッド・カーンズなどが出演してます。
さて、映画「素晴らしき哉、人生!」の感想ですが、やっぱ今観ても泣いちゃいますね。
というか先が分かってると余計に途中で涙が出てきてしまう。
弟を助けて、左耳が聴こえなくなるっていう序盤ですでにウルッと。
まず、先ほども書いたのですが、モノクロ映像。
さらに4:3の画面で音の質も流石に良いとは言えなく時代を感じる。
「それでも泣ける」ってのは、映像とか音が綺麗ってのも大事だけど、
時代が変わっても人の心を動かすのにもっと大事なのは「物語」だなって思う。
そして昔の映画を観ると、物語だけではなく、
その「時代」を感じられるのは凄く文化的にもいいなって。
以前、邦画ですが映画「幽霊列車」(1949年)の感想にて、
改札口が「WAY OUT」とか、バスに乗る時に並ばないとか、
その時は普通であっても、「今とは違う時代」を感じられるのは趣がある。
この映画でも、電話のあの形とか車にガラスが無いとか、
マッチを床で火をつけるとか、時代だなあって。
ファーストカットの鐘が鳴るシーンは、またラストにもある印象的なカット。
そしてスタッフの名前が紙芝居的に出されるのは今観ると逆に新鮮だったり。
ネタバレはあんまり書かないようにしたいので、
物語についてはなるべく書かない様にしたいのですが、
「物語の構成」として、
映画序盤で主人公が行った事が、映画終盤で大きな事に関わるっていう展開の極みみたいな映画。
少しだけネタバレをするなら、失望しているジョージはクラレンスによって、
「自分が存在しなかったらどんな世界になっているか」を観るチャンスを与えられる。
自分の人生がどれだけ大事なのか、また自分以外の人にとっても大事なのか。
観ていて凄くわかりやすく「人生は大事だ」と感じられる作りなのは、
多くの人に感動を与えている点だと思う。
新婚旅行に行けなかった後のシーンで友人って良いなって思うし、
ほんと友人は大事だって思わせられる映画なんだけど、
自分の友達の少なさに少しだけ切なくなるってのはここだけの話だが。
物語が良いのは当然の事として、
多くの人にこの映画が好かれている理由としては魅力的な登場人物達も大きい。
クラレンスが「200年も翼なしにカッコ悪い」とか言ってるのも良い味出してますが、
メアリーが家に来たジョージを向かえに行く時に、
鏡でチェックし、絵も飾って、さらにはレコードで音楽をかける。
あの一連の動作で一途で頑張ってるなあって好感持てます。
ジョージのお母さんはあんまり多くの登場はしないのだけど、
メアリーを推すお母さんは「戦いはフェアで」って言うジョージに対して、
「恋は別」って言い切るところとかチャーミングです。
個人的にはバイオレット好きですよ…ラストの展開もですが、
子供の頃に「気が多いのね」って言われて「悪い?」って返すのとか。
あとはジョージに「人は自分の屋根を求める、それに力を貸す」と伝え、
住宅金融の仕事に誇りをもっていた父。
父親を尊敬していたからこそ、その仕事の良さを知っていたからこそ、
ジョージは野望も才能も持っていたのに外に出れなかったというジレンマが、
ドラマに深みを与えているます。
アメリカ文化としてみんなダンスは出来るんだなっていう、
ある種のカルチャーギャップは日本人として感じてしまいますが、
あのプールに飛び込んでいくシーンは笑えますね…お前も飛び込むんかいっ!って。
あと「18!?去年までは17だったのに!!」とか、
職を失うかもって時に「まだ55だ」と強がる叔父にさりげなく「56」とか、
楽しいやりとりがあるのも良いですね…ブレス・ユーも。
あ、レコードで肉焼いてるのもね。
という訳で、ほんと今観ても泣けた良い映画でした。
今年はクリスマスに観れるようにしなきゃな。
もちろん、空き家だからってガラスに石を投げて願い事ってのはどうなんだとか、
悪役であるヘンリー・ポッターは8000ドル丸儲けなの?とか。
あと、たまに映像のつなぎがおかしいところが気になったりもする。
これはマスターフィルムがコマ落ちしてる可能性もあるけど、
多分取り直しでつなぎが強引になってるんじゃないかなって。
あ、ズズの花びらはもうちょっと何かあって欲しかったとかも。
あとは2時間10分っていう長さかな…いや、退屈はしない作りなんですが。
英語では「ファミリーマン」って言ってて、直訳すると愛妻家ってなるんだけど、
字幕スーパーでは「恐妻家」ってなってるのに気がついて、
確かにこれは皮肉で「ファミリーマン」って言ってるのを、
日本語訳で「愛妻家」って言ったら伝わらないだろうなって思った。
最後に邦題ですが、これは良いですよね。
原題は「It's a Wonderful Life」で、まさに「素晴らしき哉、人生!」だなと。
哉って良いですね。
2017年に日本公開された映画「素晴らしきかな、人生」は原題「Collateral Beauty」で、
完全にこの映画「素晴らしき哉、人生!」を意識した邦題が付けられていますが、
原題はまったく「It's a Wonderful Life」ではない。
あーあ、クソ邦題でたなあって思ったけど、それはまた別の機会に。
映画「素晴らしき哉、人生!」、最高です。
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