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2020年05月10日

映画「不安の種」の感想…どこにでもあるんじゃないですか?この街だけじゃないですよってセリフが台無し。

今日は映画「不安の種」の感想です。

久々に何かホラー映画が観たいなと、

Netflixで邦画ホラーで探して出てきた中から選んだ作品。

という訳でPS4のNetflixでの鑑賞です。



映画「不安の種」は2013年公開の長江俊和監督作品。

長江俊和監督の作品は他の映画はまだ未見なのですが、

ホラー映画を数本携わっていてるだけでなく、

テレビではバラエディなど幅広いジャンルに携わっています。


映画「不安の種」は同名の中山昌亮による漫画が原作。

全く原作を知らず未読だったのですが、

この作品を機に読んでみたいと思っています。


映画の簡単なあらすじですが、

ある家族が富沼市に引っ越してきた。

新しい生活を始めようとしていたさなか、

家族の兄は不気味な目玉みたいなものを目撃してしまう。

また、バイクで荷物を運んでいた乾巧は、

仕事中にバイク事故にあった畑野誠二と遭遇し、

動けない彼を助けようとするが…みたいな感じかな。


キャストですが、

立場などを書くとある程度のネタバレになってしまうので名前だけ。

鹿野陽子を演じるのは石橋杏奈。

俺も石橋杏奈から「うるさい!このクソボケ野郎!」って罵倒されてから、

優しくキスされたいって思いました。

畑野誠二を演じるのは須賀健太。

このブログでは映画「青鬼 ver.2.0」に出演していましたが、

個人的にはドラマ「So long! 第1夜」は好きだった。

そう言えばあのドラマでもバイク乗ってたなあ。

乾巧を演じるのは浅香航大。

映画「桐島、部活やめるってよ」のイケてるグループの友弘の人。

隠しきれないイケてる感はあったけども、

良い感じでダメになっていって素敵だった。

その他、みんな大好き津田寛治をはじめ、

森くれあ 、川村亮介、五頭岳夫 、岩井志麻子、

栗原瞳、龍坐、気谷ゆみかなどが出演しています。


さて、映画「不安の種」の感想ですが、

楽しめた部分もあったのですが、

ちょっとまとめきれていない印象があって、

勿体ないなって思いました。


まず最初に言っておきたいのは、

ちゃんと予算がかかっている映画なので、

一部のB級ホラー映画の方に、

音がうまく録れてないとか、

白塗りの男がブリーフいっちょで追ってくる、

みたいな微笑ましい映画ではない。

フィルムではないけどフィルム感を意識した映像も良いし、

音はしっかり録れていて問題はない。

目玉のCG感はちょっと残念だったけど、

ちゃんと車で轢かれる小道具を用意できる予算はかかっている。

そういう意味ではある程度のクオリティはある。


ホラー映画というのは、

そういうクオリティを達してないのが逆に面白かったりする時もあるが、

この映画は幸か不幸か一定のクオリティを達しているために、

いわゆる「映画全体のクオリティ」も求められるため、

やっぱり全体で考えると勿体ないんだよなあ。


映画は「1.スジ 2.ヌキ 3.ドウサ」だとして、

演出については後程ダメなところをふれますが、

先ほど書いた撮影技術や小道具などのヌキの一部分や、

出演している女優や俳優のドウサのクオリティはある程度達していると思う。

という事は、やはり一番の問題は「スジ」だと思う。


原作の漫画は未だ読んでないのですが、

オムニバスのショートストリー漫画という事で、

そういうものを1つにまとめるのは大変だと思う。

イメージとしたら映画「おろち」は上手くいっていたと思うが、

あれも原作のストーリーが物語として軸にしやすかった部分はある。

今回の映画「不安の種」はそういう話ではなかったのかなと思う。


ネタバレはなるべくしないように具体的に何がどうなったとかは書きませんが、

ちょいちょいフワッとした感じの展開は書いてしまうので、

全くネタバレしたくないって人は、

まず先に映画を観てください。


で、個人的に凄く良かったなと思うところは、

映画「怪談新耳袋 怪奇 ツキモノ」的な要素。

ファミレスの隅っこで他の人には見えていない怪しい人。

1度は同僚に「見なかったことにする」んだと止められるものの、

それを「放っておけない」という心情。

こういう展開は凄い好き。

マスク越しから「背負う気あるの?」って言って欲しかった。


あと、自分は全く悪い事をしていない、

もちろん隣人など全ての人が悪い事となど何もしていないのに、

突然禍々しいものに襲われてしまうのは恐い事だし、

結局その禍々しいものを押し付け合っているだけで、

なんの解決もしないってのもホラーの王道ではあるけど、

こういうところは見応えがあると思う。


しかし、残念な事に先ほども書きましたがまとまっていない。

「実はこの時の事件はこの人で」みたいな展開も、

「自分の幸せな生活は誰かの不幸で成り立っていた」という事が言いたいんだろうけど、

あの見せ方だと普通にタイムパラドックス的な混乱を招いて分かりづらい。


あとせっかくセリフで、

「どこにでもあるんじゃないですか?この街だけじゃないですよ」って言わせたんだから、

富沼市を出たとしても関係ないって事にしないとさ。

ちょっとネタバレだけど、どうしても言いたいから書いてしまいますが、

街が合併したから実は街を出てませんでしたって見せ方にしちゃったら、

じゃあその合併した街を出たら良いんかって話になっちゃうじゃん。

いや、あの街とこの街でこんな名前の市になりましたって言いたいのは分かるが、

それだとあの市が悪いって話になってしまって、

「どこにでもあるんじゃないですか?この街だけじゃないですよ」ってセリフ台無しじゃん。

こういう禍々しい得体の知れないナニカに遭遇してしまう危険はどこにでもある。

そうしないとあの市に行かなきゃ良いだけって話になってしまう。

…勿体ないなあ。


あと撮影技術とかは良いんだけど、演出にはちょっとマズいところがあって、

まず音で驚かすのはある意味でホラーを観に来た人へのサービスだと思うんだけど、

タイトルが出る時のドーンって音とかただうるさいだけだし、

あるシーンで階段上からギャーって人影が出て驚かせる演出があるんだけど、

その画面にはキャストは誰もいなくて完全に観客に向かってギャーってやってる。

意味が分からない。

観客はキャストの感情移入して、

この男の子が自分であるかの様に大丈夫だろうかって心配して観てるのに、

男の子がいなくなってから画面に向かってギャーって観客にアピールされても、

お前どこに向かってやってんだって思ってしまう。


あと、ある人物が体が半分になってしまうのだが、

そのシーンがあまりにも長すぎる。

確かにCGにお金かけただろうから使いたいのは分かるけど、

そんな序盤で体半分の映像をじっくり見せたら、

後半に出てくる体半分の男が迫ってきても、

ちょっと見慣れてしまって恐さが半減してしまっている。

後半に使うつもりなら序盤はチラッとで良かったじゃんか。

…そもそも体半分になる木の当たり方ってどんな事故だよ。


あと、家族の母さんがいなくなって、

懐中電灯で探しているシーンだけど、

お父さんの主観映像かなって思ったら、

しばらくするとお父さんが出てくる、

誰視点やねん!


映画でちょくちょくある、

「この辺りだと思うんだけどなあ」とか、

「フランス語、だから何?」とか、

口を開いてしゃべらせたら違和感あるだろって、

なんかテレビ的だなあってのも気になった。


その他にも、

ファミレスで客がぶつかってきて仕事で失敗するシーンとか必要ある?とか、

「バカ野郎、返せよ〜!」のトンカチが当たる手前で減速して優しいとか、

警察が死体を運ぶ時は顔こそ隠すだろとか、

気味の悪いものに付きまとわれてるのに部屋のカギ閉めてないのかとか、

「逃げろ」って言われて逃げずに捕まって「逃げろ」ってなんやねんとか、

いろいろツッコミどころはあった。


そして何より、そんな奴と結婚するなよ!

自分の事を「確実に死ぬ」って言った奴とよく結婚できるな。

まあ、石橋杏奈なら俺だって「うるさい!このクソボケ野郎!」って罵倒されてから、

優しくキスされたいって思うけど。(2度目)


そんな感じかな。

1本の映画として観ると色んなところが上手くいってなくて気になるけど、

扱っている恐い要素は決して悪くはないと思うので、

ちょっと今度原作を読んでみようというぐらいには興味の出る映画でした。


トラ馬引っ越しセンターとかはまあ良いと思います。

あと、途中でザ・バックホーンの「ひょうひょうと」を思い出した。

ひょうひょうと青空を漂う雲は魂か。

まあ、青空ってよりはモノクロに近い空だったけど。

不安の種 [DVD]




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思いついた事を羅列。 映画「DETH FOREST 恐怖の森2」みたいなくだらない映画が凄い好き。 映画の感想は基本的にネタバレなしを心掛けています。
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