食前食後にご服用

インターフォンにカメラが付いた

　とうとう部屋のインターフォンが、映像付きの物に変更された。

カラーテレビドアホンというらしい。

今までは、ピンポーンとチャイムが鳴ると、

電話の受話器みたいなのを取り、相手が名乗らない限りは、

誰が来たのか分からなかったのだが、

やっとカメラが付いた事で、誰が来たのかわかるようになった。

　これで、ピンポーンと鳴ったら、

出るべきか、居留守を使うべきかが判断できる。

まぁ、ピンポーンと鳴らすのは借金取りくらいだが。

　ところで先日、夜８時頃、

ピンポーン、とインターフォンが鳴るので、

誰だろうと思っていたら、再度ピンポーンと鳴った。

エントランスのインターフォンかと思ったが、

エントランスなら居留守を使おうと思っていたら、

３回目のピンポーンが来た。

　一応念のために音がしないように廊下を歩き、

玄関の扉についている小さいレンズから外を覗こうとしたら、

玄関マットでちょっと滑ってしまい、

それが思いの外、大きな音をたてたものだから、

仕方なく、外を覗いて誰かいたら出ざるを得ないなと思い、

覗いてみると、男女のカップルがいた。

　以前、しつこくインターフォンが鳴るので、

玄関の扉についているレンズから、同じように外を覗いてみると、

まだ若い女性が一人立っていた。

私のファンかも、とスケベ心を出しながら、ドアを開けると、

新聞の勧誘だ。

野球の観戦チケット、カレンダー、洗剤を渡され、

それでも断り続けると、

野球の観戦チケット、カレンダー、洗剤を次々と奪い返され、

隣の部屋に、標的は移って行った。

エントランスのドアを、どうやって攻略したのか、

（誰かの後を追って一緒に入り込んだのか？）

私の部屋のドアにまでたどり着いていた。

　今回は二人連れなので、新聞の勧誘では無いなと思いながら、

ドアを開けると女の方が、

「夜分済ませ～ん、今度、上の階に引っ越してきたので、

ご挨拶に伺いました。

これはつまらないものですが』

と言って、紙袋を渡された。

男の方が、

「二人ですが、これからも宜しくお願いします」

と言うと女がお腹を擦りながら、

「もうすぐ３人になりま～す」

と言うので、私も、

「おめでとうございます、楽しみですね」

と言うと、

「そうなんですよ～、子供が産まれたら

夜も少しうるさくなるかもしれませんが、宜しくお願いします」

　二人は丁寧に頭を下げ去って行ったが、

夫婦かどうかは知らないが、何とも律儀なものだ。

紙袋の中は、石鹸と洗剤が入っていた。

そばアレルギーなので、引っ越し蕎麦だったらどうしようと

思っていたが、蕎麦でなくてよかったと思った次第だ。

　その時はまだカラーテレビドアホンではなかったので、

玄関先まで、行ってしまったが、

ちょっと、ほっこりしてしまった。

　もし、その時既にカメラ付きのインターフォンになっていたら、

エントランスのインターフォンにはカメラが付いているので、

誰が来たのか分かるが、

玄関のインタフォンにはカメラが付いていないので、

誰が来たのかわからない。

だから、何も映らないインターフォンを見れば、

同じマンション内の住人だと判断できるが、

このマンション内の住人との付き合いは全くないので、

以前の様な新聞の勧誘かも知れないと思い、

突然引っ越しのあいさつに来られても、

多分居留守を使っていただろうと想像できる。

　ところで、福岡県北九州市で、

街頭防犯カメラ３０台の運用が今月２５日から始まった。

暴力団の立ち入りを禁止する「標章」を掲げる飲食店が

多く集まる小倉北区などに緊急対策用としてだ。

たった３０台だけでいいのか、と思うが。

　飲食店関係者が襲われる殺人未遂事件が

相次いでいるのを受けてのことだが、

暴力団の立ち入りを禁止する「標章」を取り外している店が

増えてきているからだという。

　確かに、「次はおまえだ」とする男からの脅迫電話が

立て続けにかかっていたらしいので、店を守る為には、

生きていくためには仕方が無いだろう。

　ちょっと冒険がしたいという方は、北九州市がオススメだ。

勇者募集中である。