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2016年12月16日

【ケンガンアシュラ】マンガ 感想&あらすじ 拳≠ニ筋肉≠ナ語り合う漢たちの闘う姿を描いた熱き格闘漫画

裏サンデーMangaONE。2012年4月18日より連載中。既刊20巻
作者:サンドロビッチ・ヤバ子



あらすじ

拳願仕合――企業同士が巨額の利益を賭け、互いが雇い入れた闘技者の素手による決闘を行い、勝者がその全てを手にする企業間の代理戦争。

悩み多き冴えない老年サラリーマンの山下一夫。ある日、路地裏でストリートファイトの現場を目撃し、遥かに体格で上回る相手に何もさせず倒してしまった青年・十鬼蛇王馬と出会う。

後日、突然乃木グループの会長に呼び出された山下一夫は拳願仕合の存在を知らされ、そこで代理の選手として雇われていた王馬と再会し、彼の世話係を担当するよう言い渡される。

組まれた3試合全てを勝利で飾った後、次期拳願会長を決する『拳願絶命トーナメント』の開催が決定したことを知り、その戦いに王馬も山下一夫の闘技者として参戦することに・・・。

己が最強であることを証明するため、十鬼蛇王馬は山下一夫を引き連れ、数多の猛者に挑んでいく。

主要登場人物

・十鬼蛇 王馬
主人公。、元乃木グループ闘技者、現山下商事闘技者。通称「阿修羅」。出自や年齢など多くが謎の人物。ワカメヘアーがトレードマークの、古代ギリシャ像のような美しい肉体の持ち主。己が最強であることを疑わず、それを証明するため闘技者となりました。幼い頃に十鬼蛇二虎から「二虎流」の技を伝授されています。野生児さながらの生活を送っていたため、一般的な社会常識は欠如。

・山下 一夫
うだつの上がらない壮年のサラリーマン。56歳。本作の公式ヒロインらしいです。妻は家を出て行き、長男は引きこもり、次男はグレてヤンキーという崩壊しかけていた家族関係。乃木グループ傘下の乃木出版に勤めていたところ、会長直々に王馬の世話係を言い渡されます。トーナメント参加のため、山下商事の社長に就任。強者を見抜く高い観察能力の持ち主。

・乃木 英樹
幅広い業種を手掛けている大企業、乃木グループの会長。61歳。高いカリスマ性を持つ野心家。拳願絶命トーナメントの開催を提唱した人物。自身の闘技者である初見泉など、多くの優秀な闘技者を有しています。発起人ということから、トーナメントで代表闘技者が敗北した場合、グループは即時解散することが決められています。

・秋山 楓
乃木英樹の秘書。抜群のプロポーッションを持つ眼鏡をかけたクールな知的美女。王馬の世話係として右も左も分からない山下一夫のサポート役を務めています。年齢と体重は不明。自分から積極的にはならないものの、彼氏は欲しいようです。

・片原 滅堂
大日本銀行の総裁。拳願会第58代会長。代表闘技者は「滅堂の牙」こと加納アギト。日本の政財界に多大な影響力を持つ人物。齢90を越えているにもかかわらず、仕事でも女性関係でも現役というパラフルすぎる老人。老いた体からは想像できない威圧を放っています。

・加納 アギト
史上最強の拳願仕合闘技者。第5代「滅堂の牙」。157戦無敗という化物じみた記録を持ち、対戦者の多くは再起不能の傷を負っています。相手に合わせた試合運びをし、受けた技を試合中に分析・吸収してしまうなど、停滞することなく常に進化し続ける怪物。武に関すること以外はてんで疎い。



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感想

企業間の代理戦争として用いられてきた拳願試合に、己が最強だと証明するため足を踏み入れた1人の闘技者と、なんか巻き込まれて世話役をすることになった壮年のサラリーマンの、様々な思惑が渦巻く壮絶な戦いの舞台に挑む熱き物語。
格闘技好き、筋肉好き必見の異種格闘技漫画。単行本9巻、10巻ではストリートファイターとのコラボ作品も掲載され、ケンガンキャラvsストリートファイターキャラのドリームバトルも見ることができます。

拳願仕合とは、企業間で利害を巡る対立が発生した場合、その解決手段として互いが雇い入れた闘技者を戦わせ、決闘の勝敗で様々な権利の譲渡先を決める企業の代理戦争。たった1試合だけで数十億、数百億という巨額の金が動く裏企業スポーツで、武器の使用は一切禁止されている完全ステゴロでの決闘。
そして、それを取り仕切っているのが裏格闘技界最大規模を誇る組織、「拳願会」です。その歴史は正徳5年の江戸時代にまで遡り、江戸幕府が滅びて以降も脈々と現代まで継承され続けていました。いくつもの派閥が存在し、闘技者による試合の裏側ではそれぞれの思惑が蠢いており、この拳願会内での権力争いも見所の一つだと思います。

魅力の1つは個性とクセが強すぎるキャラクターですね。薄味要素が全くない濃過ぎるにも程がある人物が次から次へと登場するため、キャラクター数は非常に多いにもかからず、1度でも目にしたら忘れられない奴等の饗宴になってます。
一応本筋ストーリーの主人公は十鬼蛇王馬と山下一夫であることは間違いありませんが、『グラップラー刃牙』の「最大トーナメント」を模した展開になっているため、主人公そっちのけで他闘技者に焦点を当てることの方が多くなってます。王馬ですら勝てそうにない領域に達している闘技者や、個性立ち過ぎてる闘技者も多数登場し、巻数を重ねるごとに主人公の影はどんどん薄くなっていくという展開を見せましたが、どの試合もメイン級の内容の濃さで描かれているため、王馬には悪いですけど全く気になりませんでした。まあ、その王馬も2回戦で輝きを取り戻せたので、きっと本人もホッとしていることでしょう。
個人的に取分け好きな闘技者は、純粋な強さを見せる「“猛虎”若槻武士」と、戦う姿と覚悟に感動させられた「“大物喰い”金田末吉」ですね。女性キャラでは秋山楓さんに惚れました。

どの試合も目が離せない面白さがあります。プロレス、ボクシング、相撲、作者の創作した格闘技や流派、さらに傭兵や暗殺者、はては医者や元十種競技者まで登場するまさに異種格闘技戦の様相。
奇妙な技を駆使した戦いもありますが、基本は磨き上げ鍛え抜いてきた肉体と技によるガチンコの殴り合い。死人が続出しないことが不思議なくらいまともじゃない攻防が繰り広げられ、意地も曲げないことからどちらかが完全に倒れ伏すまで終わらないといういかれ具合。馬鹿げてる、でもそれが熱い。
その迫力を支えているは作者の高い画力。筋肉一つとってもどこに力を込め、衝撃がどう伝わっているのかがよく分かります。この作者さんの筋肉描写好きです。大きく膨らんだ筋肉なのにゴツゴツとした印象はなく、ムチっとした柔らかさとしなやかな動きを見せ、より躍動感溢れる描写を生んでいます。筋肉祭り最高です。

最近の格闘マンガの中では個人的にピカイチの面白さを誇る作品になってます。
難しいことも複雑なことも何もなく、漢たちの拳で語る姿、壮絶な生き様や死に様を見る漫画です。物語の展開はシンプルなので深く考える必要のなく楽しめる読みやすさがあり、登場人物は強さや勝利を求める背景を描かれているので魅力に磨きが掛かり、高い画力が生む迫力満点なバトル描写は目が話せない面白さがあります。
あと、登場人物たちの普段の様子や、男女逆転した世界、他作品とのコラボを描いてる巻末のおまけもパラエティに富んでいて面白かったですね。
格闘技好き、迫力あるバトルが好き、なにより筋肉が大好きな人ならきっと楽しめる作品だと思いますので、よければ読んでみてください。自信を持っておすすめさせていただきます。



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posted by ハネ吉 at 18:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 格闘

2016年11月16日

【火ノ丸相撲】マンガ 感想&あらすじ 巨漢ひしめく相撲の世界に挑む小兵の熱き物語

週刊少年ジャンプ。2014年26号より連載中。既刊12巻
作者:川田



あらすじ・概要

通称『ダチ高』と呼ばれる千葉県にある大太刀高校。そこの相撲部は一応活動しているものの、部員はたったの1名、相撲道場は不良の溜まり場、練習場は学校の隅に部長が拵えた土俵という劣悪な環境。そんなひっそりと活動を続けていた相撲部に、1人の小さな新入生が現れた。
力士どころか高校生にすら見えない小柄な体格の1年生・潮火ノ丸。実は小学生時代にこども相撲で日本の頂点を極めた火ノ丸は、その強さから『鬼丸』と呼ばれる実力者だった。ところが、中学に入ったところで体の成長が止まってしまい、今までの相撲がまるで通用しなくなったことで、次第に鬼丸の名を人々の記憶から薄れていった。
しかし、相撲への情熱は一切弱まることなく火ノ丸の心を燃やし続け、表舞台の裏で体と技を鍛え続けた火ノ丸は、再び夢への道を歩み始めるのだった。

主要登場人物

・潮 火ノ丸
主人公。大太刀高校の1年生。将来の夢は大相撲の横綱。小学生時代は他を寄せ付けない実力を誇り、その実績から国宝「鬼丸国綱」の異名で呼ばれていました。中学に入り身長が伸びず不遇の時代を送るが、屈することなく鍛え続け、体格差をものともしない力と足腰の強さを身に付けました。真っ向勝負が信条。曲がったことを嫌う実直な性格、面倒見がよく周囲からは「兄貴」と呼び慕われています。学業の成績も優秀。

・小関 信也
大太刀高校相撲部部長の3年生。周囲から嘲笑われながらも、火ノ丸が入部するまでたった1人で相撲部を守っていた人物。面倒見がよく、優しく穏やかな性格。卑屈で気弱なところもあるが、相撲に対する想いは誰よりも強く、ここ1番での迫力は他校の猛者を怯ませるほど。典型的な相撲取り体系、火ノ丸も認めるほどの足腰の強さを持ちます。

・五條 佑真
大太刀高校の3年生。相撲道場を占領していた不良グループのリーダー。空手の有段者で、ケンカの強さから「ダチ高最強の男」と呼ばれていました。火ノ丸との勝負に敗れ道場を明け渡し、自分の小ささを思い知ったことでプライドを捨て、部長に頭を下げ相撲部への入部を決めます。空手で培った技術を生かし、突きを主体に攻める相撲をとります。意外と繊細な性格。

・國崎 千比路
大太刀高校の2年生。レスリングの日本国体王者。将来の目標は総合格闘技のプロになり頂点をとること。相撲を軽く見ていたが文化祭でのイベントで火ノ丸に敗れ、そのことから相撲を自分の格闘技に取り入れるため入部。類稀な身体能力と格闘技センス、戦った相手の技をも盗む高い観察眼を持ちます。頭で考えるのは苦手。学業の成績も悪いです。

・三ツ橋 蛍
大太刀高校の1年生。気弱な性格、小柄で貧相な体格。運動部に入ったことはなく、これまではバリバリの文科系少年。自分と同じぐらいの背丈しかない火ノ丸が國崎を倒したことに感動し、自分を変えるため入部。技術も力も体もまだまだ伴っていないが、チームの勝利に貢献する1勝をあげるため、日々基礎練習に勤しんでいます。

・辻 桐仁
大太刀高校の1年生。火ノ丸の親友。かつては火ノ丸と共に稽古を励んでいたが、肺に障害を抱えているため20秒程度しか戦えなくなり相撲を断念。関東新人戦後に火ノ丸の力になるため監督として入部。部員の欠点を指摘し、長所を伸ばす練習メニューを考えるなど、サポート役としてダテ高相撲部を支える存在。選手として相撲に関わることは諦めていたが・・・。

・五條 礼奈
大太刀高校の2年生。五條佑真の妹。仕事はしないが生徒会副会長であり、さらに「ミスダチ高」。腹黒だが兄想い。兄がまわしを付け汗を流し相撲をとる姿を「カッコワルイ」と思い廃部に追いやろうと企てたが、佑真や火ノ丸の熱意を受け、次第に相撲への興味を持つようになります。現在はマネージャーとして相撲部へ入部。



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感想

小学生時代に相撲で他を圧倒する強さを誇っていた少年が、中学では身長が伸びず屈辱の時代を送るも、屈することなく先を見据えて鍛え続けたことで手に入れた肉体を携え、仲間と共に高校相撲の頂点を目指すため奮闘する物語。
熱血相撲漫画。私が現在注目しているもう1つの相撲漫画『バチバチ』のような大相撲を舞台にした内容ではなく、学生相撲を題材にした作品です。

「これぞジャンプ作品」と称しても差し支えないであろう、今現在では逆に珍しい「友情・努力・勝利」を体現し、読者の心を熱く燃え滾らせてくれる作品です。
私が子供の頃はまだこういった作品を多く目にしましたね。ですが、時代の流れ、読者の嗜好や読者層などの変化・多様性などから、それらしい作品はあってもどこかで変化球を交えたものが増えていったように思えます。別にどちらが良い悪いの話ではないのですが、ド直球で少年漫画の王道を行く作品に出会えると、最近はなんか妙にうれしい気持ちにもなりますね。年かな?

主人公は小柄な高校生力士の潮火ノ丸。大相撲の最高位・横綱になることを目標にしているのですが、「心・技・体」全てを必要とする力士において、彼は最低ラインとも言える「体」に恵まれなかった不遇な少年です。
大相撲新弟子検査では体格検査があり、身長167cm、体重67kg以上という規定を敷いています。肝心の火ノ丸の身長はというと、規定には10cm以上も足りない152cmという高校生にしては小柄すぎる体格。
普通のメンタルの持ち主なら仕方ない、縁がなかったと断念してしまうと思いますが、火ノ丸は足りない部分を補って余りある強靭な「心」の持ち主でした。

検査では通らなくても、まだ1本だけ道は残されていたんですね。高校相撲IHで優勝して「高校横綱」になることで全日本選手権への出場権を獲得でき、そこで優秀な成績を残した者には「幕下付出」が与えられます。それを火ノ丸が目指す理由、幕下付出を有する者はプロ入りの際「体格は不問」という要項があるからです。
険し過ぎる道ではあります。でも、1本だろうと、どんなに細く過酷な道であろうと、まだ歩みを進められる道があるなら進み続けるのが火ノ丸という男です。

火ノ丸は強靭な「心」は持つけど身長不足という「体」に恵まれなかったと書きましたが、彼の熱いところはその「体」を捨てなかったところにあります。
相撲界というのは高校生であろうと100kgを超えるような巨人ひしめく世界。にもかかわらず、彼がとるのはどんな相手であろうと真っ向からぶち当たる横綱相撲です。小兵が巨大な相手を技だけでなく力でも捻じ伏せるという光景、熱くならざるおえないです。
それを可能にするのが鍛えに鍛え抜かれた彼の肉体。中学では公式戦は出場せず、先を見越した強化特訓をこなし続け、そうして手に入れたのが大男をも押し出すパワーを発揮する強靭な肉体と体幹です。今現在は「技」にも磨きをかけ、さらなる成長を遂げています。

主人公のみならず、好感を持てる仲間やライバルたちが多く登場します。不快に思うキャラがあまりいませんでした。最初は不良だった人、卑屈すぎる人、おっかない人、嫌味な人など、登場時こそ不快に思うキャラはいますが、火ノ丸の熱意にあてられて心境を変化させたり、抱えているものがあるからこその態度だったりと、1人1人丁寧にキャラ作りされているのでストーリーが進むにつれ興味が深まる子たちばかり。

ルールが単純だからこそなのか、この作品は漫画の面白さをいかんなく発揮しています。一瞬で勝負が決する相撲、でもその一瞬の中にも多くの攻防があり、その中には熱い想いやこれまで費やしてきた時間も詰まっています。それらを1つの勝負の中にうまく描かれていたと思います
高い画力とバランスの良いコマ割りによって生まれるスピード感と迫力、二転三転する勝負の展開は緊張感もあって素晴らしい出来栄えでしたね。

「面白い!」と自信を持って言える作品。ストーリー展開、キャラクター、取組シーン、どれも読む人の心を熱くさせてくれるものばかりでした。相撲に詳しくない人でも問題なく読めるように、わかり易く簡単な説明・解説も入っているので読み易いと思います。
昨今、実際の大相撲でも日本人力士がようやく優勝を飾れるようになってきて盛り上がり出していますが、この漫画も負けないぐらいの熱さ、面白さを放っています。強大な相手に怯むことなく立ち向かっていく火ノ丸たちの姿、そこから「強さ」とは何なのかを知ることもできるんじゃないかと思います。
是非ともまずは1巻だけでも読んでみてほしいので、お近くの書店にでも立ち寄ったら手にとってみてください。おすすめします。



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posted by ハネ吉 at 18:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 格闘

2016年10月21日

【バチバチ】マンガ 感想&あらすじ 全力のぶつかりあいで熱くさせる相撲漫画。

少年チャンピオン・コミックス。2009年24号から連載中。
バチバチ:全16巻
バチバチBURST:全12巻
鮫島、最後の十五日:既刊9巻
著者:佐藤タカヒロ
他作品:いっぽん!



あらすじ・概要
かつて角界に旋風をもたらし、新たな横綱の誕生を熱望視されながらも、暴力事件を起こし相撲界を追放された元大関・火竜を父に持つ鮫島鯉太郎。関取として死んだも同然となった父は、酒に溺れて見る影もなくなり、遂にはトラックに跳ねられ人生の死を迎えてしまった。
鯉太郎はその後知人に引き取られたが、周囲の心無い中傷は父だけでなく息子にも向けられ、その影響から近隣でも有名な不良少年へ成長していた。相撲を嫌いだと言いながら密かに稽古に励んでいた鯉太郎は、大相撲の巡業へ赴き、そこで序二段と幕下の現役力士を負かしてしまう。それがきっかけとなり空流部屋に入門することになった鯉太郎は、父が届かなかった横綱という頂を目指し、怪物揃いの力士が待ち構える壮絶な戦いの日々へ身を投じていく。

主要登場人物

・鮫島 鯉太郎
主人公。角界を追放され交通事故でこの世を去った大関・火竜の息子。体格は角界の中では小柄で太りにくい体質。不良であったことから荒くれ者であったが、空流部屋での暮らし、親方や兄弟子たちとの交流で、落ち着きと品格を持つようになる。得意の型は「ぶちかまし」「はり手」による押し相撲。兄弟子に伝授してもらった投げ技も使います。

・仁王 剛平/阿形 剛平
鯉太郎の兄弟子で空流部屋の部屋頭。幕下までは阿形、関取になってからは仁王へと四股名を変えています。気性は荒く手が出がちだが、仲間思いで弟弟子からの信頼は厚い。圧倒的な怪力で真正面からぶち当たり力でねじ伏せる相撲をとります。吽形亘孝とは同期で、「力の阿形」「技の吽形」と呼ばれる間柄。

・空流 旭
空流部屋の親方。現役時代の四股名は「春風」。右目を失明しています。飄々をしていながらも相撲への姿勢は真摯であり、弟子たちへの指導も的確。角界の現状に憂慮しています。娘を溺愛。

・王虎 剣市
虎城部屋の親方・元横綱「虎城昇」の1人息子。自分を特別な存在だと思っており、それに見合う実力も兼ね備えていることから、他者を蔑み見下す傾向にあります。マスコミや客の前だけは猫をかぶり愛想よく振舞いますが、同じ力士に対しては尊大な態度をとります。鯉太郎を自分がのし上がるために利用しようという企みを持つ。

・斎藤 真琴
マコ姉。鯉太郎を引き取り育てた火竜の友人・正一の娘。鯉太郎にとっては頭が上がらない姉的存在。料理が得意。なにかと傷の多いやんちゃな鯉太郎を常に心配しており、度々取組を観戦したり空流部屋に様子を見に来ることもあります。



【eBookJapan】 バチバチ 無料で立ち読みできます

【eBookJapan】 バチバチBURST 無料で立ち読みできます

【eBookJapan】 鮫島、最後の十五日 無料で立ち読みできます


感想

角界を追放され交通事故によりこの世を去った大関の父を持つ主人公が、「死んで生きれるか」という父の言葉を胸に、無念を晴らすため、父を越えるため、ライバルたちとしのぎを削る壮絶な戦いに身を投じる物語。
相撲漫画です。格闘技的な土俵上での真剣勝負のみならず、相撲界の慣習や文化などもリアルに描いた作品。
長年待ち望まれた日本人力士の優勝などにより、実際の相撲界もかなり熱が高まってますが、漫画も負けじと『バチバチ』や『火ノ丸相撲』といった人気作が生まれていますね。

今回紹介させていただくこの作品は、全16巻の『バチバチ』、全12巻からなる2部作目の幕下編『バチバチBURST』、そして3部作目にあたる現在連載中の幕内編『鮫島、最後の十五日』が発行されています。
国技のわりには相撲漫画はそれほど数はなく、私もほとんど読んだことのなかったジャンルです。ですが、今なら自信をもってこの作品を相撲漫画の代表作に挙げられますね。あくまで個人的にはですけどそれほど好きになった作品です。

ストーリーに関しては難しいことは全くありません。良い意味で王道とも言えるベタな展開で物語は進み、ストレートに物事を表現しているので非常にわかりやすいです。
本格的に相撲を始めた不良少年が、厳しさのなかに優しさも伺える師匠や兄弟子たちに揉まれ、出会ったライバルたちとしのぎを削りながら成長していく。このような、少年漫画ならではの王道的な熱い展開を見せてくれる漫画です。『バチバチ』というタイトルも、本作の内容を単純かつ明確に表していると思います。

主人公の鯉太郎は巨人揃いの力士の中では背が低く、相撲するうえで致命的な太りにくい体質ということもあり、出だしから体格という大きなハンデを背負っています。普通に考えて小柄な力士がこの世界でのし上がるなら、バリエーション豊かな相撲技を身に着けて巨大な敵に対抗しそうなものです。しかし、この主人公は体格差なんてなんのその、頭からの突進『ぶちかまし』による真っ向勝負を好む気迫が溢れすぎてる男。無謀ともいえる戦法をとりますが、常軌を逸しているかのようにも見える彼の気迫には圧倒され、この主人公から目を離すことができなくなってしまいました。
単純な技や身体的な成長のみならず、空流部屋での師匠や兄弟弟子、それにライバルたちとの交流を積み重ねていくうちに、戦う相手や相撲そのものに敬意を払うようになっていきます。父である荒くれ大関・火竜が最後まで見につけることができなかった品格、これを徐々に身に付けていくなかで心の成長も遂げ、真の力士へと着実に進歩しています。

最大の見所はなんといっても迫力ある土俵上での真剣勝負ですね。それほど細かく描き込まれている絵ではなく、どちらかと言うと大味気味のダイナミックな絵ですが、この作品の内容とはマッチしてると思います。
力士たちの溢れ出す気迫、巨体同士が全身全霊でぶつかり合った衝撃、引けぬ意地の張り合い、持ちうる技を駆使した応酬、どれも目を釘付けられてしまう迫力があり、息つく間もない攻防には圧倒されてしまいます。
その勝負を見守る観客の熱狂も激しく燃え上がっていますね。出血多すぎて若干引き気味になってしまうこともありますが、真っ向からの意地と意地のぶつかり合い、少しでも気を抜けば崩されてしまう一瞬のせめぎ合い、そんな極限の戦いを目にしてしまったら心が奮い立たされるのも道理かと思ってます。会場全体が揺れているかのような歓声はこの作品の熱さの現れですね

作品の魅力をより引き立てている登場生人物たちは1人1人個性が立っていて面白い。生い立ち、積み上げてきた日々、それぞれの性格などをしっかり作り上げているので感情移入し易く、そんなキャラクターから生まれる人間ドラマも面白味が増しています。土俵上で立ち会っている両者のバックボーンを理解し、心理描写まで伺えると、読んでる私の勝負熱も否応なく高まってきますね。

最高に熱くなれる漫画。全力で取り組んでいる熱い力士ばかりなので必然的に多くの感動が生まれます。相撲だけに関わらず、全力、本気、それと愚直なまでのバカの姿というのは、人を強く引き付ける魅力がありますね。無気力試合なんて萎えるだけです。鯉太郎の決して折れない強靭な精神、何度でも息を吹き返す姿には心打たれ、こちらもそれに応えて本気のエールを送りたくなりますね。
それなりにギャグも挟まれているので笑いもあり、実際の相撲に興味ない人でも充分楽しめる内容になってると思います。出血多いのが難点ではありますが、シンプルなストーリーでテンポよく話が進むので読みやすい作品です。自信を持っておすすめできますので、よければ読んでみてください。



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posted by ハネ吉 at 18:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 格闘

2016年10月05日

【オールラウンダー廻】マンガ 感想&あらすじ 格闘技に打ち込む人達の姿をリアルに描いた青春格闘漫画

イブニング。2008年24号から2016年7号まで連載中。全19巻
著者:遠藤浩輝
他作品:EDEN 〜It's an Endless World!〜



あらすじ・概要

強い志も目標もなくなんとなく修斗のジムに通っていた高柳廻は、半ば強制的に出場した大会でかつて同じ空手道場に通っていた幼馴染の山吹木喬と再会する。昔はよく2人でつるんでいた間柄だったが、長い年月離れていたことから関係は冷え込み、さらには昔から嫌いだっと敵視までされてしまう。廻は喬の強さを求める姿に触発されたこと、失恋すらできずに終わりを遂げた勘違いの春に対するうやむやした気持ちをヤル気に変え、修斗に対しての情熱を除々に熱くさせまじめに取り組んでいくようになる。

主要登場人物

・高柳 廻
主人公。高校2年生。「ファイターズ・ブリュー」に所属するアマチュアの修斗選手。特筆した個性は持ち合わせていないが、相手が仕掛けてきた技を見よう見真似でコピーでき、体力もあることから試合が長引くと強さを発揮していくタイプです。山吹木喬とは幼馴染であり、幼い頃は共に空手同情に通っていました。

・山吹木 喬
「小暮ジム」所属するアマチュアの修斗選手。高柳廻とは幼馴染。廻と主に通っていた空手道場主の孫。かなりの実力者であり、空手のみならずボクシングやムエタイを取り入れた打撃を主体とするスタイル。過去の出来事から強さへの渇望が深く大きい。

・神谷 真希
女子高生。廻と同じ「ファイターズ・ブリュー」に所属する女子キックボクシング選手。180cmの長身。勝気で男勝りな性格をしており、廻はよく蹴りをくらってます。長身を活かした打撃と三角締めが得意。男っぽさはあるものの、意外と女子力は高いです。本人は否定していますが、廻を異性として意識しています。

・北村 勇大
高校2年生。「ファイターズ・ブリュー」のアマチュア選手。元々は強化指定選手にも選出された柔道家だったが、訳あって退部しています。プロ志望でプライドが高いことから、当初は廻に対して見下した態度をとっていたが、次第に良きライバルになっていきます。


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感想

打ち込めるものを何一つもっていなかった主人公が、なんとなく始めた総合格闘技修斗を続けていくなかで、ジムの仲間やライバルたちに精神と肉体を鍛えられながら成長していく物語。数ある格闘技の中ではマイナーな部類に入る、アマチュア修斗の世界をリアルに描いた格闘技漫画です。「EDEN」というマニアックな世界観で描かれたSF長編を描いた作者さんです。あの独特な作品から格闘技漫画にジャンル移してきたのには驚きでした。

格闘漫画というと「バキ」や「ケンガンアシュラ」なんかが有名ですけど、それらの作品に出てくるような人間離れした肉体や能力を持った怪物は出てきません。他に私が読んだことのある有名な格闘技漫画でいうと「空手小公子小日向海流」が多少リアルっぽく見えるので前の2作品よりは近いと思います。とはいえ、この作品の方が遥かにリアル路線に乗っていますから方向性は違うのかな。
ケンガンなどに比べると派手さはないですけど、緻密な駆け引きによる緊張感はこちらの方が強く伝わってきました。正直最初3冊ほど読んだときは面白いと思いながらも、試合描写が地味に見えなくもないですし、地道にじっくりゆっくり成長させていく話でもあったことから、長く続けられるのかは心配でしたね。でも終わってみれば消化不良もほぼなく、逆にダラダラ先延ばしすることもなく、寂しくはありましたけど良い幕引きだったと思います。

格闘描写は良くも悪くもリアルに描かれてます。結構通な技とか出てくるので、格闘技をあまり知らない人が読むと状況理解し辛いんじゃなかなと思いましたけど、分からくても面白いっていうのは競技漫画では珍しくないですからね。
前述でも書いたとおり派手さは薄いけど緊張感はあります。立った状態での相手の出方を伺いながらの打撃戦はなかなか見応えありますし、それ以上に寝技の目まぐるしく変化する攻防は必見だと思います。少しの読み違えから相手にきめられてしまったり、自分の好機を逃してしまったり、あとその最中の選手たちの心理もよく描けているので目が放せなくなります。
練習風景もしっかり描いているところがより現実感を持たせ、この作品にとっては好ポイントになってるんじゃないかと思います。

アマで格闘技をやる人達の葛藤についても大きく焦点を当てています。今はもう格闘技冬の時代って言えるんでしょうか?そんな時代で格闘技をやり続けることに対しての意味や、自分たちの未来についても現実的に考えてるところが面白い。
登場人物たちには様々な事情を抱えてる人達が多く、心に傷を持つ人もいたりと、単純な好きだからでは言い表せない想いを秘めて格闘技に向き合っていました。

登場人物の中でも特に派手さ華やかさのない主人公の地味目なところは作風にぴったりですね。得意技らしいものはなく、しいてあげるなら相手に仕掛けられた技を真似られること。試合では毎回ひやひやさせられます。幼馴染の山吹木喬が一撃のもと速攻で相手を沈めるのに対し、メグルは相手の技を受けながら試合の中で成長していくので長期戦になることが多いんですよね。当然1試合1試合の体力消費は激しいのでトーナメントでは不利に働きますし、最初はよく相手選手に翻弄されてるので危なっかしいです。でも事前のデータが通用し辛いタイプでもありますから悪いばかりではないのかな。
地味の中にも花はありました。この作品4割くらい女子格闘技についても描かれているので、そこに登場してくる女性陣は魅力的ですよ。これぞツンデレといった感じのマキちゃんは可愛くて面白いです。口ではなんだかんだと言っておきながら、メグルが他の女性と仲良く話していると足が出てしまったり、そのあたりのことをマリアさんや桃子にいじられたりと、いつも強気なマキちゃんが恋に振り回されてる姿にはニヤニヤさせてもらいました。

格闘技が好きな人はもちろんですけど、そうでない人にも青春漫画として楽しめるんじゃないかと思います。派手な漫画が好きな人にはつまらないかもしれませんけど、地味でもリアルで緻密な試合描写は目が放せませんし、この時代で格闘技をやってる人達の心情を伺えるので見所は多分にあります。まだ終わってほしくなかったという気持ちはありますけど、終わり方もこの作品らしい形で締めくくられていました。格闘、恋愛、友情、修斗を通じての人間ドラマを描いた本作品、出会えたことに感謝です。



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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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