2017年02月07日
漫画『あおざくら 防衛大学校物語』1巻の感想とあらすじ
『あおざくら 防衛大学校物語』1巻の感想。
あおざくら 防衛大学校物語
著者:二階堂ヒカル
掲載:週刊少年サンデー
1巻発売日:2016年9月16日
東京都調布市、地元でも有名な進学校へ通う高校3年生の近藤勇美は、試験で1位を取るほど優秀な成績を収めている優等生。勇美は一流大学も十分狙える学力を持っていたが、元々火の車だった実家の定食屋は再開発により畳むことになり、金銭的な余裕はないため進学への道は絶望的な状況になっていた。
そんな時、進路相談に乗ってくれていた先生が集めてきた資料の中に、防衛大学校の学校案内を見つける。日本で最も大変な大学だという話だったが、なんと受験料・入学金・学費が全て無料なうえ、毎月手当てまで貰えることを知り、「受かってやる!」と奮起した勇美は勉学に励み見事合格を勝ち取った。
高校を卒業して全寮制の防衛大学校へ着校した勇美は、同期の仲間たちと共に先輩の温かい歓迎を受けたのだが、入学式を終えるとその状況は一変することに・・・。
幹部自衛官を養成する防衛大学校へ進学した勉強好きの少年が、想像以上に過酷なキャンパスライフを送るなかで、仲間たちと厳しい仕打ちに耐えながら共に成長していく物語。
防衛大を舞台に繰り広げられる青春漫画。友人に薦められたことがきっかけで本作のことを知り、防衛大が舞台ということで最初はお堅い作品なのかなと少し躊躇したんですが、見覚えのある作者の名前を見て「ん〜?もしや?」。まさかの『ヘブンズランナーアキラ』の作者:二階堂ヒカルさんでした。あの強烈過ぎるアキラというキャラクターを生んだ著者先生の新作だということで、俄然興味が湧いてしまいました。
私が今まで読んだことのある自衛隊を題材に扱った作品は『ライジングサン』だけですが、それと比べたら少しマイルドなので本作の方が少年向きだと思います。ライジングサンは来る者拒まずの広い扉が開かれている陸自自衛官候補生、こちらは幹部自衛官を養成するための試験が相当難関らしい防衛大です。
『銀の匙』や『もやしもん』でも言えることですが、今までほとんど関わりのなかった専門・特殊な学校を舞台にした作品というのは、知らなかった多くの知識を得ることができるので楽しいですね。
防衛大、名前ぐらいなら聞いたことある人は多いと思いますが、いったい何のための学校なのかと問われると、「未来の幹部を育ててる学校」程度のふわっとした解答ぐらいしか私にはできませんね。本作ではそんな防衛大の中で起きている様子を見ることができます。
防衛大での日常を描いているという点だけを見ると、ある意味これも日常系作品と言えるのかも。一般的な日常系がほのぼのした傾向にあるのに対し、こちらの内情はあまりにも過酷で理不尽な日常なわけですけど。
主人公の近藤勇美は開始時点ではまだ進学校へ通っていた高校3年生。進路担当の先生からは早慶も狙えると言われ、本人も勉強は好きなようですが、実家が営んでいる定食屋の経営状態は芳しくなく、進学はほぼ諦めてる状態。追い討ちをかけるように都市開発で店を畳むことになり、金銭的にはさらに厳しくなったことで就職が濃厚になってしまいました。
そんなときに防衛大の存在を進路担当の先生から聞かされます。受験料・入学金・学費が全て無料、しかも勉強しながら毎月国から手当てまで支給される防衛大。窮地に陥っていた勇美にはこれ以上ない好条件だったため、「フハハハハ」と喜びを爆発させ、入試に向け勉学に励んだ結果見事に合格達成しました。プロローグ以降は防衛大での新生活に突入。
まず言いたいのは、やり方が・・・エグい。最初は拍子抜けしてしまうほど先輩方も歓迎ムードで和やかな雰囲気。ただ、所々に「おかしい」と匂わせる様子も伺え、それが入学式を終えた途端に表面化。先輩の表情からは一切の優しい笑みは消え失せ、何もかもがガラっと変貌を遂げます。入学式を終えるまではただのお客様、ここからは国民の税金を使う国家公務員となり、一切の甘えも許されない状況。飛び交う怒号、やり直しの連続、反省という名の罰、まだ戸惑いを消せない新入生に次から次へと理不尽な出来事が波のように討ちつけてきます。
自衛隊が厳しい世界というのは感覚的には分かってるつもりでいましたが、予想を遥かに凌ぐ凄まじい光景を見てしまいました。防衛大生の日常は一般人にとっての非日常。ベッドって、飛ぶんですね・・・。
まあ、自衛隊について詳しいわけではないのでどこがリアルでどこまでがフィクションなのかは判断できませんが、仮にこの通りだとした場合、私なら1週間ともたず逃げ出す自信がありますね。体力と知力以前に精神面であっさり心が折れてしまいそうです。
漫画なので誇張されてる部分はあると思いますが、知らなかった世界を入り口程度でも見れたのは面白かったです。「うわぁ・・・」と若干引いてしまうほど厳しい世界でしたけど。ただ、それでも嫌な気分にならなかったのは、それらの行為が決して嫌がらせやいじめの類ではないことが分かってるからでしょうね。確かなことが書かれているわけではありませんが、なんとなく察することはできます。当人たちは分かっていようが辛いことに変わりないでしょうけど。
やはり見所は主人公たちがこれからどう成長していくのか、そして2巻以降さらに広がりを見せるであろう防衛大での日常、何が行われているのか詳しく教えてもらえたらいいですね。
青春漫画なので、友情、努力、成長、もしかしたら恋愛もあるかも・・・。防衛大に限らず、知らない世界を見てみたいという人にはいい作品だと思います。なかなか面白かったです。
【eBookJapan】 あおざくら 防衛大学校物語
↑無料で試し読みできます
あおざくら 防衛大学校物語
著者:二階堂ヒカル
掲載:週刊少年サンデー
1巻発売日:2016年9月16日
東京都調布市、地元でも有名な進学校へ通う高校3年生の近藤勇美は、試験で1位を取るほど優秀な成績を収めている優等生。勇美は一流大学も十分狙える学力を持っていたが、元々火の車だった実家の定食屋は再開発により畳むことになり、金銭的な余裕はないため進学への道は絶望的な状況になっていた。
そんな時、進路相談に乗ってくれていた先生が集めてきた資料の中に、防衛大学校の学校案内を見つける。日本で最も大変な大学だという話だったが、なんと受験料・入学金・学費が全て無料なうえ、毎月手当てまで貰えることを知り、「受かってやる!」と奮起した勇美は勉学に励み見事合格を勝ち取った。
高校を卒業して全寮制の防衛大学校へ着校した勇美は、同期の仲間たちと共に先輩の温かい歓迎を受けたのだが、入学式を終えるとその状況は一変することに・・・。
幹部自衛官を養成する防衛大学校へ進学した勉強好きの少年が、想像以上に過酷なキャンパスライフを送るなかで、仲間たちと厳しい仕打ちに耐えながら共に成長していく物語。
防衛大を舞台に繰り広げられる青春漫画。友人に薦められたことがきっかけで本作のことを知り、防衛大が舞台ということで最初はお堅い作品なのかなと少し躊躇したんですが、見覚えのある作者の名前を見て「ん〜?もしや?」。まさかの『ヘブンズランナーアキラ』の作者:二階堂ヒカルさんでした。あの強烈過ぎるアキラというキャラクターを生んだ著者先生の新作だということで、俄然興味が湧いてしまいました。
私が今まで読んだことのある自衛隊を題材に扱った作品は『ライジングサン』だけですが、それと比べたら少しマイルドなので本作の方が少年向きだと思います。ライジングサンは来る者拒まずの広い扉が開かれている陸自自衛官候補生、こちらは幹部自衛官を養成するための試験が相当難関らしい防衛大です。
『銀の匙』や『もやしもん』でも言えることですが、今までほとんど関わりのなかった専門・特殊な学校を舞台にした作品というのは、知らなかった多くの知識を得ることができるので楽しいですね。
防衛大、名前ぐらいなら聞いたことある人は多いと思いますが、いったい何のための学校なのかと問われると、「未来の幹部を育ててる学校」程度のふわっとした解答ぐらいしか私にはできませんね。本作ではそんな防衛大の中で起きている様子を見ることができます。
防衛大での日常を描いているという点だけを見ると、ある意味これも日常系作品と言えるのかも。一般的な日常系がほのぼのした傾向にあるのに対し、こちらの内情はあまりにも過酷で理不尽な日常なわけですけど。
主人公の近藤勇美は開始時点ではまだ進学校へ通っていた高校3年生。進路担当の先生からは早慶も狙えると言われ、本人も勉強は好きなようですが、実家が営んでいる定食屋の経営状態は芳しくなく、進学はほぼ諦めてる状態。追い討ちをかけるように都市開発で店を畳むことになり、金銭的にはさらに厳しくなったことで就職が濃厚になってしまいました。
そんなときに防衛大の存在を進路担当の先生から聞かされます。受験料・入学金・学費が全て無料、しかも勉強しながら毎月国から手当てまで支給される防衛大。窮地に陥っていた勇美にはこれ以上ない好条件だったため、「フハハハハ」と喜びを爆発させ、入試に向け勉学に励んだ結果見事に合格達成しました。プロローグ以降は防衛大での新生活に突入。
まず言いたいのは、やり方が・・・エグい。最初は拍子抜けしてしまうほど先輩方も歓迎ムードで和やかな雰囲気。ただ、所々に「おかしい」と匂わせる様子も伺え、それが入学式を終えた途端に表面化。先輩の表情からは一切の優しい笑みは消え失せ、何もかもがガラっと変貌を遂げます。入学式を終えるまではただのお客様、ここからは国民の税金を使う国家公務員となり、一切の甘えも許されない状況。飛び交う怒号、やり直しの連続、反省という名の罰、まだ戸惑いを消せない新入生に次から次へと理不尽な出来事が波のように討ちつけてきます。
自衛隊が厳しい世界というのは感覚的には分かってるつもりでいましたが、予想を遥かに凌ぐ凄まじい光景を見てしまいました。防衛大生の日常は一般人にとっての非日常。ベッドって、飛ぶんですね・・・。
まあ、自衛隊について詳しいわけではないのでどこがリアルでどこまでがフィクションなのかは判断できませんが、仮にこの通りだとした場合、私なら1週間ともたず逃げ出す自信がありますね。体力と知力以前に精神面であっさり心が折れてしまいそうです。
漫画なので誇張されてる部分はあると思いますが、知らなかった世界を入り口程度でも見れたのは面白かったです。「うわぁ・・・」と若干引いてしまうほど厳しい世界でしたけど。ただ、それでも嫌な気分にならなかったのは、それらの行為が決して嫌がらせやいじめの類ではないことが分かってるからでしょうね。確かなことが書かれているわけではありませんが、なんとなく察することはできます。当人たちは分かっていようが辛いことに変わりないでしょうけど。
やはり見所は主人公たちがこれからどう成長していくのか、そして2巻以降さらに広がりを見せるであろう防衛大での日常、何が行われているのか詳しく教えてもらえたらいいですね。
青春漫画なので、友情、努力、成長、もしかしたら恋愛もあるかも・・・。防衛大に限らず、知らない世界を見てみたいという人にはいい作品だと思います。なかなか面白かったです。
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