2016年12月21日
【7SEEDS】マンガ 感想&あらすじ 文明が崩壊した未来で目覚めた少年少女たちの冒険と成長を描いたSFサバイバル
別冊少女コミック→月刊フラワーズ。2001年11月号より連載中。既刊31巻
作者:田村由美
他作品:BASARA
両親と弟とペットのネコと一緒にいつもと何も変わらない日常を過ごし、自分の部屋で眠りに着いた16歳の岩清水ナツ。しかし、ベッドの上にいたはずのナツが目を覚ますと、そこは見覚えのない荒れ狂う海に浮かぶ船の上。自分がどうしてこんな所にいるのか、何が起こっているのか、何も分からない状況に戸惑うナツ。ナツは自分と同じように船に乗せられていた少年の嵐や蝉丸たちと行動を共にすることになる。
――あたしたちは、どこに来てしまったんだろう?
近い将来巨大な隕石が地球に衝突することが判明し、人類を含むあらゆる生命が滅亡すると学者らによって予測された。各国で人類を未来に残すために多くのプロジェクトが考えられるなか、政府は未来へ希望を繋ぐ『7SEEDS』計画を打ち立てた。
・ 岩清水 ナツ
高校1年生。16歳。夏のBチーム。内気で大人しい性格の少女。意思表示も苦手で暗く見えることから、学校ではいじめに合い、登校拒否状態。一緒の班になり、優しく何度も助けてくれた嵐に好意を寄せていました。この極限のサバイバル生活を送る中で次第に逞しさを身につけ、仲間のピンチを救うまでに成長していきます。視力が高い。
・末黒野 花
高校2年生。17歳。春のチーム。嵐の恋人。正義感が強く、行動力もある気の強い少女。父親譲りの高いサバイバル能力の持ち主。仲間の危機には臆することなく行動に移し、チームを牽引していくが、その行動力と正義感が災いして自身を危険に晒してしまう事態も引き起こします。恋人である嵐との再会を生きる希望にしています。
・新巻 鷹弘
高校2年生。冬のチーム。50年に1人のピッチャーと評されていた高校野球のヒーロー。嵐や花も彼のファン。冷凍睡眠から目覚めるも、仲間は次々と命を落としたことにより、冬のチーム唯1人の生存者。北海道で野犬たちを飼いならし、夏のBに出会い、春のチームに合流するまでの15年間を1人で生き抜いていました。
・安居
夏のAチーム。この世界で生き抜ける人材を育成するための施設で育ち、過酷な訓練を受け高い能力を有している少年。その過程で多くの仲間を失っており、当時のことを今なお引きずっています。花とはまったくそりが合わず、そのことからある事件を起こします。基本他人を見下し
・青田 嵐
高校2年生。17歳。夏のBチーム。春のチームの花とは恋人関係。正義感が強く、まっすぐな性格をした優しく爽やかな好青年。花のことを何よりも大切に想っており、彼女同様再会することを強く望んでいます。水泳でオリンピックを目指していたことから泳ぎが得意。虫が大の苦手。
・麻井 蝉丸
18歳。夏のBチーム。水商売をしている母と2人暮らしの母子家庭。不良少年で口も態度も悪いが、明るくチームのムードメーカー的存在。何かとナツに絡み、最初はうじうじした彼女にちょっかいを出し遊んでいたが、次第に異性として気にするようになります。意外と面倒見が良い。虫が苦手。
【eBookJapan】 7SEEDS 無料で立ち読みできます
巨大隕石の衝突によって災厄に見舞われた未来の地球で、人類滅亡を防ぐために冷凍睡眠されていた少年少女たちが長い眠りから目覚め、過酷な環境と化した日本列島で仲間たちと生き抜くために手を取り合って奮闘する物語。
近未来の地球を舞台にしたSFサバイバル作品。著者はSFファンタジー作品『BASARA』を代表作に持つ田村由美さんです。SF、サバイバル、恋愛友情など、少女マンガでありながら男性にも好まれそうな設定で、性別問わず広い年齢層が楽しめる作品になってます。
圧倒的な迫力と、リアリティも感じられる終末的な世界観と設定が素晴らしいですね。災厄以前の文明を思わせる場所はほとんどなく、奇妙な生態を持つ植物や生物も誕生しています。
タイトルの『7SEEDS』とは、隕石衝突による人類滅亡を防ぐためのプロジェクト名です。健康体を持つ優秀な若者を冷凍睡眠を用いて保存し、地球が再び人間が生存しうる環境に戻った時に目覚めさせるという計画。各国ごとに執り行ない、日本では7人のチームを春・夏A、B、秋、冬の5チームを編成しました。それぞれ各分野に秀でた人物を集めていますが、夏Aと夏Bだけは少し毛色が違うメンバー選出が成されています。
夏のAに関しては生まれる前から選別が始まっていて、優秀と判断された精子と卵子の掛け合わせにより誕生し、幼い頃から各種英才教育を受けてきたサバイバルのプロフェッショル。全チーム中最強ですが、他チームとはギスギス状態。
夏のBは別段飛び抜けて優秀というわけではなく、簡単に言ってしまえば、真っ当に育った人間では過酷な環境での生存が不安だから念のため問題児も入れてみよう、という保健的考えから選出された落ちこぼれ集団。他チームよりお気楽なところが目立ち、笑顔も多く、能力的には最弱でもチームのメンタルはある意味最強。重くなりがちなところ、このチームの存在が他チームにとっても読者にとっても良い緩衝材になってますね。危なっかしいところはありますけどなんか安心させてくれます。
また、それらチームごとのt登場人物たちが一人一人個性が立っていて魅力的。
各チームごとにナツや花などの主人公的ポジションにいるキャラはいますが、登場人物総勢約30名そのほとんどがメインキャラみたいなものだと思ってます。これだけ多いのにごちゃごちゃさせずにストーリーを組み立てられるのは凄いですね。人の繋がりの中から生まれる友情、恋愛、対立など様々な人間ドラマを覗けるのも面白い。
なかでも私が好きなのはナツですね。基本何かしらに秀でた優秀な人たちばかりのなかにあって、彼女はいたって平凡で、能力的には下手したら平均以下の女の子。それ故、最も成長著しいのも彼女ですね。内気で頼りなく、いつもオドオドしていたナツが、誰かに身を預けるだけではなく自分で判断・決断し、行動に移し、踏み出した1歩で地固め出来たらまた1歩先に進むを繰り返し、少しずつ成長していきます。最も危なっかしいからという理由もありますが、自分の殻を破っていく彼女は応援したくなりますね。
直面する様々なトラブル、問題、ピンチに挑む彼等の姿から目が離せません。
登場人物は多いのに必要のない子が1人もおらず、誰かに頼ってばかりではいられない環境・状況も起因し、成長していくなかでそれぞれが役割を見つけて行動してます。持ちうる知識、知恵、技術を出し合い、自分でやれることは自分で、1人で出来ないことはチームで、1チームで困難ならその場にいる皆で考え、今どうすべきか、何が最適かを真剣に模索しながら乗り越えようと奮闘しています。
自分達で決め、責任を持って行動するというのは本来なら当たり前ではあるけど、それが出来てるかと聞かれると私は少し自信ないです。彼女彼等の行動からはその責任も強く現れていて、その姿を見てると考えさせられますね。
アニメでもなんでも映像化されたらとても映える面白い作品になりそうですが、世界観もストーリーも壮大過ぎて厳しいでしょうね。少なくとも日本での実写化はまず不可能として、アニメ化するにしても中途半端なところまでだと意味がない作品なので、最後まで作るとしたら一体何クールになることやら。1年通したとしても足りそうにないですね。でも、観てみたい気持ちは消せません。
世界観・ストーリー共に緻密で素晴らしく、キャラクターは多くてもそれぞれに魅力的な個性があり、絵はとても綺麗。ただ、絵に関しては好き嫌い分かれそうではあります。進めば進むほど面白くなるので長編であっても飽きることなく読むことが出来る作品。
恋愛の行方も目が離せませんね。その方面では主に花、嵐、新巻さんの話が目立ちますが、私はやはりナツに注目してます。蝉丸の真剣なアプローチによりナツも意識するようになってきました。個人的には蝉丸×ナツも良いカップルになりそうですけど、安居×ナツもアリなのではと思ってます。ただ、安居×ナツは兄妹の関係にも見えるんですよね。今後の動向に要注目。
私の中では傑作。単純に漫画として面白いというだけでなく、強いメッセージ性も含まれた作品です。面白いのでよければ読んでみてください。自信を持っておすすめさせていただきます。
作者:田村由美
他作品:BASARA
あらすじ
両親と弟とペットのネコと一緒にいつもと何も変わらない日常を過ごし、自分の部屋で眠りに着いた16歳の岩清水ナツ。しかし、ベッドの上にいたはずのナツが目を覚ますと、そこは見覚えのない荒れ狂う海に浮かぶ船の上。自分がどうしてこんな所にいるのか、何が起こっているのか、何も分からない状況に戸惑うナツ。ナツは自分と同じように船に乗せられていた少年の嵐や蝉丸たちと行動を共にすることになる。
――あたしたちは、どこに来てしまったんだろう?
近い将来巨大な隕石が地球に衝突することが判明し、人類を含むあらゆる生命が滅亡すると学者らによって予測された。各国で人類を未来に残すために多くのプロジェクトが考えられるなか、政府は未来へ希望を繋ぐ『7SEEDS』計画を打ち立てた。
登場人物
・ 岩清水 ナツ
高校1年生。16歳。夏のBチーム。内気で大人しい性格の少女。意思表示も苦手で暗く見えることから、学校ではいじめに合い、登校拒否状態。一緒の班になり、優しく何度も助けてくれた嵐に好意を寄せていました。この極限のサバイバル生活を送る中で次第に逞しさを身につけ、仲間のピンチを救うまでに成長していきます。視力が高い。
・末黒野 花
高校2年生。17歳。春のチーム。嵐の恋人。正義感が強く、行動力もある気の強い少女。父親譲りの高いサバイバル能力の持ち主。仲間の危機には臆することなく行動に移し、チームを牽引していくが、その行動力と正義感が災いして自身を危険に晒してしまう事態も引き起こします。恋人である嵐との再会を生きる希望にしています。
・新巻 鷹弘
高校2年生。冬のチーム。50年に1人のピッチャーと評されていた高校野球のヒーロー。嵐や花も彼のファン。冷凍睡眠から目覚めるも、仲間は次々と命を落としたことにより、冬のチーム唯1人の生存者。北海道で野犬たちを飼いならし、夏のBに出会い、春のチームに合流するまでの15年間を1人で生き抜いていました。
・安居
夏のAチーム。この世界で生き抜ける人材を育成するための施設で育ち、過酷な訓練を受け高い能力を有している少年。その過程で多くの仲間を失っており、当時のことを今なお引きずっています。花とはまったくそりが合わず、そのことからある事件を起こします。基本他人を見下し
・青田 嵐
高校2年生。17歳。夏のBチーム。春のチームの花とは恋人関係。正義感が強く、まっすぐな性格をした優しく爽やかな好青年。花のことを何よりも大切に想っており、彼女同様再会することを強く望んでいます。水泳でオリンピックを目指していたことから泳ぎが得意。虫が大の苦手。
・麻井 蝉丸
18歳。夏のBチーム。水商売をしている母と2人暮らしの母子家庭。不良少年で口も態度も悪いが、明るくチームのムードメーカー的存在。何かとナツに絡み、最初はうじうじした彼女にちょっかいを出し遊んでいたが、次第に異性として気にするようになります。意外と面倒見が良い。虫が苦手。
【eBookJapan】 7SEEDS 無料で立ち読みできます
感想
巨大隕石の衝突によって災厄に見舞われた未来の地球で、人類滅亡を防ぐために冷凍睡眠されていた少年少女たちが長い眠りから目覚め、過酷な環境と化した日本列島で仲間たちと生き抜くために手を取り合って奮闘する物語。
近未来の地球を舞台にしたSFサバイバル作品。著者はSFファンタジー作品『BASARA』を代表作に持つ田村由美さんです。SF、サバイバル、恋愛友情など、少女マンガでありながら男性にも好まれそうな設定で、性別問わず広い年齢層が楽しめる作品になってます。
圧倒的な迫力と、リアリティも感じられる終末的な世界観と設定が素晴らしいですね。災厄以前の文明を思わせる場所はほとんどなく、奇妙な生態を持つ植物や生物も誕生しています。
タイトルの『7SEEDS』とは、隕石衝突による人類滅亡を防ぐためのプロジェクト名です。健康体を持つ優秀な若者を冷凍睡眠を用いて保存し、地球が再び人間が生存しうる環境に戻った時に目覚めさせるという計画。各国ごとに執り行ない、日本では7人のチームを春・夏A、B、秋、冬の5チームを編成しました。それぞれ各分野に秀でた人物を集めていますが、夏Aと夏Bだけは少し毛色が違うメンバー選出が成されています。
夏のAに関しては生まれる前から選別が始まっていて、優秀と判断された精子と卵子の掛け合わせにより誕生し、幼い頃から各種英才教育を受けてきたサバイバルのプロフェッショル。全チーム中最強ですが、他チームとはギスギス状態。
夏のBは別段飛び抜けて優秀というわけではなく、簡単に言ってしまえば、真っ当に育った人間では過酷な環境での生存が不安だから念のため問題児も入れてみよう、という保健的考えから選出された落ちこぼれ集団。他チームよりお気楽なところが目立ち、笑顔も多く、能力的には最弱でもチームのメンタルはある意味最強。重くなりがちなところ、このチームの存在が他チームにとっても読者にとっても良い緩衝材になってますね。危なっかしいところはありますけどなんか安心させてくれます。
また、それらチームごとのt登場人物たちが一人一人個性が立っていて魅力的。
各チームごとにナツや花などの主人公的ポジションにいるキャラはいますが、登場人物総勢約30名そのほとんどがメインキャラみたいなものだと思ってます。これだけ多いのにごちゃごちゃさせずにストーリーを組み立てられるのは凄いですね。人の繋がりの中から生まれる友情、恋愛、対立など様々な人間ドラマを覗けるのも面白い。
なかでも私が好きなのはナツですね。基本何かしらに秀でた優秀な人たちばかりのなかにあって、彼女はいたって平凡で、能力的には下手したら平均以下の女の子。それ故、最も成長著しいのも彼女ですね。内気で頼りなく、いつもオドオドしていたナツが、誰かに身を預けるだけではなく自分で判断・決断し、行動に移し、踏み出した1歩で地固め出来たらまた1歩先に進むを繰り返し、少しずつ成長していきます。最も危なっかしいからという理由もありますが、自分の殻を破っていく彼女は応援したくなりますね。
直面する様々なトラブル、問題、ピンチに挑む彼等の姿から目が離せません。
登場人物は多いのに必要のない子が1人もおらず、誰かに頼ってばかりではいられない環境・状況も起因し、成長していくなかでそれぞれが役割を見つけて行動してます。持ちうる知識、知恵、技術を出し合い、自分でやれることは自分で、1人で出来ないことはチームで、1チームで困難ならその場にいる皆で考え、今どうすべきか、何が最適かを真剣に模索しながら乗り越えようと奮闘しています。
自分達で決め、責任を持って行動するというのは本来なら当たり前ではあるけど、それが出来てるかと聞かれると私は少し自信ないです。彼女彼等の行動からはその責任も強く現れていて、その姿を見てると考えさせられますね。
アニメでもなんでも映像化されたらとても映える面白い作品になりそうですが、世界観もストーリーも壮大過ぎて厳しいでしょうね。少なくとも日本での実写化はまず不可能として、アニメ化するにしても中途半端なところまでだと意味がない作品なので、最後まで作るとしたら一体何クールになることやら。1年通したとしても足りそうにないですね。でも、観てみたい気持ちは消せません。
世界観・ストーリー共に緻密で素晴らしく、キャラクターは多くてもそれぞれに魅力的な個性があり、絵はとても綺麗。ただ、絵に関しては好き嫌い分かれそうではあります。進めば進むほど面白くなるので長編であっても飽きることなく読むことが出来る作品。
恋愛の行方も目が離せませんね。その方面では主に花、嵐、新巻さんの話が目立ちますが、私はやはりナツに注目してます。蝉丸の真剣なアプローチによりナツも意識するようになってきました。個人的には蝉丸×ナツも良いカップルになりそうですけど、安居×ナツもアリなのではと思ってます。ただ、安居×ナツは兄妹の関係にも見えるんですよね。今後の動向に要注目。
私の中では傑作。単純に漫画として面白いというだけでなく、強いメッセージ性も含まれた作品です。面白いのでよければ読んでみてください。自信を持っておすすめさせていただきます。
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