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2019年03月07日

映画「ソロモンの偽証 前篇・事件」の感想…後篇が気になる様に丁寧に作られた良い作品。

今日は映画「ソロモンの偽証 前篇・事件」の感想です。

映画「君の膵臓をたべたい」をオススメしてくれた後輩に、

何かオススメ映画あるって聞いて返ってきたタイトル。

元々興味はあったんだけど、前後篇の2本立てだとなかなか観ようって動けなかったが、

オススメされたらこれは良い機会、という事で観ました。

今回はdTVをChromecastを使ってテレビで鑑賞…久々のdTV。



映画「ソロモンの偽証 前篇・事件」は2015年公開の成島出監督作品。

改めて調べてみると成島出監督の作品は今までに、

映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」しか観ていなかった。

ちゃんと劇場で観たんですけどね、今となってはしっかりと思い出せないが、

印象としては可もなく、不可もなく…みたいな映画だった気がする。

当時から映画の感想を書き残す習慣があったらなと思った。

映画「八日目の蝉」や映画「ふしぎな岬の物語」はいつか観て見たいとは思っています。


映画「ソロモンの偽証 前篇・事件」は前編と書いてある通り、

後篇に当る映画「ソロモンの偽証 後篇・裁判」との2部作。

こういうタイプの映画は本来は後篇を観てから感想を書く方がいいのだが、

前編でも1本の映画で公開した訳だし、

それぞれで感想を書くべきなのかなと。

なので、後篇を観た後からもしかしたら前編の印象も変わる、

そういう事は大いにあると思います。


この映画は同名の宮部みゆきによる小説が原作。

本を読まない自分でも宮部みゆきという名前は知っています。

小説では「事件」「決意」「法廷」の3部構成だったそうです。

…読める気がしない。


映画のあらすじですが、

教師である中原涼子は自分の母校である城東第三中学校に赴任する事となり、

学校で伝説として語り継がれているある事件を校長から聞きたいと言われ話を始める。

1990年12月25日、飼育係だった涼子は朝学校へ登校すると、

雪に埋もれた同級生の柏木卓也の遺体を発見する。

警察は状況から自殺と判断したのだが、

柏木卓也は大出俊次らに殺されたという告発状が送りつけられたのだった…みたいな感じかな。


キャストですが、

主人公をはじめ学生役を選ぶオーディションが行なわれた。

エンドロールでもオーディションに参加してくれた方みたいなのもあった。

その中で主人公に選ばれたのが藤野涼子。

これは役名でもあるのだが、なんとその役名のまま女優デビューする事なったそうな。

その他、板垣瑞生、望月歩、清水尋也、石井杏奈、富田望生などが出演。

大人の役では尾野真千子、小日向文世、松重豊、佐々木蔵之介、

永作博美、黒木華、田畑智子、市川実和子などが出ています。


さて、映画「ソロモンの偽証 前篇・事件」の感想ですが、

後篇への期待が膨らむ良い前編でした。

前編だけで約2時間っていうのは長すぎるという気持ちもあるが、

丁寧に作ってあって無駄に長いというよりも、

きっとこの描写は大事なんだろうと思わせた。


ハッキリ言ってこの前編だけだと物語としては、

これから始まるよってところで終わるので、

面白いとかスッキリとか感動とかそういったものはない。

役割として、後篇が気になる、どういう展開になるのか、

そう思わせる事ができれば成功と言って良いと思う。

つまりは成功してる良い前編。


ストーリーについてまだ何も言えないので、

これで感想を終わっても良いのですが、

物語以外のところも書いていこう思います。


まず映画が始まる前に松竹120年とロゴが出てくるのですが、

凄いですよね、1895年に創業ですよ。

リュミエール兄弟がシネマトグラフ作った年に松竹創業とか。

そして、映画のファーストカットにスカイツリーが見える景色からの校庭。

映画本編と松竹120年は全く関係ないんだけど、なんか時代を感じますね。


いやでもこの「時代を感じる」というのはこの映画にはとても大事で、

もしかしたら若い人が観た場合約2時間の尺は長すぎたかもしれない。

自分がこの映画で良いなあって思った部分に「時代を感じた」というのがある。


正確にあの映像が1990年なのかと言われたら自信はないが、

自分の子どもの頃って確かにこんな風景だった気がするなって。

以前、映画「幽霊列車」(1949年)の感想とかで、

その時代を感じれる面白さがあると書いたのですが、

そういう面白さがこの映画「ソロモンの偽証 前篇・事件」にもあった。

上手く言えないんだけど、あの頃の家の中ってごちゃごちゃしてたよね。

公衆電話とかも懐かしい景色になってしまったなと思った。


演出も丁寧だなと思ったのは、

藤野さん…って言って、今は中原さんでしたねって台詞で、

この人は苗字が変わった、結婚したんだなと説明したり、

桜や雪だけでなく着ている服で季節の移り変わりを表現したり、

まあ当たり前と言えば当たり前なんだけど良いなと思った。

最初に正門に行ってから通用口から入る主人公の思い出そうとしてる感じとかも、

言葉ではなく映像で見せてくれるのは映画的で良い。


あと三脚でガッシリ撮るシーンと手ブレを使ったシーンを分かりやすく使い分けていて、

心理的に動揺しているシーンなどは不安定なブレが効果的に使われている。

また母と娘が言い争っている時は、

その二人を裂く様に扉の木の枠で画的に別けたり、

そういう見せ方もいろいろ工夫があって良かった。

ただ、三宅樹理の家が暗いのは、

「精神的な暗さ」という事なんだと思うけど、

いくらなんでも暗すぎる様な気はした。


三宅家と言えば、あのお母さん、マジでムカツクよね。

声が出なくなって苦しんでいる時に、

ふざけてるの〜怒るわよ〜みたいなの。

しかもまさか映画のラストが、

「何やってるの樹理ちゃん!」で前編が終わるとは思わなかった。

ぬぅって出てくる顔はちょっとホラーだよね。

それとニキビは青春の証とか言われたら子供としてはイラつくだろうなと思う。

あの親子は良かったなあ…いや、いい味出してた。


ホラーと言えば先生の家の隣に住んでる市川実和子。

あれはちょっとやりすぎでしょ、いや恐かったけど。

あの家に戻っていく匍匐前進を見せつけられたら、

隣の住人としては嫌だろうなあ。

とは言え、黒木華演じる先生がちょっと弱弱し過ぎて、

なんかムカつくいた、そりゃ向いてないよって。


三宅樹理がいじめられるシーンも、

ちょっと過剰な演出だと思うんですよ。

煩過ぎるというか。

いじめられてる奴ってリアルだとあんな風にはならないかなって。

でも、あのシーンで主人公は「口先だけの偽善者」と言われるので、

とても大事なシーンなのであれぐらいの演出もありなのかなと。


過剰と言えば柏木卓也が死んだと知らされたクラスメイトの反応。

もしかしてクラスメイト全員が真犯人かって思わせるぐらい違和感があったが、

そういう映画ではないはずだが…そういう映画なの?


そんな感じかな。

ネタバレになるので詳細は書かないけど、

あのデブめっちゃ迷惑やんって思ったのは俺だけだろうか。


とりあえず、「後篇・裁判」に期待できる映画でしたので、

良い映画だと思います。

タイトルがでたところで、

「ソロモンの偽証」って出た上に「宮部みゆき」って出るんだけど、

それっているの?

いや、自分でも知ってるぐらいの名前なので凄い人だと思うけど、

原作者をタイトルのところに出すって映画としてどうなのよ。

なんというか、ちょっとそれはダサかった。

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思いついた事を羅列。 映画「DETH FOREST 恐怖の森2」みたいなくだらない映画が凄い好き。 映画の感想は基本的にネタバレなしを心掛けています。
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