2014年03月21日
【都立中高一貫校】 私立併願の実態に迫る!
★ 私立との併願を身近で知る、しかも・・・
最近、都立中高一貫校は私立中学受験者の併願対象になっていると言われます。
そう言われるものの、我が家は都立一本の受検だったこともあり、どうもあまり実感がなかったのですが、最近少し驚くような話が身近にありました。
会社の同僚の娘さんが、今年ある都立中高一貫校に合格しました。
そのことは知っていたのですが、たまたまその同僚と話をしていると、なんと娘さんは御三家の一つである桜蔭も合格し、桜陰の合格を辞退して都立中高一貫校を選んだと言うのです。
あまり私立中学のことに詳しくない私でも、もちろん桜陰ぐらいは知っています。
その同僚が言うには、本当は桜陰に行かせてあげたかったものの、やはり経済的な理由で都立中高一貫校を選んだということです(その同僚には子供が4人いますから・・・)。
塾についても、元々勉強が非常に良くできたので、小学5年生の時にある塾の全国テストを受けてみると非常な好成績だったことから、塾側から特待生として迎えられて通塾していたらしいです。
そして、私立には行くつもりはなかったものの、塾側への恩返しの意味で、何校かを受験し、桜陰を筆頭に受験した全ての学校で合格したとのことです。
このような強者が都立中高一貫校に入学してくるケース、ひょっとすると最近は少なくないのかもしれません。
★ 有名進学塾生の都立中高一貫校志向は?
この話をきっかけに、難関校への合格で圧倒的な強さを発揮しているSAPIXの都立中高一貫校への合格者数の推移を興味本位で調べて見ました。
「SAPIXに通う子供達」=「私立難関・中堅上位校志向の子供達」だと見て大きな間違いないだろうとの考えで、SAPIXを選んでいます。
SAPIXの場合はかなり高い水準の成績を取らないと塾自体にも入れないと聞きますので、そのSAPIXからの合格者数の推移を見れば、高偏差値層はそれぞれの都立中高一貫校をどのように見ているかの把握ができるはずです。
2009 2010 2011 2012 2013 2014
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小石川 9917 -> 9922 -> 9927 -> 9931 -> 9931 -> 9929
桜修館 9995 -> 9999 -> 9992 -> 9998 -> 9915 -> 9920
九段− 9993 -> 9913 -> 9912 -> 9917 -> 9910 -> 9913
武蔵− 9993 -> 9996 -> 9992 -> 9999 -> 9993 -> 9996
大泉− 999- -> 9993 -> 9992 -> 9991 -> 9993 -> 9994
両国− 9998 -> 9992 -> 9993 -> 9993 -> 9992 -> 9994
三鷹− 999- -> 9994 -> 9994 -> 9994 -> 9995 -> 9993
南多摩 999- -> 9992 -> 9991 -> 9990 -> 9991 -> 9992
白鴎− 9992 -> 9990 -> 9990 -> 9992 -> 9994 -> 9990
富士− 999- -> 9994 -> 9994 -> 9992 -> 9992 -> 9990
立川国 9990 -> 9990 -> 9991 -> 9992 -> 9991 -> 9990
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合計 9938 -> 9965 -> 9958 -> 9979 -> 9977 -> 9981
平均 9.5.4 -> 9.5.9 -> 9.5.3 -> 9.7.2 -> 9.7.0 -> 9.7.4
※ 2009年から2014年までの各校の合格者数を時系列的に表示しています。
※ 2014年の合格者が多い順に縦軸の学校を並べています。
※ 「−」は、開校前のため対象外であることを表示しています。
★ 高偏差値層に人気がある「小石川」「桜修館」「九段」
とりあえず、上の表で気がついたことを列挙していきましょう。
● 「平均」を見ると、2012年に一つ階段を上ったように人数が増えています。これは、前年に白鴎から東大合格を5人出した所謂「白鴎ショック」で、都立中高一貫校全体の評価が上がったことによるものと思われます。
● 「小石川」は、かなり以前から(少なくとも2009年から)私立難関・中堅上位校受験者の併願対象になっていたことがわかります。
● 「桜修館」で、2013年・2014年と合格者が急に増えたのは、1期生・2期生の大学合格実績が評価され、私立難関・中堅上位校受験者からも注目された結果だろうと思います。
● 「九段」は、2010年からの合格者が比較的多いですが、これは小石川と同じように適性検査の問題を私立に近いスタイルにしたことが影響しているのかもしれません。
● 「武蔵」は、意外と合格者が少ない気がしますが、武蔵とSAPIXの立地等と関係があるのかどうか・・・。多摩方面と「小石川」「桜修館」「九段」などのある23区中心部では、受検層が異なるということかもしれません。
● SAPIXの子供達と言えども、受検で不合格となるケースは多いはずです。合格率がわからないのでなんとも言えませんが、小石川や桜修館での合格率が1/5程度と仮置きすると、2014年の受検者数はSAPIXだけで小石川が150人・桜修館が100人となります。また、世の中にはSAPIX以外の私立受験を念頭に置いた進学塾が沢山ありますから、これらを踏まえるとかなりの割合の「小石川」「桜修館」「九段」受検生は私立と併願していると言うことかもしれません。
では、最後に、なぜ「小石川」「桜修館」「九段」は高偏差値層である私立難関校・中堅上位校志望者に人気があるかをまとめたいと思います。
人気の理由には、「@都心部という立地」「A中高一貫化前の母体校評価」「B前年の大学合格実績」「C適性検査の出題方法」が影響を与えているんだろうと思っています。
小石川は、@、AとCから人気が不動なのだろうと思います。
桜修館は、@とBなのだろうと思います。
九段も、小石川程ではないにしろ、@、AとCが理由なんだろうと思います。
あと、この3校は全て中等教育学校であり、高校からの入学はありません。
ひょっとすると、「中等教育学校」という完全な6年間の一貫教育であることも、人気の理由にあるかもしれません。
★ 私立難関校・中堅上位校受験者に勝てるか
私立難関校・中堅上位校受験者に対し、都立一本で勝負する子供達は太刀打ちできるか・・・。
結論から言うと、私は十分に可能と思います。
もっと正確に言うと、都立中高一貫校の適性検査においては、私立向け勉強と言うのは直接的に関係がないものと思います。
以前のブログで、適性検査問題を分析し、合否は「算数のセンス」で大きく決まると言いましたが、私立向けとか都立中高一貫校向けなどの勉強スタイルが決め手ではなく、「数字を使った論理力」「文章表現力」をいかに身につけるかがポイントなんだと考えています。
私立向け勉強においては、適性検査であまり問われない知識系問題の学習に時間を割かなければならない反面、難易度の高い算数の問題に取り組む機会が多く、この点で私立向け勉強が役立っていることもあろうかと思います。
都立一本で勝負する子供においても、難易度の高い算数の問題に多く取り組む等の機会を設ければ、全く問題ないだろうと言うことです。
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※ 2016年の各都立中高一貫校におけるZ会会員合格者数:白鴎(41名)、桜修館(41名)、三鷹(27名)、小石川(22名)、九段(21名)、南多摩(20名)、大泉(19名)、富士(17名)、立川国際(17名) 、武蔵(15名)、両国(11名)
Z会は適性検査と同じ「考えさせる」系統の問題が多いため、このように大勢が各都立中高一貫校で合格しているのだろうと思います。
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以上
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承知いたしました。記事、とても参考になりますので、「受検」に慣れるようがんばります!
コメント、ありがとうございます。
これからも、時々更新したいと思いますので、引き続き読んで頂けると嬉しいです。
さて、「受検」と言う言い方ですが、公立中高一貫校の場合、一般的な入学試験に該当するテストを「適性検査」と言います。
したがって、「適性検査」の「検」という文字を指す意味合いで、「受験」ではなく「受検」と言われることが多いため、私のブログにおいてもこの言い方を採用しています。
「受検」という言葉に、なかなか慣れないかもしれませんが、このような背景で使用していることをご理解頂けると幸いです。
これからも更に情報量が増えていくことを期待しております。
ひとつだけ・・・受検→受験としていただけると、読みやすいです。
よろしくお願いします。