2020年04月18日
パソコン修理屋は今回のような緊急事態宣言が出てもやっていけるのか?
パソコン修理屋を考えている方にとって、こちらの表題の疑問はとても気になるところだと思います。
15年以上続けてきたパソコン修理屋が、今回、どのような事になっているのかご説明致します。
まず、パソコン修理依頼はまったく無くなりました。家に居てパソコンを使うから壊れた時の修理が増えるのじゃないか。と考えるところですが、まったくありません。
それどころか、電話相談や消耗品の注文までも無くなりました。普段から顧客に法人や個人事業主の方が多いため、休業することによりパソコンを使わなくなったというのが理由と考えられます。また、個人の方も家から出ないために、修理持ち込みは避けたいところだと思います。
それでは経営が厳しくなったのでは?と、思われるかもしれませんが、事業収入はむしろ増えているんです。普段から収益の不安定なパソコン修理業。「何かあった時にはコレをしよう」と考えていました。修理以外からの収入が増え、収支に不安はありません。
今回のコロナ騒動でマスクの転売が大きく取沙汰されました。そのような需要には早くから気づいていました。実際、余裕で注文できる時に少し多めにマスクを注文しました。
一箱数万円で取引きされているマスクを、会社では何箱もストックしておりました。人には「売ればいいのに」と言われましたが、それはやっていません。
今回の件で需要を増したあるモノ
今回の件で世間の会社ではネット会議が盛んに行なわれるようになりました。そこから需要が増したパソコン周辺機器を主に仕入れて販売していますが、信じられないような量が売れています。
このような事態は好ましいことではありません。しかし、長年イバラの道を歩んで来ていると逆に、「商機では?」と前向きに考えるようになりました。
当然、このような需要もずっと続くものではありません。しかし、変化しても人の「困った」を解決する事を常に考えていると、新しいチャンスを比較的簡単に見つけることができます。
昔、経営に必要な資金が底をつきかけ、夜も寝れず、ノイローゼになったことがあります。毎日、毎日、打開策を考え、個人でお金に換金できるものは全て売り払い、耐え抜きました。
そこで学んだのは、「打つ手を前もって考えておく事」と「素早く対処する事」です。今のメイン商売が立ち行かなくなった時のために次の事業の準備をしておき、素早く移行するのです。
「運がいい人」は実は「必然」?
10年以上経営をしていると、人からよく「運がいいね」と言われます。正直、自分も「運が良かった」と思っている点があります。
年に5日。これは、経営が一番厳しかったときの私の休日の日数です。起きてから寝るまで、ほぼ仕事をしていました。お風呂に入っていても、食事をしていても仕事のことばかりずっと考えていました。
そんな状況を知られると、人からは「かわいそうだね」「自営業なんてなるもんじゃない」と、同情されていました。
でも、当の本人はというと、毎日が楽しくて仕方がないんです。例えるならば、釣りが好きで好きでたまらない人に、365日毎日釣りをするのが仕事。となった場合を想像してください。何日かは飽きて嫌になる日もあるかもしれません。
でもきっと、360日は楽しいと思うんです。釣りが好きで好きでたまらない人ならば、ルアーを自分で作ったり、魚のアクセサリーを作ったり、釣り場情報を自分で発信したり。釣ること以外でも楽しく出来る事が山ほどになります。
そういった「好きすぎる事」が私にとって「パソコン修理」の仕事だったわけです。もし修理を始めてみようと思われるならば、パソコンが「好きすぎる。楽しすぎる」という気持ちが判断材料ではないでしょうか。
ある人に言われた言葉があります。それは「運がいい人というのは実は必然なんだ」というものです。まいどの魚釣りで例えるならば、大物を釣りたいと思っている2人の漁師がいます。
一人は朝から毎日、天候の良くない日でも漁場に向かいました。また、魚のいる場所や釣り上げるための情報収集に余念がありませんでした。そうして、一ヶ月後にやっとの事で大物を釣り上げることができました。
もう一人の漁師は、一週間に一度だけ午後から漁に出かけていました。漁以外は趣味に没頭する日々です。何日経っても、何年経っても大物を釣り上げる事ができませんでした。
世間では前者を「運がいい漁師」でかたづけます。何をやっていたのかが一般の人には見えていないからです。傍から見たら「大物を釣り上げた運のいい漁師」なんです。
今、世間で経営をしている人間にはこの「前者の漁師」がワンサカといるんです。そんな「ツワモノ経営者」に肩を並べてやっていくためには、中途半端な気持ちでは絶対にムリです。
始めたばかりで厳しい状況の最中、今回のような事が起こればどんなに頑張っていても難しいと思います。長い間、こんな危機的状況にならなかったのは、やはり「運が良かった」と思います
ただ、厳しい状況でも荒波を乗り越える事ができれば、平常時には大きな恩恵となって帰ってくるのは間違いありません。