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2017年06月12日

漫画『将棋めし』1巻の感想とあらすじ

『将棋めし』1巻の感想。


将棋めし
著者:松本 渚
掲載:月刊コミックフラッパー
1巻発売日:2017年1月23日

あらすじ・概要

一見地味にも見える将棋の対局風景。だが、その実将棋は頭脳スポーツと称される通り、長時間座り続けながら思考を巡らせ続けることには、見た目では分からないほど膨大な体力を必要とする。それも幾通りの中から最善手を選び続けるとなればなおのこと。それ故、棋士たちにとって「食事」とは、勝つめの、戦い抜くための重要なエネルギー源であり、めしで勝負が決まる≠ニ言っても過言ではない。
そんな過酷なプロ将棋の世界で、女性の身でありながらプロ棋士として戦う峠なゆた(とうげ なゆた)・六段。勝てばタイトルホルダーとなる玉座戦最終局を迎え、長期戦になると見越した彼女の頭にあったのは・・・・「夕食どうしよかな」。
ライバルたちとの対局はもちろんのこと、選ぶ食事にも美学と礼節をもって全力で向き合うなゆたは、今日も勝負に勝つための最高の将棋めしを追い求めていく。

将棋の世界でプロ棋士として日々戦っている1人の女性をはじめ、目の前の一局にかける棋士たちの真剣勝負を描くと同時に、対局の合間に彼女たちがエネルギー補給をするために選ぶ食事≠ノついて描いた話。
将棋×めし漫画。本作のキャッチコピーは「ノーカロリーノー将棋!」。対局の勝敗にも直結しかねない対局の合間に摂取する「食事」に焦点を当てた作品です。
作者は以前『盤上の詰みと罰』という将棋漫画も描かれていた、自身も将棋愛好家の女性漫画家・松本渚(まつもと なぎさ)さん。将棋監修には棋士・広瀬彰人八段が担当。

感想

最近、将棋界で史上5人目の中学生棋士として注目された藤井聡太四段が、連勝記録を更新し続けていることで話題を集めていますね。彼の活躍に影響を受けて将棋を始める人も増加傾向にあるので、弱いけど将棋ファンの私としても本当に嬉しい限り。
さらに、将棋がメディアによく取り上げられるようになったことで、将棋ファンの間ではかねてから見所のひとつでもあった、対局の合間に摂る「おやつ」や「食事」も注目されています。そして、漫画界では空前の「グルメ漫画ブーム」とくれば・・・。

そんな将棋とグルメをコラボさせた作品が今回紹介させていただく『将棋めし』。『3月のライオン』など多くの将棋漫画でも対局中の食事やおやつの描写はありますが、この作品はそこにメインスポットを当てられている内容で、将棋にあまり馴染みない人でも楽しめるようになっています。

将棋に限らず、囲碁やチェスなどの頭脳スポーツと呼ばれるボードゲームは、大きな動きを見せない静かな対局風景から、地味な競技にも捉われがちですが、見た目に反して脳が消費するカロリーやエネルギーは膨大。それ故、棋士たちにとってエネルギー補給になる休憩時間での食事は、対局の勝敗にも密接に関わる重要な要素。タイトル戦では減少した糖質を補うため、対局中に午前と午後におやつタイムまであります。
ちなみに、主にタイトル戦のような注目度の高い対局では、午前中のおやつ、昼食、午後のおやつのメニューはほぼ例外なく公表されています。

この『将棋めし』はその棋士たちの食事に注目した作品でして、タイトルそのまんまの内容。ただ、グルメばかりに偏っているわけではなく、ディープ過ぎるほどではないですけど結構しっかりした将棋漫画でもあります。
それから、あらすじに書いた「玉座戦」の通り、将棋を知ってる方ならお分かりかもしれませんが、作中で行われているタイトル戦は実際には存在しません。本来は「王座戦」なので架空のタイトル戦ですね。ただ、「名人戦」だけは同じのようです。

主人公はプロ棋士の女性・峠なゆた(とうげ なゆた)。「女流棋士」ではなく「プロ棋士」の女性です。
女性のプロ棋士は実際の将棋界では未だ1人も存在しません。この辺りを詳しく説明しだすと長くなってしまうので簡単にさせてもらいますと、決して制度として認められていないのではなく、単純に棋力の差が男女で大きいため、対局でお金が貰える四段の壁を破った女性がいないということです。
しかもこの主人公・なゆた、女性棋士というだけでも将棋漫画としては面白い設定ですが、なんと「玉座」というタイトルホルダーでもあります。一見、関西弁を話す食い意地張った巨乳なお姉ちゃんにしか見えませんが、その実かなりすごい人物だったりします。そのあたりのとんでも設定をさらっとストーリー上に織り交ぜていたので、むしろありえない感も薄れて上手い流れだったなと思います。

真剣な対局もなかなか見応えありましたが、当然この作品で重きを置いている棋士が食べるめし≠ェ、最大の見所。
勝負にかける棋士たちが対局中に食べるグルメは、カレーやウナギ、カツ丼や寿司など、特に珍しいものが出てくるわけではありません。少々お高めではありますけど。
それも、この先を戦い抜くためのエネルギー補給としてだけではなく、メニューを決める際にはゲンを担いだり、ライバルの棋士たちと何を食べるかで意地を張り合ったりと、食事を将棋や目の前の対局と絡ませているところは面白いですね。
なゆたが非常に表情豊かなキャラクターなのは、これがグルメ漫画でもあるからなのかもしれませんね。食事シーンでは色んな表情を見せますけど過度な表現にはなっていないところは作品と合っていて、ほどよい演出で美味しさを魅せるやり方は良かったと思います。

将棋もグルメも楽しめる漫画『将棋めし』の紹介でした。将棋に詳しくない人でも、楽しみながら必要な知識は得られるようになっていますし、食事やおやつは実際にあったエピソードを元にされているようなので、将棋ファンにも嬉しい内容だったと思います。まあ、人によっては中途半端に感じる人もいるかと思われますけどね。
それと、登場人物たちが織り成す人間ドラマもなかなか面白いです。性別を越えて良い関係を築いている同期のライバルや兄弟弟子や、同じ世界で戦っている父親など。特に良かったのは可愛いファンの女の子との交流と、ある1人の女流棋士とのふれあいですね。全体的には明るい雰囲気ですけど良いバランスでシリアスも組み込まれています。
色々な要素を取り込み過ぎな気もしなくはないですが、その割りには破綻もなく良くまとまっていて、むしろ将棋漫画としては読みやすい作品として出来上がっていました。どこまでネタが続くか心配ですけど長く続いて欲しいですね。


【eBookJapan】 将棋めし
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2017年06月11日

【紹介した作品の新刊発売情報】ばらかもん 第15巻 他16作品

2017年6月12日〜6月18日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。


ダンベル何キロ持てる? 第2巻 2017年6月12日発売

ダンベル何キロ持てる?の過去記事はこちら



ケンガンアシュラ 第20巻 2017年6月12日発売

ケンガンアシュラの過去記事はこちら



猫絵十兵衛〜御伽草紙〜 第18巻 2017年6月12日発売

猫絵十兵衛〜御伽草紙〜の過去記事はこちら



ばらかもん 第15巻 2017年6月12日発売

ばらかもんの過去記事はこちら



サポルト!木更津女子サポ応援記 第3巻 2017年6月12日発売

サポルト! 木更津女子サポ応援記の過去記事はこちら



私がモテてどうすんだ 第12巻 2017年6月13日発売

私がモテてどうすんだの過去記事はこちら



サチのお寺ごはん 第4巻 2017年6月16日発売

サチのお寺ごはんの過去記事はこちら



れんあいこわい 第2巻 2017年6月16日発売

れんあいこわいの過去記事はこちら



さよなら私のクラマー 第3巻 2017年6月16日発売

さよなら私のクラマーの過去記事はこちら



星野、目をつぶって。 第6巻 2017年6月16日発売

星野、目をつぶって。の過去記事はこちら



ポンコツンデレな幼馴染 第2巻 2017年6月16日発売

ポンコツンデレな幼馴染の過去記事はこちら



らんま1/2 第13巻 2017年6月16日発売

らんま1/2の過去記事はこちら



あおざくら 防衛大学校物語 第4巻 2017年6月16日発売

あおざくら 防衛大学校物語の過去記事はこちら



古見さんは、コミュ症です。 第4巻 2017年6月16日発売

古見さんは、コミュ症です。の過去記事はこちら



BIRDMEN 第10巻 2017年6月16日発売

BIRDMEN(バードメン)の過去記事はこちら



試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。


ぼくの素晴らしい人生 第01巻
著者:愛本 みずほ
掲載:BE・LOVE
2017年6月13日発売


幼いころから文字の読み書きが苦手な青年・朝倉忍(あさくら しのぶ)。いつかは出来るようになると思っていたが一向に改善されず、勉強にもついて行けなくなったことで高校を止めてバイトを始めるも、どこで何をやっても長続きすることはなかった。
それは自分の頭が悪いせいだとずっと思っていた忍。しかし、たまたま立ち寄ったカフェの男性店員から「ディスレクシア」という読字障害の存在を教えてもらい、自分が障害者であることを知った。
障害ならどんなに頑張っても無駄だと気落ちする忍だったが、同じディスレクシアでありながらそのことに捉われずに生きるカフェの店員の話を聞いたことで、自分も変わりたいと思い立ち・・・・。

ディスレクシアという読み書きが困難な障害を抱えた青年が、本当の自分と出会う物語。
作者は『だいすき!!』シリーズで有名な漫画家・「愛本みずほ」さん。

「ディスレクシア」――知的能力には問題ないものの、文字の読み書きの能力に著しい困難を持つ学習障害の一種で、読み書き障害、難読症とも呼ばれることがあります。

そんなディスレクシアである男性を主人公に据えた作品。恥ずかしながら私はこの作品を読んで初めてこの障害を知りました。

主人公の・朝倉忍(あさくら しのぶ)は、幼い頃から文字の読み書きが困難であったものの、自身がディスレクシアであることは知らずに育った男性。
画面や紙面に書かれた文字は歪んで見えるため、読み取るだけでも困難。書くという行為も同様で、仕事の内容をメモに書くことができず、仕方なくスマホで撮影して確認していたら遊んでいると勘違いされる始末。
会話に関しては特に問題なく、見た目もいたって普通であるため、とても障害を抱えているようには見えません。だからこそ彼の行動は周囲の人たちからは理解され辛く、本人も今まで自分が障害者であることを知らなかったことで、何をやっても長続きすることができずに悩んでいました。
そんな忍がたまたま入店したカフェでディスレクシアの男性店員と出会います。その出会いによって自分が障害を抱えていたことを知り、さらに一緒に暮らしている祖母が倒れたことも起因して、忍は自分を変えたいという思いを強く持つようになり、勇気を出して新たな一歩を踏み出しました。

1話はディスレクシアとはどういった障害なのかという簡単な説明と、障害で苦しんでいた主人公・忍が変わろうと歩み始めるところまでを描いた内容。
とても興味深い設定と内容、そしてキャラクターでした。忍がこれからどのような道をどのように歩んで行くのかが見所でしょうね。ディスレクシアなどの障害についてはもちろんのこと、障害者が抱える苦悩や日常生活での苦労などを知る良い機会にもなるかと。
読めば元気を与えてもらえる作品とのことなので、1巻発売とても楽しみにしています。

試し読みはBE・LOVE|講談社コミックプラスさんの公式サイトで配信しています。(こちら



楽々神話 第01巻
著者:椿 太郎
掲載:週刊少年マガジン
2017年6月16日発売


ケンカが強過ぎることで周囲から化物と恐れられている高校生の少年・東堂司(とうどう つかさ)。集団で襲って来た不良たちをたった1人で返り討ちにした司は、どういう訳か頭から川に刺さって溺れかけていた少女を発見し、理解に苦しみながらもさすがに放っておけなかったことで川から助け出しす。
自分のことを「神様です」とおかしなことを言い出す神無(かんな)という名の助けた少女に付き纏われ、仕方なく彼女に付き合って海までやって来た司は、そこでナンパ男たちを雷で撃退する神の力を目の当たりにする。
そこに、天津神を名乗る男が現れ、神無の真実が明かされるなど、神の問題に巻き込まれていく司。さらに、なぜか神無が「不束者ですが〜」と勝手に居候することになって・・・。

厄災招く疫病神の少女神様が、化物と恐れられている人間の少年を巻き込んで送る、ハチャメチャな騒動繰り広げる超感覚青春コメディ。
作者はおそらく新人漫画家の「椿太郎(つばき たろう)」さん。

周囲から孤立していたケンカが強過ぎる問題児少年の前に、長く高天原に封印されていた疫病神の少女が現れたことで、彼の日常が“厄災”塗れのヤバイ毎日に変わっていく話・・・たぶん。

主な登場人物は今のところ2人。
100年もの間封印されていた高天原から家出してきた神様・神無(かんな)。ちょいエロの可愛い美少女だけどかなりのアホでちょっとウザい。生まれた時から“厄災”を招く力を持っていたことで疫病神と恐れら、力の暴走を防ぐために封印されていたようですが、封印の札が外れていたことで家出。実際は彼女を抹殺するためにわざと外されていたわけですけど。当然地上の常識は皆無。
そんな彼女が出会ったクールな高校生が東堂司(とうどう つかさ)。化物と恐れられるほどケンカが桁外れに強く、周囲から孤立していた少年。

2人とも母親を既に亡くしているという同じ境遇で、どちらもその死の原因は自分にあると思っている2人です。そのことから“疫病神”と忌み嫌われ、「生まれてきたことが罪」とまで吐き捨てられる神無。片や“化物”“悪魔の子”と疎まれ、心無い人から「生まれて来なければよかったのに」と言われた司。
この設定からも分かるようにコメディ一辺倒ではなく、シリアス設定も織り交ぜた展開を見せていました。

とはいえ、全体的にはコメディ寄りで明るい内容。破天荒なアホ少女とクールな少年の組み合わせは定番ではありますが、このコンビが繰り広げるノリとテンポの良いボケとツッコミは面白く、神無のアホっぷりも笑え、コントか漫才でも見てるかのようで楽しめました。
絵に関してはそれなりに高い画力かと。ただ、まだ新人さんということもあるため荒さも若干目立っていたので、今後の成長に期待といった感じですね。

斬新さはあまりないですけどちょっと懐かしい面白さを感じられ、定番ながら良く練られた設定だったと思います。見せ方次第ではかなり面白い作品になる可能性を秘めているので、個人的に結構期待してます。

試し読みはマガメガMAGAMEGAさんの公式サイトで配信しています。(こちら

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2017年06月09日

漫画『三成さんは京都を許さない―琵琶湖ノ水ヲ止メヨ―』1巻の感想とあらすじ

『三成さんは京都を許さない―琵琶湖ノ水ヲ止メヨ―』1巻の感想。


三成さんは京都を許さない―琵琶湖ノ水ヲ止メヨ―
著者:さかなこうじ
掲載:くらげバンチ
1巻発売日:2017年3月9日

あらすじ・概要

戦国時代、織田信長をはじめとした数多の武将たちが奪い合いあった重要拠点。その地の名は「近江」――現在、「滋賀県」。
かつては「近江を制する者は天下を制す!!」とまで言われた要所でありながら、現在は全国都道府県別魅力度ランキング「43位」として、毎年下位争いを繰り広げている有様。地味な県、パっとしない、関西ヒエラルキーの底辺、琵琶湖だけが取り柄など、県民からですら散々な評価・・・。
そんな現状を憂いた知事(ゴリラ)が滋賀県を立て直すため、県知事特別秘書に任命した人物は、なんと現代へタイムスリップしてきた戦国武将・石田光成だった。
滋賀が落ちぶれた原因は全て「京都」にあると目の敵きにする光成は、滋賀県が今一度天下に躍り出るため、職員たちに向け――仇敵「京都をボッコボコにするのです」――と宣言。今この現代を舞台に、天下分け目の戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。

戦国時代からタイムスリップしてきた智将・石田光成が、滋賀県を立て直して知名度を上げるべく、京都を目下の仇敵として(無謀な)仁義なき戦いを繰り広げる話。
なぜか現代へタイムスリップしてきた石田光成を主人公にした「滋賀県」のご当地紹介コメディ。帯には「逆襲の滋賀!!!」。2016年10月から「くらげバンチ」にて連載開始されています。
作者は、『鬼さんこちら!』(まんがタイムファミリー)でデビューした滋賀県出身の漫画家・「さかなこうじ」さん。

感想

今や漫画・アニメが町興しに使われることはさして珍しくもなく、特定の地域のみをピックアップした「ご当地漫画」と呼ばれるジャンルまで生まれています。ご当地ネタ満載で地元住民は「あるある」と楽しめるのはもちろんのこと、その地域以外の人が読んでも楽しみながら色々な知識を得ることがき、取り上げた舞台への興味を深めることができるかもしれません。作中で登場した実際に存在する場所に行ってみる楽しみもありますね。
例えば、群馬県の『お前はまだグンマを知らない』や、静岡県の『ローカル女子の遠吠え。それから博多の『博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?』などがあります。
『三成さんは京都を許さない―琵琶湖ノ水ヲ止メヨ―』は滋賀県を舞台にした自虐も盛り込んだご当地下克上コメディ漫画。しかも、タイムスリップしてきた地元と馴染み深い戦国武将を主人公に据えるなど、他にはあまりない面白い見せ方をしている作品です。

滋賀県民や滋賀事情にそこそこ詳しい方なら、この表紙イラスト・タイトル・帯の文言を見ればどんな内容かは「ピンっ!」と来るのかもしれませんが、そうでない人からしたら第一印象は「なんだこれ?」といった感じではないかと思います。
この作品は上記にも書いた通り滋賀県を舞台にした「ご当地漫画」。ローカルネタに自虐をふんだんに盛り込んだ内容でありながら、不思議と滋賀の魅力を強く感じられ、地元民なら納得の「あるある」として、県民ではない人なら訪れてみたいと思わせてくれる作品です。掲載が『お前はまだグンマを知らない』と同じ新潮社「くらげバンチ」という時点でちょっと笑えます。
これは、どういう訳か現代へタイムスリップしてきた戦国武将・石田三成が、これまたどういう訳か就職していた滋賀県庁で、仇敵・京都を「ボッコボコ」にして下克上をはかろうと息巻きながら、県民としての誇りと愛を胸に出生地である滋賀復興を目指す話。

物語は、日本食トップレベルの悪臭を放つ「鮒鮨(ふなずし)」によって騒然となっていた滋賀県庁職員たちのもとに、ゴリラ県知事から特別秘書を拝命した三成が戻って来たところから始まります。
その場は三成の見事な手腕によって、鮒鮨を初心者でも美味しくお手軽に食べられる「鮒鮨のお茶漬け」にすることで解決。そして三成はお局様のように「滋賀県民としてもっと誇りを持ちなさい」と職員達を叱りつけるのですが、自信を失っている彼らから返ってきた言葉は・・・
―電話しても「千葉」や「佐賀」に間違えられる。
―自分たちから見ても名産物はパっとしない。
―琵琶湖だけが取り柄。
―地味

など、散々な評価。もちろん三成も黙ってはいません。各種様々なデータを持ち寄り滋賀の素晴らしさを語って職員達を湧かせ、滋賀の地味な現状は全て彼奴ら「京都」にあるとし、コンプレックスの塊と化していた職員達の士気を向上させ、京都完全討伐のために動き出しました。

最初はそこまで京都を目の敵にしなくてもいいのにとは思いましたが、事情を知るとちょっと納得。関西圏で言えば奈良と京都、京都と大阪もややこしい雰囲気を感じますが、滋賀と京都の間柄はそれら以上に張り詰めていそうです。まあ、はんなり笑顔で余裕綽々な京都府民の姿が目に浮かびますけど。
滋賀県あるあるネタ満載で送られていて、中でもやはりスーパーマーケット平和堂のエピソードが特に面白かったですね。どこに行ってもある平和堂。金色のホップカード普及率は8割以上とか、もう平和堂のポイントカードが県民証みたいなものですね。

実はタイムスリップしているのは石田治部少輔三成だけではなく、アニオタと化した大谷刑部少輔吉継も同じ滋賀県庁で働いてたりします。もしかして滋賀県知事がゴリラなのは、この2人が猿(秀吉)に仕えていたところから来てるのかも。それとも単純に・・・。他にも三成の手先として破壊神・島左近まで現れ、京都側にはまさかの人物まで登場。

出だしのインパクトが強烈だっただけに後半は失速していくかなと不安になりましたが、最初から最後まで勢いは衰えることなく駆け抜けてくれました。設定、キャラクター、ストーリーは見事で、滋賀県民はどうか知りませんが、それ以外の人なら肩肘張らず気楽に楽しめる作品。
三成の智謀によって京都への下克上は成されるのかは楽しみなところ。ただ、確か三成のお墓は京都の大徳寺三玄院にあったはずなんですけど、それはいいのだろうか・・・。
私は他県の人間なのであとどれだけ滋賀あるあるが埋まっているのかは分かりませんが、2巻以降も是非このノリを継続してもらいたいですね。とりあえず元気な滋賀県が見れて良かったです。


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2017年06月05日

漫画『うちのメイドがウザすぎる!』1巻の感想とあらすじ

『うちのメイドがウザすぎる!』1巻の感想。


うちのメイドがウザすぎる!
著者:中村カンコ
掲載:月刊アクション
1巻発売日:2017年1月12日

あらすじ・概要

ハローワークに「白人美少女とキャッキャウフフできる求人」を探しに来た元・自衛官の女性・鴨居つばめ。もちろんそんなバカげた求人があるわけもなく、帰り道をトボトボ歩きながら世の中の世知辛さを嘆いていると、とある家の前で「家政婦急募」の求人広告を発見した。
その家は以前通りかかった折、庭で母親らしき女性と遊んでいた雪の妖精のような白人美少女を見つけた家。電柱に登ってまだ少女が住んでいることを確認したつばめは、さっそく家政婦になるべく突撃し、父子家庭になっていたその家ですんなり雇ってもらえることになった。
母を亡くして父と2人で暮らしていたロシア系の小学生女子・ミーシャと、変態ムキムキマッチョの元自衛官女性・つばめの、賑やかでウザすぎる日常の幕が開かれた。

幼女とキャッキャウフフしたい変態ムキムキマッチョ女性が、母親を亡くしたロシア系のひきこもり美少女がいる家で家政婦として雇われ、少女にウザがられながらも予想外の行動と一途な愛で距離を縮めていく賑やかな日常を描いた物語。
マッチョなヘンタイ家政婦とロシア系小学生女子との日常を描いたハートフル(?)なホームコメディ。作者曰く「汚いおねロリ」で、「ピュア百合」ともおっしゃってますが・・・。ある意味ではピュアなのかな?
元々はピュア百合アンソロジー「ひらり、」に掲載されていたものが「アクション」に移籍した作品。作者はゲームメーカーに務めていた経歴を持つイラストレーター、漫画家の「中村カンコ」さん。女性です。

感想

「お姉さん」と「少年」を組み合わせた「おねショタ」モノはそこそこ大きなジャンルとして、男性向け女性向け関わらず色々な作品が生まれていますね。最近では『私の少年』は個人的にヒットした作品で続きは非常に気になるところ。それに、おねシャタがメインテーマではなくてもそのカップリング要素を多かれ少なかれ組みこんでいる作品も多く見られます。
対して「お姉さん」と「少女」を組み合わせた「おねロリ」は、扱われる場所が限定され過ぎているので目にする機会はああまり多くはないと思います。私が思い浮かぶ作品も『ご主人様と獣耳のメル』と『柚子森さん』ぐらい。まあ、これもその要素を多少取り入れてる作品ならちらほらありますけど。
本日紹介する一冊『うちのメイドがウザすぎる!』は「おねロリ」のピュア百合作品とのこと。ただ、百合専門雑誌に掲載されているようなガッツリ百合百合してるわけではなく、コメディ色が強い内容なので広い読者層に楽しんでもらえる作品になっています。

特に内容も評判も知らずに買ったんですが、手に取ったのはロリっ子の愛らしさに・・・ではなく、裏表紙のガチムチ女性に釣られてしまいました。わたくし、筋肉が好きなもので。

さて物語の始まりは、数ヶ月前まで航空自衛官として日々任務と訓練に励んでいた筋肉ムキムキバッキバキの女性・鴨居つばめが、幼女とキャッキャウフフ出来る仕事を求めてハローワークを訪れたところから開幕。冒頭時点でこれはヤバい作品だと確信。
まあ当然ながらそんな募集があるわけもないので仕方なく帰り道をトボトボ歩いていると、以前ロシア系の白人ロリ美少女を見かけた家の前で家政婦募集の広告を発見。そして何をするのかと思ったら、少女がまだ住んでいるかを確認するために電柱へよじ登り、2Fでその子を見つけてニコやかに手を振るという予想外の行動。完全に通報ものではありますが、父親は見てないうえに元自衛官という経歴もあったことで、母親を亡くして父と娘の2人で暮らしていたこの家で雇ってもらえることになりました。
そんなこんなで最初の印象は最悪、好感度もゼロを下回ってマイナスからの、闘う変態ムキムキロリコン家政婦女と、彼女を追い出したいロシア系幼女との戦いの火蓋が切って落とされました。

最大の特徴は兎にも角にもインパクトとクセが強烈過ぎる元自衛官の家政婦・鴨居つばめという女性キャラ。鍛え抜かれた肉体は全身ムキムキで腹筋もバッキバキと素晴らしく、見た目だけなら申し分のない美女だったんですが、中身に関してはOUTだらけ。それもヤバいレベルで。
同性からモテモテな彼女なんですが、初潮過ぎた子には興味ないと言い放つ真性のロリコンで変態な女。ミーシャに対して自衛隊仕込みのセクハラやストーキング行為を決行し、脅威のタフネスさで潜伏して彼女を待ち伏せ、初潮が訪れていない少女の良さを力説する救いようのない変態。下手にハイスペックだから一般人には手に負えず、そこに悪意が全くないから余計タチが悪いときてます。
また、酷いのはおつむが弱いせいか、ミーシャと距離を縮めるために服装から近づこうとするのですが、メイド服から始まり、サイズが合うわけもない彼女の体操服を無理やり着て、ランドセルまで背負うという奇行ぶり。これは、かなりきつい・・・。

もちろん家政婦つばめの変態な行動にドン引きさせられるだけのコメディ漫画ではありません。母親を亡くして雇った家政婦をことごとくクビに仕向け、ある事情から登校拒否をしているミーシャが閉ざしている心のドア。それをつばめが少しずつ開けていくという温かさもあります。
まあ、やり方はかなりの力技・・・というより変態的なアプローチだったりしますけどね。良い雰囲気が長く続かないのも特徴で、1ページ2ページめくったらさっそく何かしらやらかしてる変態家政婦つばめです。

変態家政婦の残念さが弾け過ぎてるピュア百合(???)漫画『うちのメイドがウザすぎる!』の1巻でした。きっかけは女性の見事な筋肉に釣られただけだったんですが、内容・キャラクター・演出どれも予想外なことばかりで非常に面白かったです。
特に頭を使う必要もないので気楽に漫画を読みたいときにはちょうどいい作品ですね。突っ込みどころは満載ですけど。つばめのミーシャとキャッキャウフフしたいという望みは叶うのかな。叶えてはいけない気もしますが、彼女の飛びぬけた行動と言動には今後も期待してます。
あと、タイトルは「ウザい」というより「ヤヴァい」or「変態」の方が正しいですね。


【eBookJapan】 うちのメイドがウザすぎる!


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2017年06月04日

【紹介した作品の新刊発売情報】7SEEDS 第34巻 他5作品

2017年6月5日〜6月11日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。



AIの遺電子 第6巻 2017年6月8日発売

AIの遺電子の過去記事はこちら



恋と嘘 第6巻 2017年6月9日発売

恋と嘘の過去記事はこちら



アヴァルト 第5巻 2017年6月9日発売

アヴァルトの過去記事はこちら



7SEEDS 第34巻 2017年6月9日発売

7SEEDSの過去記事はこちら



応天の門 第7巻 2017年6月9日発売

応天の門の過去記事はこちら



試し読みをして気になった作品もひとつ紹介します。


熊西美術部らふすけ先輩 第01巻
著者:おにお
掲載:別冊少年マガジン
2017年6月9日発売


放課後の静かな美術室で顔を赤らめながら1人の男子の前でポーズをとるヤンキー娘・嵐恵(あらし めぐみ)。その外見にピンッときた後輩の美術部員である江田誠二(えだ せいじ)に頼まれ、文句を言いながら止めることなく毎日絵のモデルをやり続けていた。
普段はヤンキーらしく強気な彼女だが、デッサンしている彼の熱い視線を感じ、彼の誉め言葉を聞き、彼に自分の体を描かれていることを意識すると、ムズムズこそばゆくてどうにもおかしくなってしまいそうになる。
唐変木な江田くんの裏表のない振る舞いに翻弄されっぱなしだけど、何だかんだで今日も変わらず2人だけの秘密の時間を送り、やっぱり恥ずかしくなってしまう先輩だった。

ヤンキー娘をメガネくんが絶賛デッサンする秘密の美術部リビドーコメディ。
作者は現在『ふたりのじかん』『ユキトミス』も他誌で連載されている新鋭漫画家・「おにお」さん。

この漫画を一言で言ってしまえば、美術オタクに滅茶苦茶デッサンされてしまうヤンキー娘の恥じらう姿を愛でる作品。
これで間違ってないと思います。

登場人物は2人の高校生。
帰宅部2年生(16歳)の先輩女子生徒・嵐恵(あらし めぐみ)は、見た目は髪を金髪に染めて耳ピアスを付けているいかにもなヤンキー娘。胸が大きくてスラっとした足が綺麗なスタイル抜群の女の子です。
美術部1年生(15歳)の男子生徒・江田誠二(えだ せいじ)は、一見どこにでもいるメガネを掛けた平凡な少年。ですが、美術への思い入れが強い変人オタクで空気が読めない唐変木。絵を描き始めると極端なほど人が変わります。大層な野望を持っているらしい。

江田くんが先輩に何か強く引かれるモノを感じ、デッサンモデルを頼んだそうです。彼女は押しに弱そうなのでぐいぐい迫られて押し切られたか、絶賛されて丸め込まれでもしたのかな?

特長は、とにかく先輩こと嵐恵が可愛過ぎる上にリビドーを強く刺激してくるところ。やはり分かっていてもギャップというものは凄まじい威力を持っていますね。
普段は強気なヤンキーでありながら、毎日何時間も江田くんのデッサンモデルに付き合っているのですが、向けられる彼の熱い視線と絶賛の言葉を聞いて赤面しながら恥じらう姿は可愛いにも程があります。
さらに、彼の手で自分の体が描かれていることを意識すると、彼女はどうにもこうにもゾクゾクムズムズこそばゆくなってしまうようで、その姿が非常になまめかしくて目が離せない魅力を醸し出しています。
そんな彼女と密室に2人きりでいるのに一切動じない江田くんは変人で間違いなし。まあ、偏見かもしれませんけど美術関係の人って変わってる人が多いイメージあります。

あと、毎回エピソード内で実際に存在する美術品にふれられているのも特徴のひとつ。それがメインというわけではありませんが、読めば美術の知識も深められると思います。

1ページ目から終始ニヤニヤが治まりませんでした。2人のやりとりは温度差があって面白く、江田くんに翻弄されっぱなしの先輩はとにかく可愛い。ラブコメとして楽しみながら、人によっては同時に何かに目覚めてしまいそうになる作品かと。
今後キャラクターが増えるかもしれないのでどうなるかは分かりませんが、試し読み時点での他には誰もいない2人だけの世界は良い雰囲気が出てましたね。

これは個人的にかなり期待しているので、1巻を非常に楽しみにしてます。ちなみに、先輩の作画9割は顔を赤らめてました。
試し読みはマガメガMAGAMEGAさんの公式サイトで配信しています。(こちら

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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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