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安部公房とロボトミー手術と厨二病


 あれは中学の美術の時間だったか、

先生が、安部公房の「砂の壁」という本が面白いと、

口をすっぱくして言うので、そんなに面白いのならと、

読んでみたところ、安部公房にはまってしまった。

先生が説明してくれた内容は、

ある日男が部屋に閉じ込められてしまった。

しかし食べるものが一切なく、食べ物を捜したところ、

壁が食べられる事がわかり、壁を食べ始めた。

結局、最後は部屋の中で、餓死している男が発見される、

というストーリーで、面白いから読めと言ったのだ。



 読んでみると、話が全然違うのに驚いた。

しかし、話は違っても面白かったので、

それはそれで良いのだが、



 本のタイトルは、正確には「壁」だった。

美術の先生の中で、

「砂の女」と「壁」が、ごちゃ混ぜになったようだ。

だから、本を捜す時にものすごく苦労したので覚えている。

人の記憶とはなかなかに面白いものだ。



 人の記憶を司る脳は、海馬と呼ばれる部分で、

昨日のご飯は何だったかな、と考えると、

海馬の中からその情報を探し出して、

昨日のご飯はふりかけ、とか答えるのだ。

海馬の形はタツノオトシゴに良く似た形をしており、

その形から海の馬、海馬となったのだろう。



 脳の中の情報は電気信号で伝えられているので、

シナプスにある小胞から「神経伝達物質」という化学物質が、

次の神経細胞の細胞膜にある受容体に結合すると、

電気信号が生じて情報が伝達されるのだ。

要は、情報はシナプスを通じて脳内で伝達される。

情報が電気信号により伝達されるため、

コンピュータとよく比較されるが、今では

脳よりコンピュータの方が情報量は多く、

SF小説で見られるように、近い将来、

コンピュータが意識を持つ事が起こり得るだろうと

考えられているらしい。



 私の好きな女優で、「ジェシカ・ラング」という人がいる。

「キングコング」でデビューしたと記憶しているが、

それほどうまい女優ではなかったはずなのだが、

彼女が主演した映画「女優フランシス」という映画で、

一躍、演技派女優として見られるようになった。

その「女優フランシス」という映画の原作は、

「フランシス・ファーマー」という女優が書いた伝記で、

精神分裂症と診断され、ロボトミー手術を受けたのだった。



 ロボトミー手術というのは、第二次世界大戦前後に行われた

精神分裂症に対して画期的な治療法として世界中に広まった手術で、

「前部前頭葉切截(せっせつ)術」と呼ばれている。

決して人をロボットのようにするからロボトミーと

呼ばれている訳ではない。

Lobotomy の lobo は「葉」の意味で、tomy は切除を意味している。



東大精神科医師・磯田雄二郎氏の推計では、

日本でも、約12万人ほどいると推計されている。



 ところで安部公房の未発表の短編が発見されたらしい。

生きていれば、ノーベル賞を取ったであろうと言われているが、

大江健三郎が取ったくらいだから、何故取れなかったのか、

不思議だと私は思っている。



 安部公房を読んだのは、中学の頃なので、

いま読み返すと、あの頃何が面白くて読んだのかと、

不思議な気がする。

何せ、難しいのだ。

しかし、安部公房を読みだしたきっかけは覚えていて、

本の内容はほとんど覚えていなかったのには、

愕然とすると同時に、記憶の不思議さ、曖昧さに、

忘れる力もある事に、何故か安心したりする。



試験が終わった後、

「脳のシナプスが〜!」

と叫んでいた事を、ふと思い出した。

今でいう、厨二病だったのかもしれない(笑)








女優フランシス










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ちぃ
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